うえぽんの「たぬき鍋」

日々のつれづれ、野球ネタ、バカ話など、何でもありの闇鍋的世界?

テレビじゃ見れない2軍劇場。

2005-05-08 22:41:22 | 野球
野球場に来る客が減ったという。かくいう私も、横浜の応援にはなかなか足が向かない。何でかって?金払って負け試合見に行くバカはいませんでしょ。ここ数年の成績じゃそれこそタダ券もらったって行きたかねーよってなものである。「勝つのを信じて応援に行くのがファンだろうが」という意見はごもっともなのだが、タダでさえ貧乏人である上に、長年弱小チームのファンを続けていることで自ずとマイナス思考になりがちで、試合内容と払う金額を天秤にかけると、どうしても「お金もったいないや」という意見が頭の中で勝ってしまうのだ。やっぱ入場料高いよ(涙)。いくら面白い試合をしてくれても、勝負事なんだから少しは勝ってもらわないとつまらない。

まぁ、一度腰を上げて球場に行けば結構楽しいし、大量点差大逆転や劇的なサヨナラ試合、珍プレー好プレーもいっぱい見てきた。巨人・桑田のプロ初勝利。荒木大輔の引退試合。イチローの、打つ球全て柵越えという恐ろしいフリーバッティング。この前ピッチャーぶん殴っちゃったタイロン・ウッズのホームランは3本(場外1本、満塁1本、横浜スタジアムスコアボード最上部直撃1本)見たし、某超高給食わせ物助っ人の最初で最後のホームランも見た。現役時代13年間でわずか12本しかホームランを打っていない短距離ヒッター・広瀬哲朗(元・日本ハム内野手)の一発に至ってはなんと2度も目撃するなど、かなりレアな体験もしている。昔の川崎球場のCMではないけれど、まさに「テレビじゃ見れない○○劇場」なわけである。

さて、勝ち負けうんぬんはともかくとして、安くプロの試合を楽しみたいという人には、1つ方法がある。それは、2軍を見に行くことだ。球場によってはタダで見られる。取られてもせいぜい1000円程度だ。しかも、1軍よりも間近で選手を見られる。これはかなり魅力的である。来ている観客(特に近所とおぼしきオッサン)も本当に野球の好きな人ばかりで、「お、今のプレーいいね。もうすぐ1軍に行けそうだぞ」とか「あいつはここを直せばもっと伸びるんだけどなぁ」なんて、まるで自分がコーチや監督になったかのように厳しくも暖かく選手を見守っている。中には「追っかけ」なんかもいたりして面白い。確かに、2軍だから1軍に比べればプレーの質に関しては少々見劣りするが、先物買いの楽しみというものがある。「今活躍してるあいつ、オレ2軍の時から見てたんだぜぇ」なんて、軽く自慢ができたりする。私も、バス会社勤務の時は泊まり勤務の明けでそのまま球場に行って、半分ウトウトしながら観戦したりしたものだ。

2軍で一番好きな球場は、ロッテ浦和球場である。埼京線&武蔵野線の武蔵浦和駅から線路沿いに歩いて十数分。親会社の浦和工場の並びに佇む、とってもチープな球場である。どれぐらいチープかというと、照明設備がない。スコアボードは得点表示とアウトカウントだけで、選手の名前が出るスペースがない。観客席はグラウンドレベルにベンチが無造作におかれているだけ。もちろん、この球場の入場料はタダ。これこそまさに2軍の球場である。球団によっては立派な球場を使っているところもあって、それはそれで悪くはないのだが、やっぱり浦和球場のような泥臭い球場が2軍には似合う。また、浦和球場の良いところは、ブルペンが観客席のすぐ裏手にあって(三塁側)、プロのピッチングが目の前で見られるところである。投げる時の息づかいまで聞こえるのだ。ブルペンにもベンチがあるのだが、ある日には、現役時代からネタの宝庫としてマニアに絶大な人気を誇る園川一美コーチが、試合直前だというのに昼寝をしていたのを目撃して「うわぁ!さすが園様、やることが違う!!」と大爆笑したことがある。

浦和球場の思い出といえばもう一つ、晩年の池山隆寛(元・ヤクルト)である。ある日、イースタン・リーグのロッテ-ヤクルト戦を見に行ったら、ヤクルトのスタメンに池山がいた。故障のためファームで調整中だったのだ。本来ショートの彼だったが、その日はサードを守っていた。もはや、彼の体は満身創痍でショートを守れる状態ではなかったのだ。三塁側で見ていたから、ヤクルトが守備の時は目の前に池山がいる。浦和球場は三塁側がホームチームになるので、そちらにいる観客もロッテファンが多いのだが、みんなが池山に声援ともヤジともつかない声をかける。「池山ぁ、こんな所にいる場合じゃないぞー!」「早く一軍に戻んなきゃダメだろっ!」最初は聞き流していた池山だが、あまりに声が飛ぶのでキッとこちらを向いた。あれ、さすがにちょっとうるさかったかな?と思ったら、彼はニヤリと笑って帽子をとり、軽く会釈をしてくれたのだ。観客の喜ぶまいことか。大きな拍手と共に「池山頑張れよー!」「応援してるぞー!」と、声援がより一層飛んだのだった。そして、この日の彼はジャンピングキャッチは決めるは特大のホームランは打つはと大活躍。それを見た三塁側ロッテファンは「池山すごいよ!」「今日はいいもの見たねー!」と大喜びだった。1軍の試合だったらこうはいかないだろう。敵チームのナイスプレーを素直に褒める、なんて姿勢を取れるファンは、残念ながらそれほど多くはない。
2軍のファンは相手チームの選手もよく見ているし、一日も早く一軍に上がって活躍してくれることを待っているのだ。そのチームのファンである以前にプロ野球全体のファンなのである。私もそうでありたい。

最近は、なかなか見に行くチャンスがない2軍戦。最近では昨年、名古屋出張のついでにナゴヤ球場でウエスタン・リーグのの中日-広島戦を見に行ったのが久々である。ちなみに中日が17-0というハイスコアで勝った試合で、広島は投手が足りなくなって、しまいには内野手の山本芳彦が投げるというとんでもない展開になり(まぁ、一応投手出身だし)、しかもカープのその日投げた連中で一番内容が良かった(1イニング無失点)という…まぁ、かなりレアな試合になったわけです。

出不精も考え物だし、今年は観戦の機会を増やすかな。でも、負け試合やだもんなぁ…あ、これがイカンのか。今年は横浜も見応えのある試合が増えたことだし、少しは売り上げに貢献しましょうか。
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする