負けない MCTDとの気ままな日々

MCTD、シェーグレン症候群である大学生の気ままな毎日をリポートします。

ラボ内のトラブルの伝令

2023-11-07 07:12:00 | 研究室ぐらし(博士のタマゴ)
後輩指導を長くしていると、いつかはやってくる「その日」の話です。

そう、端的に言えば告げ口です。大体この気の重い仕事は、後輩からの(あるいは自分が見ていての)「これはダメだ」の感覚や言葉から始まります。

この話は非常に重い話で、教授や助教も特に卒研生だと「くさいものに蓋をしてでも、後何ヶ月だから」と指折り数えて時が過ぎるのを待ちます。実際私も「きっとこのラボを出た方が彼(彼女)のためになるのでは」と思った経験が、さして長くない研究キャリアのうち数度かはあります。

これらの話はできれば出てきて欲しくない話です。まして、大学院生になるとラボ運営にもがっちり関わるようになるので、こんなことが起きるたびに心理的な負担が半端ないです。解析制御系の時など「どうして、おとなしく机に座って解析していれば良いものを、そうできないのか……?」と思いました。トラブルなんて、実験系じゃあるまいし、起きやしないと舐めていたんです。

まず、こういう事態は、院生では解決できません。先生方もそこは、ご理解いただきたいです。ゆえ、大学院生がまずすべきは「いかにして困っているか」を、先生たちになるべく愚痴っぽくなく、論理的に伝えることです。あくまでも、個人的な恨みではなく、研究室単位でまずいんだと言うふうにです。例えば、「B4の〇〇くんは、人のパソコンを勝手にのぞく癖があって、個人的に何度も注意し、B4生全体にも注意喚起したのですが、なかなかなおりません。このままでは、研究情報がラボ内で漏洩し、外部への漏えいに対する意識の低下も心配なんですが、先生の方でも注意してみてやってくださると助かります」などです。

あくまでもここでは、先生との意識の確認(考え方が違うこともあるから)とこちらの認識の共有です。まあ先生は「わかった」といって何かしてはくれるでしょう。この段階では何もしないかもしれません。それはそれで良いです。

で数週間様子を見ます。

改善されなければ、その旨をまた先生に伝えます。次は少し強めに。「やはり相変わらずの様子なんですが、どうしたら良いでしょうか」なんて聞き方では、くさいものに蓋をしたい欲求を打ち負かすことはできません。「やはり変わらないので、マニュアルを作成したり掲示したりとしました。本人の目にも入っていないはずがないんです。ラボの学生たちも最近はデータの保管が心配で、実験への集中力が以前よりないんです。私としては〇〇くん自身も心配ですが、ラボのみんなも心配です。先生、一緒に改善策を考えてくださいませんか」など、こちらがしたことや周りの変化もしっかり伝え、「ラボ内の士気が下がっている」ことを伝えます。大抵どんな先生も、研究成果は大事なはず。士気が下がっているとなれば、それなりの対応になります。ここで何もしない先生なら、研究に対しての気力を失ってしまったかもしれないので、先生を心配しなければなりません。

ちなみに実験系はバイオ、工学問わず、「片付けない」「共通物品が持ち出された」「ゴミが分別されない」etcトラブルの枚挙にいとまがありませんので、この告げ口機会を減らすために詳細なマニュアル及びわかりやすい掲示物の作成を徹底することをお勧めいたします。安全管理に関わる重要な問題もあったりしますので、もし自身のラボにないようでしたら作成をしっかり検討してください。(ちなみに私は自分が200Vで感電した折に実験室の高圧電源使用のマニュアルを作成したという情けない経験があります)これでしっかり苦労しておくことで後の苦労が激減です。

ラボで一番嫌なのが人間関係のトラブルです。それが少々分厚いマニュアルで回避できるので、作成をお勧めします。
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