負けない MCTDとの気ままな日々

MCTD、シェーグレン症候群である大学生の気ままな毎日をリポートします。

手術ができない患者、困る患者

2024-07-16 09:44:00 | CEな日々
そろそろ夏の手術シーズンがやってきますね。この時期は若い方が多いので助かります。

この助かる、とはズバリどう言うことなのでしょうか。まぁ要は安心して手術できるってことだよな。うん。

残念ながら医療現場には、年齢的に、性格的に、感染症があって、全身状態が悪くて、と安心できない条件で手術をする患者さんも多いからですね。むしろ医療従事者としてはこっちの方が多い。

というわけで臨床現場の懐かしく香ばしい思い出たちを、守秘義務に触れるとマズいので若干フィクションしながら進めていきます。

・極度の肥満
ここで言う肥満は「アラ私ぽっちゃりしてんのぉ」みたいなヌルい肥満ではなくて、マジもんのことです。それこそBMI35とかの。もう彼らは面構えが違う。我々もまず搬送がヒヤヒヤしますね。だって、ベッドがギイギイ言うんですから。手術台への負荷も気になるところ。たまに壊れます。なんとか(6人くらいで)手術台に載せてからも困ります。血管は見えなくて点滴が刺さらない、全身麻酔で呼吸を補助するために喉に入れる管が入らないといった出来事が起こるからです。ちなみにマジもんのみなさんは起きた状態で気管に管を差し込む場合もあります。いきなり息が止まるよりはマシ、ということで。どうです、嫌でしょう。
手術中も困ります。脂肪でなかなか臓器に到達できないためです。そのため傷も大きくなります。術後は傷がつきにくいです。さぁ、これを読んだいい子のみんなはBMI30を超えることのないようにしような!

・超ヘビースモーカー
これも術中困ります。痰が多いし、肺があんまり調子良くないので。汚い色の痰がたくさん出てきますので、痰で喉がつまらないようにしなければなりません。正直、キツいです。術後に肺に一部機能しないところができる無気肺というものになることもあります。そして、血管を収縮させるせいで傷の治りも悪くなります。最悪です。いいことないですね。なぜか知らないけど術後翌日、入院中に我慢できずタバコを吸った患者もいたぞー。結構傷口は痛かったはず。車椅子も使わずに点滴だけ押して、ナースコールも押さなかったようなのでそこだけは大したもんでした。一体タバコの何がそんなに駆り立てるのか。そんなことも昔はアリだったけど、今は医療機関も強気だから外出してきてタバコの臭いがぷんぷんするだけで強制退院になる場合もありまっせ。この患者も御多分に洩れず。気をつけなはれや。

・絶飲食や禁煙の約束が守れない
実はこれが1番しんどい。ルールには理由があるんですよね。例えば手術前の飲食禁止ルールは手術中に万が一嘔吐した時に吐いたものが喉につまらないようにするためだし、禁煙ルールは先に言ったように痰で溺れないためです。これって守らないと自分が困るじゃないですか。でもね、中には守れない人もいるんですよ。特に食がらみ。
ある患者さんは腸がつまりかけていたので通常は半日くらいのところ3日ほどと少し絶飲食の指示が長く取られていました。しかし、この方は食欲だけはあったんですよね、なぜか。結果、前日まで自分で購入したゼリーなどをお召し上がりでした。前日に看護師さんが見つけて発覚。もちろん手術は延期です。
ある患者さんはご飯を食べないでください、という指示に反応して汁物ならいいと思ったんでしょうね。インスタントのスープをお召し上がりになったあと、「朝ごはんでも汁物くらい出してくれればいいのに!おかげで自分でスープを用意しなきゃならなかった!」とぷんぷん怒りながら手術室に現れました。当然手術台を目の前にして手術は延期。正直に言ってくれてありがとう、でした。

ほんっとうにまぁ、一年しか臨床にはいなかったのにどっぷりといろんなエピソードがありますので、病院ってのは楽しいところではあります。ちなみに聞いた話では腸を切って絶食指示だったのにもかかわらず翌日からいきなり幕内を食べていた人もいたとか。しかも自分で座って!痛みなどなかったのでしょうか……。人体というのは不思議なものです。

ただ、病棟の看護師さんとかはもうめちゃくちゃ大変だと思います。モンスタークレーマーはオペ室だとクレーム言う前に寝てもらうので対応が少ないですが、病棟だとそういう対応もありますしね……。セクハラとか。医療従事者を困らせるのだけはやめましょうねー!
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする