月のひびき (徳正寺だより)

“いま”出遇えた一瞬をパチリ
それは仏さまとの日暮らし…

倶会一処

2011年03月31日 23時20分37秒 | 仏々相念(住職日記)

13才です・・・

 

「姉ちゃんには会おうと思えば会えるけど、死ぬということはそれもできんようになるんだね・・・13才・・・早いよね」

娘と別れ高松の葬儀会場に向かいます。

部活の都合で私と一緒に帰ることになった息子が助手席に座ってくれています。

切ない別れの後でしたので息子もいろいろ思ったのでしょうね・・・

 

それとも寂しそうにしている私を何とか元気にしてやろうとおもったのでしょうか?

確かにそうですよね、死別の苦しみとはあなたの頬を擦れなくなることです。

それに比べあなたはまだ会うことができるじゃないか・・・

 

でも、「また」っていうことは無いよね・・・

 

還骨・17日法要のご縁で、YUIの「Please stay with me」のお話をしました。

「・・・会いたいとただ願うだけでこんなにも涙溢れるから・・・」

話ながら泣いていました・・・

会いたいんです・・・ただそれだけなのに、当然のように会っていたのに・・・

儘ならない現実。

 

だからこそ、だからこそ阿弥陀となりて包んで下さるのですね。

 

また会える、必ず会える・・・

 

 


歌之数々

2011年03月31日 22時31分52秒 | 仏々相念(住職日記)

止めどなく・・・

 

とうとう娘が行ってしまいました。

家のどこを探しても呼んでもいません。

ひょっとしたら部屋に・・・娘を呼びながらドアを開けます。

愛しい娘の香りが私を包み込んでくれます。

その場に崩れそうになりました。

 

2日前に引っ越し、バタバタしているところに電話が・・・

高松のご門徒さんが・・・

次の日通夜、今日の葬儀となりました。

昼過ぎに娘のマンションを出て高松に向かいます。

中国道から山陽道・明石大橋を渡り淡路島・・・

この辺りになると車が激減します。

私一人では聞くことのない娘が大好きな曲がカーオーディオのハードディスクに入っています。

何気にそのアーティストのボタンを押すと聞き慣れた曲が次々と流れます。

 

あっ、この曲・・・嬉しそうに聞きながら話していたよな~

あっ、この曲・・・辛いことがあって歯を食いしばりながら聞いていたよな~

あっ、この曲・・・悲しそうに・・・

 

・・・

 

どの曲もどの曲も娘が横に座って聞いていた曲ばかりです。

もうあんな風に平生にこの車の横に座りベラベラ話してもらうことも無くなるのか・・・

そう思うと涙が止まりません。

車をクルーズコントロールにしてワンワン泣きました。

いつもは長く感じて好きではない淡路島の高速もこの日ばかりは安心して大泣きできる最高の道でした。

 

この曲を聞きながら何を思っていたのですか・・・

この曲を聞きながら何を感じていたのですか・・・

 

高松でのご縁をいただき、直ぐにまた娘のマンションへ・・・

飛ばしました・・・

娘に会える・・・

 

顔を見ると涙が出るのでしっかり見ることができません。

でもほんの数時間でも一緒にいれることの嬉しさ・・・

こんなにも時間が止まってほしいって思ったことがありません。

 

これからもこれらの曲を聞きながら新たな人生を歩むのですね・・・

 

フレフレ、君に僕から フレフレ送りたいんだ

ガンバる君に 君に幸あれ~


この町で…のはなし

2011年03月30日 23時42分30秒 | ふうわりふわり(坊守日記)
これからしばらく娘が暮らす町で、朝のお散歩に出掛けてみました。
あちらこちらに公園があり、早朝にも関わらすお掃除をしてくださるご老人もいらっしゃいました。
気持ちのよい朝でした。

公園の桜はまだ蕾でしたが、この町での一人暮らしに、淋しいながらも「やっていかなきゃ!」って歩き始めるころに、満開に咲いて娘を応援してくれるでしょう。

さあ、お日さまも手を伸ばすように、背伸びをするように、昇っていきます。

私たちも、願生(がんば)って歩みを進めましょう!

真っ赤な朝日のはなし

2011年03月29日 22時50分58秒 | ふうわりふわり(坊守日記)

深夜2時…出発しました。

東の空に大きな下弦の月が昇り、一晩中ずーっと私たちの様子を心配そうにみてくれていました。

おしゃべりして大笑いしながら…でも、夜道はなんだか寂しくて…
かはたれ時からだんだん東の空が明るくなって…

ついに真っ赤な朝日が昇りはじめました。

東へ向かうわたしたちを…
独り立ちする娘を…
いろんなことにがんばっている息子を…

励ますように、押し上げるように…

あの真っ赤な朝日は昇っていきました。