世間では、結構旅行への人気が高い。
グルメに観光、そして体験旅行など様々なツアーが存在し、その広告等が巷で溢れているのを見ればよーく分かる。
おばさま族が結構ハマっているようで、心や胃袋を豊かにしてくれる旅は日本人が豊かになった証拠でもあるだろう。
しかし、私が旅がいいと思うようになったのは結婚してからのことで、物欲の権化のような価値観しか持っていなかった私は旅行なんてお金と時間の浪費だと決め付けていた。
形になってしっかり残るものこそが価値があると信じ、写真や映像で見る事が出来る旅行なんて実際に行ってみる必要がないくらいに軽んじていた。
いわゆる心を豊かにするようなものを認めておらず、そういうものに金を使うのは無駄だとさえ思っていた。
それが結婚を機に変わったのは、実際旅行で感じるものが想像した物よりはるかに素晴しくお金という尺度では測れないほど価値のあるものだということだった。
まあ、月並みな表現でいうと、「百聞は一見に如かず」ということで、雑誌やTVで見ることが出来るのは所詮百聞程度にしかならないということになる。
本当に井の中の蛙状態で大海どころか隣の池すら知らない有様だった。
今や私にとって旅行はかけがえのないものになっている。仕事を忘れてゆっくり出来るリゾートも良いし、温泉も良い。それに美味しい食事とくればいうことなしだ。
基本的には観光地巡りではなく、色々アクティブな事をしたい方である。様々なスポーツに挑戦したり、興じたり常に何かしてみたいクチである。ただの観光ではつまらないとずっと思っていた。
が、観光も面白く思えてきた。
一口に観光といっても色々ある。
自然の作り出した雄大な景観、人間の叡智が生み出した文化遺産、歴史のターニングポイントになった場所や建物など多岐に渡る。
それぞれに下地となる物語がある。
自然で言うなら、例えばオーロラ。まだ見たことがないが、その発生原理や地球の仕組みまで併せ見ることが出来れば感慨もひとしおだし、更に興味がかき立てられることだろう。
文化遺産や歴史上有名な場所も同様であると思う。
歴史上の人物になったつもりでその時代の事に思いを馳せれば、色んな思いを感じとることが出来るだろう。
改めて歴史に必然を学ぶチャンスでもあり、もし○○だったらと空想を膨らますのも面白い。
何事も表面しか見なければ、その裏の面白さも見つける喜びもない。
まあ、こういう風に感じるというのは単に自分が歳をとったせいとも言えるがこの傾向は大事にしていきたいと思っている。
子供達が手が掛からなくなったら、夫婦で世界中を旅行して回りたいと切に願っている今日この頃である。