月のひびき (徳正寺だより)

“いま”出遇えた一瞬をパチリ
それは仏さまとの日暮らし…

雀の子のはなし

2010年05月24日 23時28分22秒 | ふうわりふわり(坊守日記)
鐘楼堂の鬼瓦をお宿にしている雀の親子。
時折、雀の子が鬼の鼻先に出てきています。
たぶん、母さん雀を呼んでいるのでしょうが、鳴き方がまだうまくありません。・・・
それでも一生懸命に母さんを呼びます。
母さん雀はごちそうを持って帰るかなあ。

あ、母さんが帰って来ました。
いそいそと鬼の口の中にもぐりこみます。
雀にとっても親子でいる時間はかけがえのないものなのでしょうね。

雀の子は上手に飛べるようになったら、上手に鳴けるようになったら一人前。
鬼瓦のお宿を巣立つ時はいつでしょう。

風樹之嘆

2010年05月24日 21時50分20秒 | 仏々相念(住職日記)
思い通りにいかない・・・

母親の遺影を眺めながら何を思われるのだろうか?
喪主として式に向け万全を期す為に思いに浸る間もないのかもしれません。
バタバタすることでその悲しみを越えようとするということも・・・
とにかく、辛いものなのでしょう・・・

「親孝行 したくもないのに 親がいる」
っていうブラック・ジョークでもなく現代的な世相というところかもしれません。
縁あって、親の名のりを受け、親と呼び時を刻みながらも心の通じない冷めた環境、
そんなのってあまりにも寂しい・・・

人と触れ合うなかには、仏さまのように優しい方に出会います。
穏やかで、優しくて、涙してくれて・・・
そんな日常の中には、いろんなものを呑み込んでこられたかも・・・
人に微笑みを施すことができるのは沢山泣いてきたからかもしれません・・・

仏さまに向かいながら・・・

先日、あるニュース番組で川崎市のプラネタリウムの建て替え閉館の特集をしていました。
79歳の男性が40年大切に守って来ました。
自分が操作し、自分が解説をする。
その日の開設をテープに録音し、家に帰り聞きながら反省する。
脱帽です・・・「すごいな~」って・・・
そのおじちゃんの穏やかなこと!
あまりの優しそうなお顔に見入ってしまいました。
「こんな顔になれるのだな~!」

この人もいろいろあったのだと思います、多分・・・
涙しながら夜空見上げてこられたのでしょうね!
月や星に包まれながら明日に向かわれたのではないでしょうか・・・

閉館の日、超満員!

なくしてみて本当の姿に出会う時、
「間に合わなかった・・・」って後悔するのでしょうか・・・?      

温厚篤実

2010年05月23日 19時54分37秒 | 仏々相念(住職日記)
「デートしたかったのよ!」「ヒエ~」・・・

今日は、徳正寺仏婦会長宅でのご縁をいただきました。
何の心配もなく、肩の力も入れる必要もなく
穏やかで優しい空気が流れます。
あるがままに過ごさせていただけるお宅なのです。

会長さんのお母さんの空気そのまんまが家の空気になっています。
楽しそうに、嬉しそうに笑うその姿、
しんどさ、辛さ、痛さ・・・重ねて生きてこられた、
「ワッハッハ・・・」って越えてこられたのでしょうか・・・
その母を支え、あねさん会長・J兄さん、
バリバリ勝ち気の性格、でももの凄く篤く優しい・・・
時の経つのも忘れて大笑いさせていただいたことです。

お母さんの姉妹もお揃いでした。
皆で御三部経のお勤めも大きな声でお勤めなされ賑やかなご縁でした。
上手にお勤めなされます。
ご縁いただいて三部経をお開けになります。
この今によくよくのお育てを慶ばせていただいたことです。

今日は一日大雨でした、
「それじゃ、失礼しま~す。」
「言っていますから・・・!」とお母さん。
「エッ!?」玄関に行きますとそこにあねさんが・・・
「送って行きますから!」にっこり微笑まれます。
「すぐそこだから大丈夫で~す」
「デートしたかったのに!」・・・「ヒエ~」・・・

優しいひと時をありがとうございました!               

空席のはなし

2010年05月23日 00時03分43秒 | ふうわりふわり(坊守日記)
ご門徒のKさんはとてもやさしい笑顔をされる方でした。
お聴聞をされる時も、いつもいい表情で、うん、うんと頷かれながらおみのりを聞いてくださっていました。
時には涙ぐまれながら、時には微笑みながら仏法に身を浸されては悦ばれておられました。

昨年の12月、報恩講のおさがりさんをお届けにおうちに行くと、お具合が悪いのに身体を起こして喜んでくださり、そして、報恩講にお参りができずに残念だともおっしゃいました。

またひとつ、お聴聞の特等席が空いてしまいました。
寂しくなります。
もうこの本堂にKさんのお参りの姿を見ることはできませんが、たしかにここに座られて、その御手を合わせ申されたお念仏の声は響いています。
わたしたちがお称えさせていただくお念仏の中に・・・。

いつものKさんの席に、いつかまたご縁を結ばれた方が座ってくださるでしょう。

今はお浄土の蓮の花の特等席で阿弥陀さまのご説法を心ゆくまでお聴聞されていらっしゃるKさんが、仏さまとなられてわたしたちをご教化してくださるのですから・・・。



二人三脚

2010年05月22日 20時52分45秒 | 仏々相念(住職日記)
あぁ~、いいもんだな~・・・

お歳を召された兄。
奥様を亡くされ案じた弟さんが東京から帰って来ておられる。
弟さんも奥様を亡くされておられます。
兄弟水入らずで楽しく過ごされておられるとのこと・・・

兄は弟を、弟は兄を・・・労わりあい、助け合い。
お二人が話しておられること、お顔、態度・・・
その場にいて本当に気持ちのいい雰囲気でした。
いいもんだな~って、ひと時肩の力を抜きリラックスさせていただいたことでした。

お二人ともご苦労されたのでしょうね・・・
生きることのしんどさを知って知って知り抜かれておられるからこそ、
あの空気のなるのでしょうね・・・

弱輩者の私が、そのような先輩方にお話するようなこともないのですが、
横綱に胸を借りる若手力士の如くにぺーぺーの人生引っ提げて法話させていただくと、
優しく頷いてくれお育て下さったことです。
「がんばって生きるんだぞ」って・・・