Q:防潮堤の高さが海抜+10.4mでは、3.11の津波から逃げられないのではないか。
A:過去2番目の津波に対応する防潮堤を整備するというのが国の方針ですので、明治三陸津波を防ぐ高さとなっています。防潮堤だけでなく、避難路などを併せて検討する必要があります。
──以上、鍬ヶ崎地区復興まちづくり検討会でくり返された問答である。
■「過去2番目の津波に対応する防潮堤を整備するというのが国の方針ですので、明治三陸津波を防ぐ高さとなっています。防潮堤だけでなく、避難路などを併せて検討する必要があります」と宮古市の幹部や役人、コンサルタントが、さも分かったようにして言いふらしてきた。
■根本的問題は「なぜ一番目の津波を対象にしないのか?」という防災にとっての根源的な問いかけである。この疑問があるかぎり「二番目」問題は堂々めぐりである。というか、もはや「過去2番目の津波」という言葉は死語になってしまった。一年ももたなかったという感慨がある。
3回にわたって(1)田老の場合(2)北海道の場合、南海トラフの場合(3)宮古湾の場合、と書いてきて、今回(4)鍬ヶ崎の場合,を書くつもりであった、主に「2番目の津波の」の総括としてその虚妄性を結論づけるつもりであった。しかし鍬ヶ崎の場合はそれをいっている場合ではなくなった、鍬ヶ崎の問題が発生したからである(後述)。
2番目の津波、頻度の高い津波の問題意識が消えたのは論理的問題のせいというより、やはり南海トラフ等のメガ地震への緊急性が大きかったように思うが、メガ対策は東日本大震災全体の救済と研究を抜きにはあり得ず、それと同時に、並行して、新しい観点から、一層、2番目や頻度の高いを極めることも大事になるとは思う。いまの古い観点での2番目や頻度の高いは、とくに避難の面で、一貫したごまかしであり、二次・三次被害の原因になるものであった。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます