Cosmos Factory

伊那谷の境界域から見えること、思ったことを遺します

草取りにみる性格

2007-05-15 08:16:16 | ひとから学ぶ
 週末といえば、妻の実家の農作業か、わが家の草取りである。先日は、妻も一緒にわが家の草取りをしたのだが、今まではお互い担当の場所があって、お互いが接近して草を取るということはあまりなかった。同じような場所をするにしても、時期が異なるから、あまり妻が作業したすぐあとに、わたしがその隣接地を取るということがなかった。ということで、いつになく妻がわたしの領分の草を取っていたので、妻が取り残した周辺の草取りをすることになった。

 「おや、これ草取り済んでるの…」と思いながら隣接地の草を取る。虫食いのように草が取られていて、いつもの取り方と違う。どうも中途半端なのだ。ぶつぶつ言いながら新たな場所や取り残した場所を処理していく。しばらくしているうちに、妻がどういう視点で草を取っていたかが解ってきた。ようは、妻が自分で植えた草花がある場所を中心に、「まーるく」草取りをしたのだ。だからその外周はそれほどまじめに処理されていないのだ。

 草取りひとつの作業でも、人によって性格というか、違いが現れる。おもしろいものだ。子どものころに好き好んで草取りの手伝いなんかしなかった。長い時間しゃがんでいるから、膝などあちこち痛くなる。できれば早く終わらせたいから、その日のノルマを確認しておいて、そのノルマを早く達成しようと、いい加減にむしり取っていると、「根までしっかり取らないと、またすぐ伸びてしまう」と母に叱られたものである。その根を取る際も、できるだけ土を乱さないように取れと言われたものだ。乱してしまうと、土の表面がほぐれてしまい、草が出やすいという。だからなるべく草かきを使わずに、指先でつまんでしっかりと引っこ抜くのだ。そんな草取りの注意を聞いていたから、今でもその取り方は身についている。ところが、そのあたりが妻とは違うのだ。妻は「なるべく取ったのが解るように目立つところを取って欲しい」と言うが、わたしは片端からきちっと取って行くタイプだ。だから、庭中が一通り終わる前に、また最初に取ったところの草が伸びてしまう。するとまたそれが気になって戻ってしまう。なかなか家中の草が取り終わる、というところまでいかないのだ。それほど母親の言葉を覚えていないのだが、草取りのやりかたは常に草を取りながら頭に浮かぶ。
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