車社会のアメリカでは車なしでの生活は考えられない。
当然旅行者にとっても同じで自由に観光する為の移動に車は欠かせない。大都市の市内観光だけなら地下鉄やバスなど交通手段は他にもあるが、郊外の観光地や時間に左右されず自由に行動するには車は必要不可欠と言ってよい。
したがって、アメリカへ行く時は必ずレンタカーを予約していくことにしている。
一口にレンタカーといっても、ハーツやエイビスなどの大手から新興のスリフティ、そして名もない小さい会社まであって、そのサービスの中身も様々だ。
昔は業界1位・2位なら安心ということでハーツやエイビスで借りていたし、他の会社もそんなに変わらないだろうと思っていた時期もあった。
それでも日本のレンタカーより遥かに安いのでやっぱりアメリカだなーと感心していたくらいだ。
ある時スリフティという格安レンタカー会社の存在に気が付き、切り替えてみた。値段はビックリするほど安かった、大手に較べて半分から3分の1近くまで安くなったのではないだろうか?
オプションの選択や車のサイズによる違いや保険の種類によっても違うので一概に言えないが、大雑把に言ってそれだけの違いがある。
今回、調子こいてもっと安い所はないかと探してネットで見つけた中小の会社をトライしてみたが、これは大失敗であった。
値段はコンパクトサイズで税金込み、保険フルカバー、運転手1人限定、6日間で240ドルだったが、これはスリフティと大差なく、若干安かった程度だった。
しかし、サービスの中身は大違いだった。
空港に着いたら自分で到着連絡の電話をせねば迎えに来ないし、迎えに来た車がそのまま自分達の借りる車になっていた。これは中小のレンタカー会社に良くある事で不思議じゃなかったが、事務所に行ってさらにビックリ。
路上に車を止めて近くの小さい事務所へ案内されたからだ。どうやら専用の駐車場はどこか遠い所にあるらしい。
さらに迎えに来た男がそのまま事務所の鍵を開けてチェックインの業務を始めたので2度ビックリ。何だこの会社、たった一人でやりくりしてんの?と思ってしまうほどだった。
実は後で2人で切り盛りしていたらしいと分ったが、洗車や駐車場からの車の出し入れなど他にやる事が多いらしく、お客と接しているのは事実上1人だけのようだった。
そんな会社だから細かい配慮が行き届いておらず、車は細かいキズだらけだし、バンパーは外れかかっているし、ブレーキを踏むと振動が出るし、助手席のサンバイザーは外れて無くなっていたし、挙句の果てにエアコンは壊れていた。
呑気に考えれば、車がキズだらけなら、多少は擦っても大丈夫だろうということだし、エアコンはLAに限って言うと窓を開けて走っていればそんなに暑くないのでまあ我慢ができるということになる。
それより本当に心配なのは万が一の事故の時、こんな会社では頼りなくキチンとケアーしてくれるかとっても不安だった事だ。
それに、たとえ事故がなくても車が途中で故障するのでは?という不安感に常にさいなまされていた。
私は米国でのレンタカー歴がおそらく30回を超えていると思うが、事故はおろか接触自損トラブルすらない。そんな私でも事故を起こす可能性がある事を考えると、こんなちっぽけな会社で借りたのは大変危険だったと反省している。
何のトラブルもなく無事に返却できたのは本当に幸いだった。
このように、せっかく安いところで借りて節約しても、万が一の時が不安ではどうしようもない。単にケチっているだけという事になってしまう。
運転に自信がなかったり、レンタカー初体験だったりする場合は、尚更で高くても大手の方が安心できるだろう。
車を借りてアメリカを旅行すれば、全然別な楽しみ方が出来ること請け合いで、より密接に米国を感じる事が出来る。
経験ない方は是非初トライされてみては如何だろうか?