サイケデリック・ペンタトニック!?

カリメロレコード(架空)の店主の何でもござれの日々の音楽コラム

稲垣次郎とソウル・メディア / ファンキー・スタッフ

2010年02月27日 17時32分16秒 | 邦楽
前記事のSOUNDS OF LIBERATIONもファンキーでしたが、
こちらもファンキー。その名も「FUNKY STUFF」。

稲垣次郎と言えば、日本を代表するサックス奏者で、
特に1970年の「ヘッド・ロック」はジャズの粋を遙かに超えた
ジャズ・ロックの名盤として燦然と輝く評価を今は手にしている。

2009年にも1970年ごろの「ヘッド・ロック」と同傾向の
「ウッドストック・ジェネレーション」がP-VINEよりCD化されマニアの話題を誘った。

そしてこの「FUNKY STUFF」は1974年の作品で、ジャズ・ロックから
徐々にソウル・ジャズやファンクに移行していった時期の代表作。
それが2010年に日本コロムビアの「昭和アーカイブ・ジャズ・シリーズ」より
CD化された!しかも2,000円!安い!これは喜ばしい初CD化!

一曲目から再生してみると・・・
ん!ん!ん!

これは石川晶の超名盤「GET UP!」にも収録されていた曲ではないか!
その盤にも参加していたコルゲンこと鈴木宏昌が同じく
この「FUNKY STUFF」でも編曲、キーボーディストとして参加している。

石川晶の高速なタム回しとは違い、石松元(彼も同じ時期に沢山のレコーディングに参加しているスタジオ・ミュージシャン)のドラムというだけで同じ曲でも随分と印象が違う。ちょっとバタバタした感じと若干テンポが違った感じもなかなか良い。

次の「ファンキー・モーション」は、ベース・ソロの曲。
これがメチャクチャ重低音の聞いたファンキーで歌心があるソロで
最近ベースを弾く自分としても非常に魅力的。
ベースラインと似たようなスキャットもかぶさってます。

そして再び鈴木宏昌のオリジナルによる3曲目「ブリーズ」。
これはミッド・テンポのグルーヴで非常に洗練された印象。

このアルバムの良い所は、何かとカバーの多い同傾向のアルバムが多い中、
これは圧倒的にオリジナルが多くしかもレベルが高い曲ということ!

その中でもアルバム・タイトルに持ってきてもいる5曲目はクール&ザ・ギャングの曲。
この曲ですが、三保敬太郎がかかわった和モノ名曲の「ザ・ゴリラ7のテーマ」に
非常に良く似てます。というかきっとパクッたんだと思いますが。

これもベースラインぶりぶりで、歌の部分を全部ホーンで担ってます。
稲垣次郎のサックスはといえば、全編にいえますが、そこまでバリバリ吹いてません。
むしろグルーヴ優先で、「グルーヴが出るなら俺は吹かんでもいい!」といわんばかり。
でも要所要所でまとめてくる辺りはさすが。

6曲目は鈴木宏昌が稲垣次郎に捧げた「ワン・フォー・ジロー」。
ここではさっきの曲とは異なり燻し銀で歌い上げています。格好ええ!

全体的にボトム・ラインが非常に重低音でグルーヴィー!
そこに鈴木宏昌の良い感じのエレキ・ピアノが絡んできてメチャクチャ格好良いです。

こればっかり聞いていて最近どっぷりFUNKに目覚めてしまいそう。
全く今まで興味なかったFUNKとかSOULが急に面白いです。
どこでどうつながるか分かりませんが、それだからこそ音楽は飽きません!

1. ペインテッド・パラダイス
PAINTED PARADISE(H. Suzuki)
2. ファンキー・モーション
3. ブリーズ
BREEZE (H. Suzuki)
4. スクラッチ
5. ファンキー・スタッフ
FUNKY STUFF (Kool & The Gang)
6. ワン・フォー・ジロー
ONE FOR JIROH (H. Suzuki)
7. ジェントル・ウェイヴ
GENTLE WAVE (H. Suzuki)
8. フォー・アップ
FOUR UP (H. Suzuki)

演奏:稲垣次郎とソウル・メディア+鈴木宏昌(エレキピアノ)
J. INAGAKI & HIS SOUL MEDIA + H. SUZUKI(E.P.)

鈴木宏昌  Arrange & Fender Rhodes
稲垣次郎  Tenor Sax, Soprano Sax, Flute
今井 尚  Trombone
安川ひろし Guitar
岡沢 章  Bass
石松 元  Drums

録音年月日:1974年8月
スタジオ:コロムビア第2スタジオ
プロデューサー:稲垣次郎
ディレクター:佐藤方宣
ミキサー:飯田 馨
イラストレーション:久保襄介

■Kool & The GangのFUNKY STUFF



■三保敬太郎の「ザ・ゴリラ7のテーマ」


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