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サイケデリック・ペンタトニック!?

カリメロレコード(架空)の店主の何でもござれの日々の音楽コラム

ジャスティン・ヒースクリフ/喜多嶋修+吉野金次

2005年06月03日 00時53分17秒 | 邦楽
長らく探しているものが見つかった時は本当に嬉しい。
で、これである。遂に入手!1971年に発売されたジャスティン・ヒースクリフ。

喜多嶋修は、実は極めて音楽性の高かったGS「ランチャーズ」出身。
一方の吉野金次は、スタジオエンジニアでビートルズ好きが高じて
なんとイギリスまでいってビートルズが使ってたスタジオにもぐりこみ、
この様子をつぶさに記憶し日本に帰ってきたという強者である。
このふたりの共通点はなんといってもビートルズ。
そのビートルズ好きな二人のコラボで生まれたのが、
この知る人ぞ知るアルバム「ジャスティン・ヒースクリフ」である。

吉野の持ち帰った知識を日本のスタジオで実践するために、
深夜の使われていないスタジオで試行錯誤を繰り返し完成したこのアルバム。
なのでこの時代にしては本当に思いっきり音が良いです。
志向として中期~後期のビートルズのサウンドがあったと思われるが、
曲も非常にビートルズっぽい!あぁこれ○○っぽいなぁと分かってしまいますが、
単なる模倣に終わっていないことが評価に値する。
当時よりも今聞いた方が良いと思われるアルバムである。

後日談としてこのアルバムを聞いた細野晴臣が痛く気に入り、
はっぴいえんどの2ndアルバム「風街ろまん」のエンジニアに抜擢。
あの名盤誕生の裏にこのアルバムが絡んでいるのである。

ちなみに喜多嶋修は、あの美人女優喜多嶋舞の父である。母は内藤洋子さん。

しかし吉野氏のビートルズのスタジオに潜り込むというのにひどく時代を感じる。
たかが一東洋人が世界のビートルズのスタジオに忍び込むって!?
ありえないですよ!?「Get Back」セッションの音源が海賊盤で山ほどリリース
されるのも妙に納得してしまう。

世界の音楽に影響を与え続けているビートルズだが、録音面であれ、
間接的にであれ、非常に近いところから日本のロック/ポピュラー史に
影響を与えていたわけである。これってよ~く考えるとすごい。
あなどりがたし、日本のロック!

吉野金次氏ばっかり褒めてしまったみたいだが、喜多嶋氏も凄いお人である。
このジャスティン・ヒースクリフでも一人で多重録音をこなし、
曲も全曲英語詞で通している。このアルバム発表後、渡英。
そこで日本人としてのアイデンティティを強烈に感じて、「日本人」の音楽を追求。
1974年に「弁財天」で世界デビューを果たすのである。

そんな二人が作り出した魔法のアルバム「ジャスティン・ヒースクリフ」。
皆さんも機会があれば聞いてみて下さい。

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1 コメント

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すみません (富塚昭宏)
2013-08-22 09:30:43
たまたま見つけましたが。

スタジオに忍び込んだのは、喜多嶋修さんの方です!! ノート一冊分色々 メモしてきたそうです!!

失礼しました。
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