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2011.6.1~。大津波、宮古市、鍬ヶ崎復興計画。陸中宮古への硬派のオマージュ。
 藤田幸右 管理人

台風19号被災から(岩手山田町)

2020年08月09日 | 山田町

「津波」「台風」の二面防災

(岩手県山田町の台風19号被災)

 

岩手日報より

 

先の東日本大震災津波で住宅は高台に移転、「防潮堤」「高台堤防」「防災緑地公園」で田の浜地区の住宅地は守られるはずであったが、台風による山地からの出水、土砂崩れにより堤防の排水が間に合わずに「ダム化」、住宅地に被害が出た。

 

 

山田町が復興計画(町広報誌より)

2019年10月の台風19号で、東日本大震災後に整備した堤防と山の間にある住宅が浸水した山田町「田の浜地区」の復旧計画がまとまった。津波防災と台風洪水の両面防災計画は注目されている。

 


町は被災後直ちに検証委員会を立ち上げ、住民説明会を行い、復旧方針、整備計画を策定した。

 


1.排水機能の強化 2.土石流対策の強化 3.津波へ
の備えの強化、を図った。

 


異常出水に備え防災緑地公園の土手部(堤防)中央に津波避難路兼用の
開口部(幅6.0m程度)を設けた。この陸閘は閉鎖することで最大クラス
津波からの浸水を防ぐ。

 


津波襲撃の時は、車・人は既存道路を利用して山側に逃げる。
陸閘(ゲート)閉鎖時は両脇の階段を伝って逃げる。

 

 

<ブログ管理人私見>

津波対策

図面見て思ったことは、山田湾は9.7mだったが、田の浜沿岸など船越湾の新しい防潮堤の高さは12.8mだった。田の浜地区の今度の図面では内側の堤防(土手)の高さは海抜16mとなっている。さいきん政府が発表した将来の日本海溝最大クラス津波では山田町(山田湾?)は20mを超える津波と言われている。このデータで船越湾のデータはないが大槌町で見ると14.8mだ。 ※ 数字の確認は山田町にしっかり確かめる必要がある。
 
12.8mの防潮堤、海抜16mの堤防、その間に樹木の生い茂る広い緑地公園があって、津波の勢いはかなり減衰、弱まるように思った。もともと集落は高台に移転しているから、これで、田の浜地区の津波対策は山に向かって避難すれば何ら心配することはないのではないか?と思った。もちろん他の土地ではこんなに広く、こんなに贅沢に対策できないから、他の土地では参考にならないかもしれない。しかし、将来の災害が津波、洪水両面で逼迫している地区はたくさんある。特に土砂崩れや崖崩れ、現地を見て参考になることは多いと思う。行政の対応など
 
洪水対策
 
他方、山からの出水、洪水では、地区の住民ではない私には見当もつかない。最大降雨量を計算して設計しているのだろうが感覚実感として分からない。
…… 一つだけ懸念されるのは、田の浜地区の砂漠化だ。というのは、集落の真ん中と両脇に、特に真ん中に巨大な暗渠を設計している。豪雨の時はここから水を放出するつもりだ。問題は、普段の雨水もこのコンクリートか鋼管かの暗渠に集水し流し続けるのかということだ。心配するのは、水はスムーズに流れ下るが、緑地帯および周辺の土地が乾かないかのことだ。水はけが良くなった、潤いがなくなったでは困るのではないか? 暗渠に流すのは台風や大水の時だけというのならいいが、その切り替えというかオペレーション(操作)は大変だと思った。
 
繰り返すが、一つは緑地帯の乾燥化の問題。各地で湿地保護が叫ばれ、湿地の他の用途への変更とか問題化している。ビオトープなど新たな湿地、沼地を作る運動もある。樹木が育って防災に役立つまでの長い年月の大変さを思う。思いつくもう一つの問題は、暗渠活用のオペレーションの問題だ。これも住民のコンセンサスがなければ図面だけの問題になってしまう。
 
 
 
 
 
緑地帯の植樹(2019.8.4)
 
 
 
 

 

 

 

 


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