https://news.yahoo.co.jp/byline/dragoner/20200504-00176920/
平田オリザ氏の発言が炎上しているらしい。舞台関係者がこの状況で大変であるという議論までは良かったのだが、製造業を引き合いに出したところで批判が出た。
本意が伝わってないとか、焦ったんじゃないとか、そもそも寛容に欠けるとかいろいろと議論されているようだ。
リンク先にあるように彼は鳩山内閣時代に参与であり、施政方針演説に関与したのは有名な話で、本人がアピールしていたと記憶している。
演劇1,2という彼の劇団を追ったドキュメンタリー映画があり、政治との関りがかなり出てくる。
通常公演よりも、自治体とタイアップで、全国に食い込んでいくのがスタイルである。
そして、リンク先にあるような文化政策で、アートカウンシルなるものを文化庁と別に作り、文化関係の補助金分配権をそこに握らせ、そのトップになろうとしていたことも、関係者では有名な話である。
政商的な「文化人」なのだろう。海外公演も熱心で、その評価で箔をつけるという戦略も、よく練られている。権力に魅力を感じているのかもしれない。
かつて、三島由紀夫の新年会に呼ばれるとその年の文学賞を取れたとか、三島没後は井上ひさしが賞を牛耳っていたとかいろいろと言われる。井上ひさしのことは平田氏の著書でもべた褒めで、劇作家としてなのか、別の意味でもあるのかは不明である。
先日亡くなった志賀廣太郎や古館寛治のように青年団と関わりのある役者も活躍しているが、映画「演劇」を観ると、息継ぎまで全て演出家が指示をだし、役者は駒でしかなく、アンドロイドでも良いと演出家が語る。そうした思考からは、製造業は文化のために稼げばいいとの選民的思想が根本にあるのかもしれない。
演劇は再演されて価値が確認されるのではないか。シェークスピア、歌舞伎は400年。演劇人としての評価は後世が下すのであろう。
政商的手腕、今回は議論が起きて成功なのか、炎上して失敗なのか、もう少し推移をみる必要があろう。