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2011.6.1~。大津波、宮古市、鍬ヶ崎復興計画。陸中宮古への硬派のオマージュ。 藤田幸右(ふじたこうすけ) 管理人

田老「第一防潮堤」の今(15=完成)

2014年01月23日 | どうなる田老

写真1 パラペットの型枠に生コン注入

ブログ<被災地ガイド岩手県宮古市田老地区を案内する男の想い日記>
299月命日(2014.1.11)より  ※海側から撮影


写真2 型枠をはずしてパラペットが完成

ブログ<被災地ガイド岩手県宮古市田老地区を案内する男の想い日記>
297防潮堤かさ上げ工事(2014.1.9)より  ※陸側から見る


写真3 完成写真(南向きに撮る)

ブログ<被災地ガイド岩手県宮古市田老地区を案内する男の想い日記>
297防潮堤かさ上げ工事(2014.1.9)より ※左が海側 


写真4 完成写真(北向きに撮る)

ブログ<被災地ガイド岩手県宮古市田老地区を案内する男の想い日記>
297防潮堤かさ上げ工事(2014.1.9)より ※右が海側


写真5 完成写真(旧ブロックが見えている)
    防潮堤本体頂上の旧ブロック隊列を残すつもりなのか?その事に
なにか意味があるのか?

ブログ<防潮堤は壊れても~たろうの海~> 受け入れる方も…
(2014.1.12)より



写真6 本体壁面(海側)はどんな養生が始まるのか?

ブログ<被災地ガイド岩手県宮古市田老地区を案内する男の想い日記> 
309防潮堤付近の地質調査(2014.1.22) より

 

 

この<田老「第一防潮堤」の今>シリーズの過去記事を目にした人なら、この「完成」記事自体がなにを意味するか分かってくれるものと思う。それは「完成」という喜ばしい言葉の意味と裏腹に、深刻に、地域のみならず全国民が反省的に共有すべき諸問題なのである。

 この「完成」によって、設計思想の不備、また鉄筋や、パラペットの据え付けの不備・不正が生コンの注入によって一応完璧に隠された形であるといえるが、歴史を繰り返さないように、この防潮堤の「完成」かさ上げ部分をはぎ、物事のけじめを付けなければならないということである。


 

 ☆

[関連記事](「完成」かさ上げ部分をはぐ…)

 

田老「第一防潮堤」の今(14=その後) 風評批判に応えたものか? もともと図面になかった細い鉄筋を間に合わせ的に途中から追加している。その分多少でもパラペット自体の強度は増すであろうがパラペットの津波に対する強度(崩落回避)には関係しない。弥縫策とはそういうものだ…

田老「第一防潮堤」の今(13=その後) パラペット自体の構造だけでなく、パラペットを受ける「防潮堤本体の切り口・穿孔」「受け床のデザイン・骨材」「削ぎ落とした天板裏の砂利養生」が見れば見るほど杜撰、心も考えもない。…

田老「第一防潮堤」の今(12=その後) 受け床、鉄筋組み、型枠作りと、設計図どおり着々と行程は進んでいるように見えるが、所期目的はおろか、これでは最初の損傷を修復する事にもならない。どの工程にも強度強化というものがなく平面的であり、非物性的である。…

田老「第一防潮堤」の今(11=つづき) おどろくべき背任工法!! このパラペット工法による地盤かさ上げ工事とは、沿岸(海)の津波迎撃対策ではなく、河川洪水やダム工事仕様と同じ単なる堤防のかさ上げ工事となっている。…

 田老「第一防潮堤」の今(10=つづき) 第一防潮堤は、他の施設が軒並み崩落した今次震災の中で、無傷で耐えて残った施設であった。ネガティブでつまらない候補施設群の中で、唯一のポジティブな災害遺構として残すべきものであった。無謀公共工事はその姿を消し去り、現役の役割にも終止符を打ってしまったのである。…

 田老「第一防潮堤」の今(9=つづき) パラペット工法の詳細。パラペットを置いただけのかさ上げ工事の完成形は横からの力に弱く防潮堤崩落の原因になる。劣化やメンテナンスについても展望が見えない。… 

田老「第一防潮堤」の今(8=つづき) かさ上げ工事は取り返しのきかない自壊工事である。第一防潮堤の台形の一体構造を壊してしまった。削ったところに他所から異物パラペットを付け加えるという…

田老「第一防潮堤」の今(7) 調査のため宮古市役所(建設部)、岩手県宮古事務所(岩手県宮古土木センター)を訪ねる。最悪の状態であった。まさに思考停止中。核心的な事は何も聞き出せなかった。ネガティブな周辺情報をわずか仕入れてきた。たまたまとは言えない県政、市政。これが実態。…

 田老「第一防潮堤」の今(6) かさ上げ工事が計画されているが第一防潮堤は残されたままそのまま残し田老の良質の津波対策遺構とするべきだ。現役施設としてもベストである。かさ上げ計画は一体構造を破壊して現役施設の弱体化をまねく。…

田老「第一防潮堤」の今(5) 写真を見てほしい。無惨! 愚か! いうべき言葉がない。真剣だった昔の工事に比べた公共工事の実態というべきであろうか? 公共工事の主役たちは偽りの響宴に興じている。

田老「第一防潮堤」の今(4=まとめ) 昭和9年関口松太郎村長時代に着工した第一防潮堤は今現在も津波防災のシンボルである。というより、津波防災の「本質論」である。

 田老「第一防潮堤」の今(3) 第二防潮堤、第三防潮堤「せっかくの公共事業を一円でも多く使って町を潤そうと、その思惑ばかりが先に立ち、田老はなりふりかまわず突進した」(「大津波を生きる」より)。そこに待っていたのは最悪の災害誘導でなかったか?! …

 田老「第一防潮堤」の今(2) 理由にならない「地盤沈下」。第一防潮堤の破壊は取り返しのきかない失政。…

 田老「第一防潮堤」の今(1) ブロック隊列の撤去、天板のはつり工事。どうなる田老? 底なし悲劇の予感。…破壊の始まり。

 

 

(16)につづく

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