日本人には性質の悪いクレーマーは少ないと言われている。
まあ、ちょっとくらいなら我慢しちゃうのが一般的だし、黙って二度と利用しないという結論を出して報復しようとする。
場合によっては我慢の果てにキレるから、手がつけられないくらいに怒ってしまう事もあるようだ。
もっと冷静に不利益を被ったことや納得できないことを感じたまま、溜めずに理論立てて、ぶつけていれば、売る方、買う方の双方にメリットがあると思うのだが、現実はなかなかそうはいかないようだ。
売る方だって、自覚無しに不評を買うようなことをしてるケースもあるだろうし、クレームによって改善を図って質の向上に繋がるメリットがある。
買う方にも、変にこじれる前に不満を冷静に表明できれば、逆に優良顧客として優遇される可能性だってあるので絶対にそうした方がいいと思える。
先日、焼肉の「牛角」へ行ってきた時のこと。
この店はここ5~6年急成長してきた全国展開のチェーン店で若い人に人気がある。
特別に上質な肉があるというわけじゃないが、値段のワリに美味しいし、なかなか洒落てる点が人気の秘密なんだろう。
店員の教育も行き届いており、質もそこそこで、返事もハキハキ、気持ちのいいサービスを受けられる。
食べ盛りの高校生を抱える我が家としては、まさに家計に嬉しい焼肉屋なのだ。
家から近いこともあって、良く利用していた。
とにかく店は活気に溢れ、お客さんでいっぱい、オーダーしたものはすぐ来るし、過去に不満を抱いたことは一度もなかった。
ところが、先日食べ放題のサービスメニューが新設された事を知り、食べ盛りの息子がとにかくお腹が裂けるまで食べてみたいというので、オーダーしてみた。
当然、肉の質が落ちることは想定内だったが、質より量を優先させたわけだ。
このシステムのお約束事として、同じテーブル内の一人だけが食べ放題をオーダーする事は出来ないので、他の家族は食べ放題のメニューは欲しくなかったが、渋々全員分オーダーした。
そして、90分という制限時間がスタートした。
最初に店で用意するスタート用の肉の盛り合わせは直ぐに来た。
問題はそこからで次にオーダーしたものが中々来ないのだ。
後から来た隣のテーブルのお客さんは食べ放題ではなく、他の普通のメニューだったが、オーダーしたものが次々と早く来るのを横目で見ながらイライラしていた。
再三再四、急がせるもあまり効果がなく、この食べ放題の客のメニューは意図的に遅らせてるとしか思えないほどだった。
オーダーしたモノが中々来ない→時間の経過で腹が膨れる→空腹感がなくなると肉の質が気になってあまり食べたくなくなるという方程式で、結局、途中でもういいやとなってしまった。
質より量と言っていた息子でさえ、いつもと変わらない量で、質の劣る肉に飽きていた。
こういうものはお腹が空いてる内に一気に食べないと質の良くないものほど味に飽きて食べれなくなってしまう。
そこを見越しての店側の作戦なら、ちょっとフェアじゃないなと感じた。
そんな手まで使って提供するサービスってセコすぎるのでは?
もっと制限時間を短くするなり、もっと質を落とすなりすればいいと思うけどね。
オーダーバッフェと銘打って看板メニューにしてるくらいなら、もう少し気を使ってくれてもいいと思った。
これじゃまるで、両津勘吉の経営するイカサマ・レストランって感じだよ。
いつもは家族4人で普通に満腹になって8000円前後なのに、この日は軽く1万円を超えてしまった。
いつもより質の良くない肉を食べて、満腹の度合いは変わらず、しかもイライラした結果が割高になったのでは、まるで納得がいかない。
不満タラタラで店を後にした。
クレームをしたのかだって?
するわけないよ、2度と行かないだけだから・・・。
と言いながら、また行っちゃう気がするな、でも2度と食べ放題メニューは頼まないのは間違いない!