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2011.6.1~。大津波、宮古市、鍬ヶ崎復興計画。陸中宮古への硬派のオマージュ。 藤田幸右(ふじたこうすけ) 管理人

真実に近づいた(3)

2016年12月09日 | 鍬ヶ崎の防潮堤を考える会

岩手県・宮古土木センターを訪問して分かった事

 

「鍬ヶ崎の防潮堤を考える会」では11月21日、宮古市五月町の県の宮古事務所「岩手県・宮古土木センター」を訪問して鍬ヶ崎日立浜の地盤沈下修復工事や鍬ヶ崎防潮堤の「30mmアクリル製窓」についてなどを質問した。

 

 

V 字形に開いている鍬ヶ崎防潮堤

<図解> 一般に「波」は岸(津)に対して基本的に
垂直におしよせてくる性質がある。津波も波である
から岸に向かって直角の角度で襲来する。ただし海
底の状態や震源、侵入角度、湾形などで基本とは大
きく異なる事がある。先きの震災の千葉県旭市の場
合を含め津波の侵入経路は研究課題である。   
鍬ヶ崎の先きの津波の場合も基本的に港周りのすべ
ての岸壁に向かって波は直角に襲撃したと思われる。
この場合も岸壁の向きによって強弱の違い、返し波、
二波、三波の状態によって一概ではなかったはずで
あるが…。                  
防潮堤が出来ると事情は変わる。津波の第一波の侵
入角度はともかく、防潮堤にぶつかった波、防潮堤
からの返し波(のベクトル)は V字形の中心部に向
かう。それに第二波、第三波が同調して中心部の港
町、造船所に津波の量と力が集中する。防潮堤では
この変化に備えた第二の対策も考えておかなければ
ならない事になる。              

 

 

 

 <質問> ・最後に鍬ヶ崎防潮堤の鬼門について質問した。

鍬ヶ崎の防潮堤が出来ると、宮古港(鍬ヶ崎)の津波のベクトルは鍬ヶ崎港町、造船所のあたりに集中する。そのためにそこを特別強化するどころかここは意味不明な工法仕様で仕上がっている。

「鍬ヶ崎の防潮堤を考える会」ニュースレターNo.13 記事裏面とおなじもののベタな質問になってしまった。

 

 

 

 

鍬ヶ崎防潮堤のここ港町の曲がり角「A地点」「B地点」工法はプレキャスト工法ではなく現地で型枠にコンクリートを流し込んだだけの仕様である。これでは、前の津波で制作中のケーソンが吹っ飛んだ現象の二の舞いである。

この上部構造物は「基礎鋼管杭とはわずかしか連結しておらず」「芯になる自立鋼管も中に入っていない」というのが「鍬ヶ崎の防潮堤を考える会」の見解であった。不完全きわまりない防災工事である。ちなみにこの部分は両側の防潮堤とモルタル以外ではつながっていない事はこれまで何度も警告してきた事だ。

 

回答> 土木センターは最初「芯鋼管は中に入っている」としたが後で訂正した。心棒はなく鉄筋網とコンクリートの塊(かたまり)である事が判明した。

ついで「A地点」「B地点」構造物の設計図を要望したが最初「県本庁に情報開示請求してほしい」と言っていたものを、宮古土木センターから渡す事を検討するとした。その連絡は後日という事であった。

なお、上図、上左の写真には「A地点」の基礎鋼管杭のアタマが写っている(手前3本)。問題はこれがどこにも連結されないで浅いままで終わっている事である。基礎鋼管杭と上部構造物が「わずかしか連結していない」ということの実態である。基礎にも連結せず両側の防潮堤にも連結してない独立のかたまりという事。津波が来たら倒れるだけではないのか?

 

 

 

 

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