投資というと、よっぽどお金の余裕が有る人が更に増やす為の手段、あるいは電話などで勧誘してくる怪しい儲け話というイメージが強い。
したがって、少なくとも自分には全く関係の無い話だと信じて疑わなかった。
以前、株式はギャンブルのようなもので、とても手を出せるものでないという話をエントリーしたことがあるが、それは投資に関する私の考えの集約でもあった。
しかし、一方で自分自身が株式の売買をせず、その道のプロが代理でやってくれて、その人への投資なら面白いなと考えていた事も事実だ。
でもそんなウマイ話なんて、そうそうあるはずがないし、投資金額だって大きいに決まっているから、所詮自分にとっては現実味の無い夢話に過ぎないとも感じていた。
ところが、世の中にはそんなウマイ話が現実にあるのだ。
一般に”投資信託”と呼ばれるものがそれだ。
もっとも確実に儲かるというウマイ話ではないので、くれぐれも誤解の無いように願いたい。
以前から、私もこの言葉は聞いた事があったが、冒頭で感じていたイメージが強すぎて完全にスルーしていた。
それでは、なぜ改めて”投資信託”なのか、それは会社の組合役員をやっていた時期まで遡る。
今年の冬から春先まで、会社と組合で退職金制度改革の話し合いを続けていた。
会社は旧制度を廃止して新制度を導入したいと提案してきた。
話が難しすぎるので、その中身についての説明は省くが、新制度というのが日本型401Kと呼ばれる確定拠出年金のことだった。
その制度とは退職金の一部を在職中から個人の口座に会社が毎月振り込み、そのお金を個人で運用して増やすことができて、退職時に残りの一時金と合わせてもらえるというシステムだった。
アメリカでは既に運用が始まっていて、日本でもかなりの企業で導入されつつある。
企業にとっては退職金の一部を前払いしてるようなもので、退職時の負担が減るくらいでそんな大きなメリットはないように感じるが、社員にしてみれば、そのメリットは大きい。
20年以上勤続するのなら、運用次第で相当に大きく増やせるからだ。
同じ勤続年数で同じ給料であっても、退職時に貰う退職金に大きな開きがくる時代がもうすぐそこまで来ているのだ。
この口座に振り込まれるお金はたとえ退職しても60歳までは現金化できないが、会社が倒産しても保全されるし、運用利益も含め現金化するまで税金は全くかからない。
そして、ここからが肝要だが、それを増やす手段というのが、まさに”投資信託”なのだ。
但し、税金が優遇されるのは、この制度で利用される”投資信託”に限ってのことで、個人が単独で個別に投資信託する分には税金がちゃんと掛かってくるので、誤解のないよう念のために申し添えておく。
さて、この制度導入にあたって、何度も勉強会が開かれて、私は”投資信託”について相当学んだ。
勉強すればするほど、”投資信託”というのは決して大きなお金が必要な博打ではないと悟った。
つまり、”投資信託”には物凄い数の商品が用意されているので、自分でリスクやリターンの程度を把握した上で自分で好きな商品を自由に選ぶ事が出来るからだ。
銀行の預金やタンス貯金よりマシな程度の元本保証されてる商品からハイリスク・ハイリターンな商品までそのラインナップは充実している。
国内・海外株式だけでなく国債・債権まで取り扱っており、必ず自分にピッタリなものがある筈だ。
しかも投資金額を分散して色々な商品の組み合わせにしておくと、大きな怪我がなく運用できるので安心である。
そして殆どの商品が1万円以上1円単位で購入する事が出来てしまう。
私にとって実はこれが一番魅力的だった。
試し買いが出来るし、投資への垣根をグンと低くしてくれた金額だったからだ。
これならちょっとした余った資金を寄せ集めれば、継続して投資していけるのだ。
実は7月より実験的に投資信託をネットで始めている。
定期的にではなく、思いつくままに手元に置いているよりマシという感覚である商品をずっと購入して投資を続けている。
人が関与する銀行・証券会社なら不本意なモノや必要以上に買わされる恐れがあるが、ネットでクリックして購入する分には、そんな心配も杞憂だ。
米国のサブプライム問題で今年の夏、世界同時株安の影響をモロに受けて一時は相当に元本を割り込んだが、また持ち直している。
投資金額はあまりにも少額で恥ずかしくて言えないが、約4ヶ月経過して、現在18%ほどの利益が出ている。
私が注目しているのは中国及び東南アジアの株である。
自分が直接買うわけではないので、売り時買い時に悩む必要も無い。
ましてやどの銘柄がいいなんて研究の必要も無い。
中国の株式はまさに今、バブルそのもので物凄い勢いで伸びている。
極端な事を言えば、投資した金額が1年で倍になる勢いだ。
いずれそのバブルがはじけるのは確実で北京オリンピックまでという人までいるようだが、一時的に下がっても、中国市場そのものがまだまだ発展途上であって、長い目で見れば絶対にもっと成長できると言っても過言じゃない。
もし、これが日本国内株式の投資信託だけの話だったら私もそんなに関心を持たなかっただろう。
80年代のバブル、その後に続くITバブルとその崩壊を2度も経験した日本の市場は成熟し過ぎて急成長できる余地がもうあまり残ってないと見てるからだ。
しかしながら、中国市場が今、急騰しているからといって、決して短期で見てはいけない。
じっくり長期で見据える位の覚悟と気長さが必要であろう。
それだけの気概があれば、ネットで”投資信託”、そして中国株式市場は本当に今がおいしい買い時だというのは間違いないだろう。