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東日本大震災では、盛り土の重力式台形型構造(田老防潮堤)であろうと、礎石上ケーソン式構造(釜石防波堤)であろうと、また今日に引き継がれたフーチング構造・インプラント構造であろうと、大小に拘らず、防潮堤や防波堤はこのようにしてことごとく破壊された。
防潮堤の破壊のされ方には、波による横からの圧力、回転トルク力、運動の力、てこの原理など一定の法則がある。 少なくとも岩手県庁の珍妙な「静水圧」や国交省のリップサービス「粘り強い」。同じ国交省の中途半端な「洗掘」などに惑わされないようにして有効な法則性(原理、原則)、また、無効な法則性を選別していかなければならない。これからの学習になる。
ここにある動画は、法則を導くというより、津波の力についてしっかり津波をイメージする助けになる。基本イメージ。
人は津波のかさ高や遡上高と、津波の衝撃力を混同している。津波の高さも衝撃力も同じ津波力の二つの現象だから、混同は混同でいいのだが、防災方法で混同はいけない。両者を統一して考えないと間違う。山本宮古市長は防潮堤を10.4メートルの桶(おけ)に例えて、宮古湾に入ってきた津波は10.4メートルの桶壁に突き当たって跳ね返って沖の方に帰って行くと考えている。それ以上の高さの津波でも10.4メートルを差し引いた水量しか入ってこないと。宮古市のシミュレーションは高さだけの引き算で出来ていて市民を危険にさらしている。
※ 動画は、アプリケーションのせいか、大容量のせいか、スマホや一部のパソコンなどでは見れないようです。宣伝のための動画であったけれども動画の目的とする所をシンプルに、また工夫・細工をもって、津波力の圧倒的側面を分かりやすく見せてくれています。見れたり、見れなかったり、が欠点
…思うに、建設土木業界のゼネコン、または業組合・協会など、ほかに何十何百とあるのに、直接関係する災害、津波の動画をほとんど作っていない。プランナー、設計者、技術者には若手もいるだろうに苦手だけというのではどうにもならない、デジタル時代とは思えない貧困状態。べた写しのマスコミ映像、個人の記録ビデオに頼り切っている。なさけない
官公庁や研究所などその関連機構も同じ能無し 。市民、国民にデジタル時代の恩恵を提供していない。ありやなしやの信頼感のないアナログシミュレーションだけだ。
学界、学会、学者も同じ。この国はどうかしている