I AM LEGEND

毎月１日は映画の日である。

元旦も１日なので１０００円でロードショーが見れる。

需要と供給に左右されないこの割引制度はとても良い。

なので、今話題のこの映画を観てきた。

とにかく面白かった。

映画はエンターテインメントだと思う私の評価の基準は最初から最後まで飽きずに観れるか、つまりどれだけ画面に釘付けになるかの一点だけだ。

映画にも色々あって、ハートウォーミング、アクション、サスペンス、コメディ、ホラーとタイプも様々だが最後まで飽きさせず見せてくれる映画は少ない。

どこかで冗長な部分があったり、読めちゃう展開があったりする。

物語を最初からクドクドと説明口調で描いてる場合ももどかしい。

そうすると、一気にその映画への情熱が冷めてしまい、アラが目立ってしまい、急につまらなくなる。

久々に最初から最後まで展開が読めないままラストまで一気に引き込まれたこの映画は◎の評価をつけたい。

それにしても、ロードショー中の映画の紹介は気を使う。

熱心に面白さを伝えようとするあまりネタバレしては面白さが半減してしまうからだ。

さて、その辺を充分に注意しながら本題に入ろう。

まず第一に余計な説明がないまま、唐突に映画が始まるのがいい。

プロローグでこの物語のカギになると思われる話題がニュースで紹介されたと思ったら、次のシーンでは世界で独りっきりになった男の生活がいきなり描かれ始める。

時系列に沿って物語が進行するのではなく、世界で一人っきりのその男の生活を追いながら彼が過去の記憶を思い出す形で断片的に過去の経緯が挿入されるのだ。

見てる方は何が何だか分からないので、食い入るように見てないと謎解きのカギや伏線を見落としてしまう。

例えば、「発電所も止まってるのに何で電気を使えてるの？」とか「外出を終えて家に帰ったときに撒いている液体は何か分らないし、なんで撒いてるの？」とか色々ある。

そして肝心要の、「その男は何者なのか？」、「どうして一人っきりなのか？」、「なぜ生き残れたのか？」、「どうやって生活してるのか？」、そして「何がしたいのか？」という謎が少しずつ明らかにされていく。

段々分ってくると次にその男が相手として戦ってるナニモノかの存在がとても気になってくる。

いよいよ物語の第２ステージの始まりだ。

ここの部分が一番のウリで、ハラハラドキドキする重要なパートだ。

ヘタなホラー映画をも凌ぐ演出効果があったように思う。

戦う相手の正体が明かされた瞬間のゾッとしたシーンは今だ脳裏に焼きついている程だ。

敵の正体が分ってホッとしたら、今度は更に意外な展開が待っている。

起承に続く”転”の部分だが、このパートも謎や？が多い。

そういう意味では一番の突っ込み所かもしれない。

なにしろこの映画の根幹を揺るがす出来事が起きるわけだから無理もない。

そして全ての謎がハッキリするヒマもなく、物語は衝撃のラストへ向かっていく。

そして映画のタイトルになった”I AM LEGEND”の意味がチャンと分る最後のオチへと続く。

振り返ってみれば、細かい矛盾点はいくらでもあるし、それは違うだろうっていう突っ込みもしたくなる部分もあったが、その辺を割り引いてみても、それを凌ぐに値した映画だったと思う。

家族４人で観に行ったが、映画について色々感想を述べ合うくらい、観た後も楽しめた。

小学校３年の娘はさすがにチンプンカンプンだったみたいだが、迫力や恐さは充分に伝わったとみえて、退屈してるヒマはなかったようだ。

是非映画館でお楽しみ下さいとお奨めしたい映画だ。