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Pretenderの備忘録

三月大歌舞伎 昼の部

2006-03-12 23:18:55 | 歌舞伎
1階4列17番

吉例寿曽我
曽我物は正月ということで、これもいかにも正月らしい曽我物。第一場と第二場の話の脈絡がほとんどないの。第一場で、進之介が近江、愛之助が八幡でした。愛之助が、りりしく若き孝夫さんを思わせます。ただ、これ両者を入れ替えても観てみたいですね。がんどう返しは凄いです。これだけでも見る価値があるかもしれません。
第二場、一同が揃ってせり上がる、いかにも正月です、笑。存在感に欠ける五郎、十郎でした。我當さんのおおらかな芸風が出てました。

吉野山
義経千本桜で、吉野山に限らず、随分色々な人の忠信を観てきましたが(染五郎を含め)、これほど愛嬌のない狐は初めてです。狐は西洋ではむしろ狡猾というイメージに使われるから、これでよいのかもしれないなどと皮肉りたくなります。福助の静は安心して観ていられました。来月は万野、五月は白拍子花子です。

道明寺
先代の仁左衛門さんと孝夫さんが編集者や文人が良く来る、縁あって私が学生時代から遊びに行っていたレストランにいらしていました。今考えると、目が悪いことが漏れないところというのを選んでいらしたのでしょうね。そこに、当時私も20になるかくらいのガキでしたが、独特のやわらかい気品みたいなものを感じてました。舞台も何度か拝見してますが、すでに目が見えなくなってからのものでした。気品に、存在感、緊張感が加わったものを感じておりました。
今日の15代目さんは、存在感で勝負できてました。まあ60は過ぎたわけですが、立派な役者になられたなあと感心しておりました。来月の貢、違った顔を見せてくれるわけで、楽しみです。

コメント
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