2011年の11月にひっそりととんでもないアイテムがリリースされました。
それがこれ。
日野皓正クインテットによる映画『白昼の襲撃』のサントラCDです。
映画は1970年に東宝で公開。
監督は西村潔。
キャストに、黒沢年雄、高橋紀子、緑魔子ら。
と、ここまで書きましたが、この映画未だにソフト化されない幻の映画。
実は衛星で放送されたことがあるらしいんですが、全然知りませんでした。
この映画が注目される理由はひとえに音楽を日野皓正が担当しているからでしょう。
日野皓正のこの時期と言えばレイバンのサングラスをかけ、
「ジャズ」から飛躍し時代の寵児として活躍していた時期です。
1969年には名盤「HINOLOGY」を発売しています。
1. ライク・マイルス
2. エレクトリック・ズー
3. ハイノロジー
4. デュープ
ジャケがもう悶絶ものに格好いいですが、LPだとダブルジャケットの見開き部分に掲載されている写真もものすごく格好良いです。綴じ込みのピンナップが残っているものは少ないですが、このカラーピンナップも凄く格好良い。「これは人気出るわ」と思わず納得してしまうイケメンぶり。
この頃はジャズとロックの他流試合も盛んで、4曲目の「デュープ」はあのフラワー・トラベリン・バンドとのコラボシングルのB面に収められていた「ドゥープ」の、日野皓正オリジナルバージョンを収録。
シングルのジャケ
YOUTUBE
(おそらくFTBからは石間のシタールとジョーがボーカルで参加。日野側からはドラム/ベース/管楽器が参加したものと思われます。)
このようにノリにノッている時期のものが悪いわけがなく、
この映画『白昼の襲撃』からは7inchがカットされリリースされています。
このタイトなリズムにゴキゲンなリズムが、現在DJによってプレイされ、
和モノ/JAZZ FUNKのクラシックとしてスピンされ続けていたりします。
(そして、ようやく本題ですが)
その『白昼の襲撃』のサントラがリリースされたのです!
これを事件といわずなんといいましょう!
当時はサントラのLPはリリースされておらず、
それもあってこのリリースは衝撃です。
インフォ
1970年東宝映画(監督・西村潔、出演・黒沢年男、緑魔子、岸田森、ほか。音楽・日野皓正)のオリジナル・サウンドトラック・マスターテープ(6ミリ)の初商品化(LPの発売はなし)。この映画よりは日本コロムビア(タクト原盤)より69年発売されたイメージ・シングル「スネイクヒップ」が、折からのヒノテル・ブームの中、異例の大ヒットを記録(同曲は後年レアグルーヴ・ブームで、“和製ジャズ・ファンク/ジャズ・ロックの金字塔”など再評価)。60年代乗りに乗る日野皓正クインテット(日野元彦、村岡建、日野皓正、稲葉国光、鈴木宏昌)の記録、大発見となります。まさにこの時代、この時期、皆様ご期待イメージどおりのクールなエレピとトランペット、DOPE!
監督・西村潔は「野獣死すべし」(1959)では黛敏郎、「豹は走った」(1970)で佐藤允彦、「ヘアピンサーカス」(1972)で菊地雅章を起用するなどジャズを効果的に使うことで知られている。本作は、音楽と映像が見事な結合を見せた傑作です。
メンバー
日野 皓正 (trumpet)
村岡 建 (tenor)
鈴木 宏昌 (el-piano)
稲葉 国光 (bass)
日野 元彦 (drums)
曲目
01.タイトルバック(01:52)
02.オン・ザ・コーナー(スネイク・ヒップ)(06:38)
03.スーパーマーケット(02:52)
04.海(01:27)
05.ピストル(03:13)
06.電話(01:27)
07.タクシー(01:26)
08.足音(00:35)
09.ブルース(00:39)
10.仲間(03:07)
11.桟橋のトランペット(01:48)
12.深夜の街(01:50)
13.ジョニーの船(02:01)
14.ゲッタウェイ(12:18)
※1969年9月録音
注目すべきは二曲目「オン・ザ・コーナー(スネイク・ヒップ)」。いわゆる「スネイク・ヒップ」なんですが、時間に注目してください。なんと「6分38秒」です。そうシングルカットされたものは「3分30秒」ほどでしたが、約二倍の長さになっているではないですか!聞いてみるとこれがまた驚き!全くの別テイクです!コンパクトにまとまったシングルとは若干異なり、各人のソロがたっぷりと聞くことが出来ます。優劣はつけられませんね。全盛期の日野クインテットの別演奏が聞くことが出来るというだけで、もう十分に貴重です。
三曲目の「スーパーマーケット」と題された曲も、これはシングルのB面に収録されていた「白昼の襲撃のテーマ」と同じ曲。ただこちらもなんと別テイク!こんなの残されていたんですね。ただただ驚くばかり。こちらは2分52秒で唐突に終わりを迎えてしまいます。残念。
他はサントラということもありちょっとした小曲が並びますが、5曲目の「ピストル」はずっとドラムがハイハットを刻み続けていて、そこに同じフレーズをたんたんと弾くベースが入り、エレピが暴れる、さながらヒノテル版「イン・ア・サイレント・ウェイ」。これには思わずうなりました。
6曲目はR&B風。7曲目は6曲目はよりノリのいいアップテンポなR&B風。いずれも1分半と短いのが本当に残念。もっと聞きたくなります。
そして最後14曲目「ゲッタウェイ」。12分の演奏です。最初はちょっと静かなフリーぽい感じから入り、じょじょに熱を帯びて、ながーいヒノテルのトランペットソロが!日野元彦のタイトなドラミングに、コルゲンのうねるエレピ!これは相当格好良い!この映画を観た方が書くにはこの曲はクライマックスの銃撃戦(があるらしいです)の部分で使われているらしく、それも納得の白熱の演奏。
聞き終えると、その濃密具合におもわず「ふぅ~」とため息が出てしまいますが、それ位貴重でかつ素晴らしい大発掘アルバムです。サントラファン、和ジャズファン、ジャズ・ロック・ファン、ヒノテルファン、和モノ/レア・グルーヴファン、DJ諸氏、色んな方にアピールできる/是非聞いて欲しいアルバムです!
※どうせならシングル盤の「スネイクヒップ」と「白昼の襲撃のテーマ」も収録して欲しかったですが、この二曲は上記の「HINOLOGY」の紙ジャケのボーナストラックとして収録されています。
※映画の本編には日野皓正クインテットの演奏する姿も収められています!当時の動く映像は日本のロックでもジャズでも貴重なので、本当にソフト化して欲しい一本です!私はイベントで一回だけその動く部分だけを見た事がありそのあまりの格好良さに卒倒してしまいました。
※マスタリングは、ゆらゆら帝国で有名な中村宗一郎氏が手がけているようです。
それがこれ。
日野皓正クインテットによる映画『白昼の襲撃』のサントラCDです。
映画は1970年に東宝で公開。
監督は西村潔。
キャストに、黒沢年雄、高橋紀子、緑魔子ら。
と、ここまで書きましたが、この映画未だにソフト化されない幻の映画。
実は衛星で放送されたことがあるらしいんですが、全然知りませんでした。
この映画が注目される理由はひとえに音楽を日野皓正が担当しているからでしょう。
日野皓正のこの時期と言えばレイバンのサングラスをかけ、
「ジャズ」から飛躍し時代の寵児として活躍していた時期です。
1969年には名盤「HINOLOGY」を発売しています。
1. ライク・マイルス
2. エレクトリック・ズー
3. ハイノロジー
4. デュープ
ジャケがもう悶絶ものに格好いいですが、LPだとダブルジャケットの見開き部分に掲載されている写真もものすごく格好良いです。綴じ込みのピンナップが残っているものは少ないですが、このカラーピンナップも凄く格好良い。「これは人気出るわ」と思わず納得してしまうイケメンぶり。
この頃はジャズとロックの他流試合も盛んで、4曲目の「デュープ」はあのフラワー・トラベリン・バンドとのコラボシングルのB面に収められていた「ドゥープ」の、日野皓正オリジナルバージョンを収録。
シングルのジャケ
YOUTUBE
(おそらくFTBからは石間のシタールとジョーがボーカルで参加。日野側からはドラム/ベース/管楽器が参加したものと思われます。)
このようにノリにノッている時期のものが悪いわけがなく、
この映画『白昼の襲撃』からは7inchがカットされリリースされています。
このタイトなリズムにゴキゲンなリズムが、現在DJによってプレイされ、
和モノ/JAZZ FUNKのクラシックとしてスピンされ続けていたりします。
(そして、ようやく本題ですが)
その『白昼の襲撃』のサントラがリリースされたのです!
これを事件といわずなんといいましょう!
当時はサントラのLPはリリースされておらず、
それもあってこのリリースは衝撃です。
インフォ
1970年東宝映画(監督・西村潔、出演・黒沢年男、緑魔子、岸田森、ほか。音楽・日野皓正)のオリジナル・サウンドトラック・マスターテープ(6ミリ)の初商品化(LPの発売はなし)。この映画よりは日本コロムビア(タクト原盤)より69年発売されたイメージ・シングル「スネイクヒップ」が、折からのヒノテル・ブームの中、異例の大ヒットを記録(同曲は後年レアグルーヴ・ブームで、“和製ジャズ・ファンク/ジャズ・ロックの金字塔”など再評価)。60年代乗りに乗る日野皓正クインテット(日野元彦、村岡建、日野皓正、稲葉国光、鈴木宏昌)の記録、大発見となります。まさにこの時代、この時期、皆様ご期待イメージどおりのクールなエレピとトランペット、DOPE!
監督・西村潔は「野獣死すべし」(1959)では黛敏郎、「豹は走った」(1970)で佐藤允彦、「ヘアピンサーカス」(1972)で菊地雅章を起用するなどジャズを効果的に使うことで知られている。本作は、音楽と映像が見事な結合を見せた傑作です。
メンバー
日野 皓正 (trumpet)
村岡 建 (tenor)
鈴木 宏昌 (el-piano)
稲葉 国光 (bass)
日野 元彦 (drums)
曲目
01.タイトルバック(01:52)
02.オン・ザ・コーナー(スネイク・ヒップ)(06:38)
03.スーパーマーケット(02:52)
04.海(01:27)
05.ピストル(03:13)
06.電話(01:27)
07.タクシー(01:26)
08.足音(00:35)
09.ブルース(00:39)
10.仲間(03:07)
11.桟橋のトランペット(01:48)
12.深夜の街(01:50)
13.ジョニーの船(02:01)
14.ゲッタウェイ(12:18)
※1969年9月録音
注目すべきは二曲目「オン・ザ・コーナー(スネイク・ヒップ)」。いわゆる「スネイク・ヒップ」なんですが、時間に注目してください。なんと「6分38秒」です。そうシングルカットされたものは「3分30秒」ほどでしたが、約二倍の長さになっているではないですか!聞いてみるとこれがまた驚き!全くの別テイクです!コンパクトにまとまったシングルとは若干異なり、各人のソロがたっぷりと聞くことが出来ます。優劣はつけられませんね。全盛期の日野クインテットの別演奏が聞くことが出来るというだけで、もう十分に貴重です。
三曲目の「スーパーマーケット」と題された曲も、これはシングルのB面に収録されていた「白昼の襲撃のテーマ」と同じ曲。ただこちらもなんと別テイク!こんなの残されていたんですね。ただただ驚くばかり。こちらは2分52秒で唐突に終わりを迎えてしまいます。残念。
他はサントラということもありちょっとした小曲が並びますが、5曲目の「ピストル」はずっとドラムがハイハットを刻み続けていて、そこに同じフレーズをたんたんと弾くベースが入り、エレピが暴れる、さながらヒノテル版「イン・ア・サイレント・ウェイ」。これには思わずうなりました。
6曲目はR&B風。7曲目は6曲目はよりノリのいいアップテンポなR&B風。いずれも1分半と短いのが本当に残念。もっと聞きたくなります。
そして最後14曲目「ゲッタウェイ」。12分の演奏です。最初はちょっと静かなフリーぽい感じから入り、じょじょに熱を帯びて、ながーいヒノテルのトランペットソロが!日野元彦のタイトなドラミングに、コルゲンのうねるエレピ!これは相当格好良い!この映画を観た方が書くにはこの曲はクライマックスの銃撃戦(があるらしいです)の部分で使われているらしく、それも納得の白熱の演奏。
聞き終えると、その濃密具合におもわず「ふぅ~」とため息が出てしまいますが、それ位貴重でかつ素晴らしい大発掘アルバムです。サントラファン、和ジャズファン、ジャズ・ロック・ファン、ヒノテルファン、和モノ/レア・グルーヴファン、DJ諸氏、色んな方にアピールできる/是非聞いて欲しいアルバムです!
※どうせならシングル盤の「スネイクヒップ」と「白昼の襲撃のテーマ」も収録して欲しかったですが、この二曲は上記の「HINOLOGY」の紙ジャケのボーナストラックとして収録されています。
※映画の本編には日野皓正クインテットの演奏する姿も収められています!当時の動く映像は日本のロックでもジャズでも貴重なので、本当にソフト化して欲しい一本です!私はイベントで一回だけその動く部分だけを見た事がありそのあまりの格好良さに卒倒してしまいました。
※マスタリングは、ゆらゆら帝国で有名な中村宗一郎氏が手がけているようです。