沖縄から帰ってきた。
両親を連れての5泊6日の旅だった。
木枯らし1号が吹き荒れて、寒さで震え上がった本土と違って、最高気温23℃の快適な毎日を過ごしてきた。
特に石垣島は、さらに3~4℃くらい沖縄本島より気温が高く、まるで本土の残暑厳しい9月頃の気候のようだった。
沖縄本島3泊、石垣島2泊(含む竹富島観光)と、限りなくのんびりとした日程で巡ってきたつもりだったが、それでも、80歳目前の父にはハードスケジュールだったらしく、最後の方は疲れて早く帰りたがっていた。
父にとっては沖縄の戦跡が一番関心が高く、沖縄本島で、その思いを果たしてしまうと、あとの付録のような観光は体力の消耗と共に興味が少々失せてしまったようだ。
私にとっては2年振り、4度目の沖縄だが、両親にしてみれば初となる今回の旅程、どこをどう巡るかで、かなり考えさせられた。
戦跡一本やりの父と綺麗な海を含む沖縄の自然を見たいという母、その両方を満足させ、尚且つ、のんびりとした無理の無いスケジュールにすべく考慮すべき点が多かったからだ。
結局、スケジュールは沖縄本島では美ら海水族館、ガラス工房での琉球ガラス制作体験、首里城そして、戦跡巡りという風にした。
そして、石垣島では車による島内観光と海の綺麗な川平湾でのグラスボートによるサンゴ礁と熱帯魚観察という定番を加えた。
そして、石垣島から高速船でわずか10分の距離にある竹富島を離島ツアーの締めくくりとした。
それにしても、マリンスポーツなどと全く無縁の、いかにも年配者のツアーらしい内容となってしまった。
よく旅行会社のツアーなどで売り出してる沖縄離島巡りのパックだと2日くらいで7島ぐらい平気で見て回るようだが、とてもウチの父にはついて行けない。
だからこそ、今までツアーへ参加できない父の為に行った事のない場所へ無理のないスケジュールで私がプランを立て、案内してきた。
そして、足が弱いなりに年に一度の旅行に何とか参加してきた父だが、今年は最初から弱気で来年からは行けそうにないと呟いていた。
体力面でかなり辛い事は一緒に旅行すればすぐに分る事だが、旅行への好奇心までが薄れてしまった事は、まだまだ元気にして欲しいと願う私としては、相当気がかりになってしまうことだった。
適当に受け流してみたものの、一緒に旅行に行けなくなるのはやはり寂しいし、今後の不安も同時に感じてしまった、今回の旅行だった。