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2011.6.1~。大津波、宮古市、鍬ヶ崎復興計画。陸中宮古への硬派のオマージュ。
 藤田幸右 管理人

いよいよ防潮堤の議論(2)第1回勉強会

2014年08月01日 | どうなる鍬ヶ崎

鍬ヶ崎で初めての勉強会を開催

 

7月27日(日)午後5時から、鍬ヶ崎小学校仮設住宅(日影町側)談話室で、震災後初めてとなる鍬ヶ崎の防潮堤と閉伊川水門についての勉強会が行われた。「鍬ヶ崎の防潮堤を考える会」(準備会)が主宰したものである。

  
勉強会会場


   写真はブログ管理人が写す    


世話人が市議会への陳情を報告

 始めに準備会世話人の方から6月の宮古市議会に対する陳情の経過が報告された。準備会発足を機に宮古市議会に「直立式」防潮堤のくわしい説明と閉伊川水門建設の一層の説明を求めた陳情で、宮古市議会の建設委員会と本会議の審議の様子や結果が報告された。後者は採択(採用)され前者は不採択(否決)された次第である。

昨年暮れ一度だけの説明が行われその後は一度も説明が行われていない「直立式」の再度の説明を求めた陳情が市議会によって否決された背景には宮古市建設課の「7度にわたって地元に説明している」という証言が採用され、十分な説明が行われたとなったわけであるが、これについては勉強会出席者からも疑問も声がもれ、世話人としても9月定例市議会に向けて事実調査を進めるという決意が述べられ、現実にこの「直立式」防潮堤を知っている(関心のある)宮古市の市議や委員はいなかったという印象が述べられた。

 

「直立式」防潮堤、うすい資料で濃い議論

勉強会では鍬ヶ崎の防潮堤について意見が沸騰した。下の図は昨年11月22日に岩手県と宮古市が共催で説明会を行った際に会場で配布した資料である。A4大の普通紙であったが説明の内容もそのように薄っぺらなものであった。今回の勉強会ではその資料をもとに、しかし、活発な意見が交わされた。注)図面の書き込みはこちらのもの



「直立式」防潮堤と日立浜の前出し船揚場


●「直立式」を説明するには木枠でほんものの大きさのものを予定地に張りめぐらすくらいの事をしなければ誰も信用しないだろう、と説明のそもそもの信頼性(説明する気があるかどうか)を疑問視する意見があった。

直立式の構造、特に本体を支える足の部分の鋼管杭が長すぎる(また短すぎる)という欠陥について、

鋼管杭を支える海底の地盤についても、鍬ヶ崎沿岸の海底は構造が複雑すぎて、鋼管杭の長さが一本一本定まらない、どこまで県や市が把握できるか疑問、

先きの海底地質調査の人身事故(日立浜)はその海底というものの複雑さを軽く見た県庁を原因とする人災である、調査自体を海を知らない、津波を知らない人たちには任せられないけっかになった。ましてや田老のように防潮堤の設計をまかせられるのか、

このような直立式の設計では壁面と鋼管杭、高さと基礎、の上下のアンバランスで津波が来たらすぐひっくり返るように思う、

日立浜の船揚場の30mの前出しは海面を狭くして、陸地を海に張り出すだけの事で、津波の前に低気圧や高潮、大波はもとの道路をめがけて遡上してくる。波を呼び込み作業スペースはなくなるものとなる。

──等々の意見や疑問、問題点が熱く語られた。勉強会という事で、賛成、反対に片寄った意見はあまりでなかったが、決められた時間がすぐ来てしまい、十分に深まり、納得するまで意見交換が出来たとは言えなかった。


短い準備期間であったが勉強会の出席者は主催者を含めて12名であった。初めての事にしては多かったか少なかったか? 準備会ではお盆の頃帰省者を含めた第2回目の勉強会を予定している。

 

 

[関連記事] 鍬ヶ崎「防潮堤」(9)あやふやな説明会 (2013.11.29)






コメント (2)
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