月のひびき (徳正寺だより)

“いま”出遇えた一瞬をパチリ
それは仏さまとの日暮らし…

涙涙又涙

2010年05月28日 21時57分33秒 | 仏々相念(住職日記)
海を渡って遥々・・・

遠方よりお参りしてくださった。
今までお会いしたこともない離郷門徒でしたがどこか懐かしく・・・

私の祖父は布教していろんな所でご縁をいただいていました。
良くお参りしていた市でこの方も祖父の法話を聞いていて下さっていたとか。
「お爺さんに良く似ておいでになられますね」
いろんな思い出話に私も祖父を偲ばせていただきました。

不安を抱えてのお参りでした。
最後の最後まで裏切られてきました。
長年勤めあげた職場、真面目に真面目に・・・
その時の友は今も大切な友、折に触れて案じて下さるとか・・・
「しかし、身内に・・・」
辛いご縁にあわれました。
余程辛かったのでしょう、涙が止まりません。

県外ですがこれからご縁を結ばせていただくことになりました。
「これからよろしくお願いします」何度も何度もこんな私に頭を下げて下さる。
「こんな私にできることがありましたら言って下さい、どこでもお参りさせていただきますから!」

お勤めも終わり帰る頃には微笑みが戻っておられました。
どこまでも怒りの気持ちは消えません、
でも寄り添って下さるおはたらきにホッとなされたのでしょうか・・・?

「30日の永代経法要にもお参りさせていただいて帰ります」
一緒にご縁を慶ばせていただきましょうね。

逆縁に出会い気づかせていただいたおはたらき・・・
慶ぶというには辛いご縁でしたが、お陰です。お陰さまでした。      



指先のはなし

2010年05月27日 23時16分12秒 | ふうわりふわり(坊守日記)
苔の中の細い草を上手に引き抜くこの指先。
苔を傷めないように、絡んだ草の根をそっと外すこの指先。
絶妙な力加減。
えらいもんだなあ、この指先。
とてもロボットには真似できやしないだろうと手を休めて指先を見る。

手のひらも小さいし、指も短い・・・
爪を噛む癖があったので、今でも爪の形は不格好・・・
昔からコンプレックスのかたまりだったこの手の指先が器用にはたらく。
ありがたいものだなあ。

いつか年を重ねるうちに、この指先も思うように動かなくなるでしょう。
もどかしくて苛立つかもしれない。
けれど、その時はその時・・・
合わさりにくい指先を合わせる合掌の心こそ大事にしたいなあ。

法友最高

2010年05月27日 22時08分36秒 | 仏々相念(住職日記)
ピー、ピー・・・

何事も仲が良いというのはいいものですね。
夫婦・家族・友達・職場・・・
どうせ同じ時間を過ごさなければならないのなら、良い方がいいですよね!

分かっちゃいるけど・・・

なぜ争うのでしょうか・・・?

自分が可愛くてしょうがないのですね!
だから邪魔されると傷付けてしまうのでしょうか・・・

午前中のご縁を終え、泥んこになっている車を洗車!
前日の土砂降りの中懸命に走ってくれた相棒・・・「洗ってやらねば!」
ルンルンで洗車していると後ろからクラクションが鳴ります。

おぉ~、あねさんでした!

「先日は有難うございました」優しく満面の笑み。
「おねえさん、すいません。松山行けなくて・・・大丈夫でしたか?」

25日、中四国ブロックの仏婦大会が松山で開かれた。
坊守もお参りさせていただくようにしていましたが、急なご縁で行くことができなくなりました。
あねさんは、沙羅の会で親しくなった同年代の法友と2人旅・・・
あねさんの運転でお参りしてくださった。

あねさんを信用してない訳ではないのですが・・・案じていました・・・
「何とか無事行って帰りました。楽しかったよ!有難うございました!」

洗車中の私に話しかけるくらいなので、本当に楽しんで来てくださったのでしょう。
こうやってあねさん世代の方がお寺で知り合い、親しくなり共にご縁に会って下さる、
何よりもそのことが嬉しくて・・・
仏法で結ばれた友だち「法友」、これが良いんですよね・・・

あぁ~、私も法友に会いたくなりました!
それぞれにしんどさ抱えながら会う法友・・・
一緒に飲むと美味しいんですよね、これが・・・
分かりあえるという安心感からなのでしょうか・・・ベロベロになってしまう私なのです。

2時間程の道中、何を話されながらドライブされたのでしょうか?
あねさん、ご苦労様でした! お参りしてくださって有難うございました。

29、30日は徳正寺永代経法要です。
みんな、仏さまの子。 みんな、友達。 仲良くお聴聞させていただきましょう!
                                    

赤ちゃんのはなし

2010年05月26日 15時21分44秒 | ふうわりふわり(坊守日記)
生後5日目の赤ちゃんに会いました。
透明のベビーベットの中ですやすや眠っていました。
でも、時折ぐぅーんと手を伸ばして伸びをしてみたり、口元をほにゃぁんとゆるめてみたり、んんーんと力んでみたり・・・

何か夢でもみてるのかなぁ。
ちいちゃい、ちいちゃいその手の中に、何を握ってるのかなぁ。

忘れちゃったけど、みんなこんな時があったんだよね。
大きな手に抱かれて、安心しきって眠ってたんだね。

ちいちゃい、ちいちゃい赤ちゃん。
大きな、大きな願いの中で、ぐぅーんと大きくなってね。

きれいな涙のはなし

2010年05月25日 21時55分24秒 | ふうわりふわり(坊守日記)
おばあちゃんのことが大好きだったのでしょうね。
小学三年生のお孫ちゃんは、ひいおばあちゃんのご出棺の間中、しゃくりあげながら泣いていました。
いつもみたいにお話できない。
いつもみたいにぼくのこと撫でてくれない。
いつもみたいに笑ってくれない。
静かに目をつむられて横になられたままのおばあちゃんのお姿に、9才の心は何を感じていたのでしょう。

いっぱい泣いたね。
いっぱい涙が出たね。
悲しくて、さみしくてしかたなかったね。

いつか、そのきれいな涙の中に、仏さまとなってくださったおばあちゃんのやさしさを感じる時があるでしょう。
ひとりじゃないよって、いつも呼びかけてくださるおばあちゃんの声を聞くことができるでしょう。
おばあちゃん、ちゃんと知ってるよ。
ぼくのそのきれいな涙を。
いっぱい泣いてくれたことを。
ありがとうの涙だってことも。