もう季節的には、終わってしまったが、さくらんぼと言えばルビーのような美しさを持つ山形の名産である佐藤錦があまりにも有名だ。
佐藤さんという人が大正時代の初めに輸入のさくらんぼから品種改良して完成させたものだ。甘いが日持ちのしない”黄玉”と日持ちはするが酸っぱい”ナポレオン”という2種類を掛け合わせて作出させたものらしい。
一方、それより大粒で色黒のさくらんぼがあり、アメリカンチェリーと呼ばれるものがある。値段的には幾分こっちの方が安く庶民的と言えるだろう。
これにはカリフォルニア産とワシントン産の2種類があり、毎年カリフォルニア産から順次輸入されてくる。その年の天候によって甘さや出荷量が大きく左右されるようだ。
ちなみに今年はあまり良くなくて市場への出回りが例年より少なかったようだ。いつもなら溢れるほどスーパーの店頭に並び佐藤錦が控えめに並ぶという構図だったが今年に限っては逆転していたようだ。
さて、実はほとんど知られていないもう一つのさくらんぼがあるのだ。今回は話のネタとしてこのブログで取り上げたい。
アメリカンチェリーである事は間違いないが、大粒で赤みを帯びた見るからに美味しそうな外見のレーニアという品種があるのだ。
6年前に初めてこの品種に出会って以来、その美味の虜になってしまい毎年4KG箱を購入して初夏の旬を楽しんでいる。
粒が大きく甘いのでとても食べ応えがあり、いくらでも食べれてしまう。彦摩呂風にいうと”フルーツの宝石や~”ということになる。
味もさることながら値段の方もかなりのもので、100g当たり450円くらいはするようだ。佐藤錦はピンからキリまであるので一概に比較はできないが、高いものは100g当たり600円もするものもある。
この品種はアメリカンチェリーと佐藤錦との掛け合わせで生まれた新しい品種で、従来のアメリカンチェリーをビング種と呼んで明確に区別している。実物を見るとまさしくビング種と佐藤錦の合いの子というのが一目で分る。
しかしながら、このさくらんぼは市中では殆ど見かける事がない。どうやら相当に品数が少ないのがその理由のようでネット販売など限られた所でしか売られていないようだ。
とにかく甘くおいしいので、チャンスがあれば話のネタに是非お試しあれ、超お奨めのフルーツである。