宮古on Web「宮古伝言板」後のコーケやんブログ

2011.6.1~。大津波、宮古市、鍬ヶ崎復興計画。陸中宮古への硬派のオマージュ。
 藤田幸右 管理人

3年目に初の市議会選挙

2014年03月11日 | どうなる復興計画


震災から丸3年経って、この4月には宮古市の市会議員選挙が行われるようだ。今の議員は平時のときに選ばれ、任期中、津波有事の対応は出来なかったように思う。

 


もちろん内容は全然違うのだけれど宮城県名取市閖上(ゆりあげ)地区と宮古市の復興の事情は似たようなところがある。一言では、特に住宅問題は大変だナ…、というようなあたり。自分は宮古(鍬ヶ崎地区)出身ながら県外に住んでいるからよくわかるのだが、閖上地区の場合はひきも切らずに新聞などマスコミの話題になっていて大変さはよく伝わってくる。宮古の場合は個人的にいろいろかき集めて入り込んでいかないとよくわからない。全体にひいているような感じがする。これは地元からのアピール度が違うからだと思う。

 

首長や議員の働きや言動がそのままアピール度に反映される。市長も議員もただ国政の行くがまま、知事の方針のまま、県官僚のいうがままであったように思う。怖いのは野党の議会議員でさえ、結局首長にとり込まれ、高級役人の懇願のままに、ほんの一部の議員しか市政への貢献というものが見えなかった事である。震災有事の渦中になにか市民のために一念発起したのであろうか? 被災者のために役に立つ発言があったろうか? 被災者に寄り添って避難、再建、安心のためになにか目立った活動があったろうか? 

 

大変なとき、少なくとも私には市議会議員の姿が見えなかった。この3年間、国政、県政のまま、知事、市長の方針通り、いうならば国の予算配分、県の予算の流れのまま、市長の予算に何一つ口出しをしていない。──のに、復興は進んだという、市政は回ってきたのだという。市会議員は何もしなくてもよかったのだ。相当にヒマでなかったかと思う。この3年間アピール度どころでない、市民から遠くなっていったように思う。まるで第二の県会議員のよう…

 

陸前高田市の次のような記事があった。

陸前高田市の戸羽太市長は6日、市議会復興対策特別委員会(佐竹強委員長)で、3月中に取りまとめる方針だった東日本大震災検証報告書について、2014年度も議論を続ける方針を示した。市民や議員から、さらなる検証を求める声が上がっていた(2014/03/07 web 岩手日報)

高田市のやり方は至極当然である。宮古市の場合、検証はどの程度進んでいるのだろうか。私自身は、鍬ヶ崎地区や、光岸地から市役所あたりの越流津波の流れ、中心市街地の水の流れ。閉伊川沿いの防潮壁や水門の状況。高台避難のくわしい事情、なによりも死亡者、行方不明者の場所、時間、状況、の検証。それが将来への第一の遺産になるので、説明され検証されてほしい。今は死亡者の総数が、また建物の倒壊の分類が発表されているだけだと思う。宮古市がしっかりとした実態を調べる必要性を感じる。市民自身が物足りないと思っていると思う。将来の防災、避難、都市計画はこの検証なくしては考えられないからだ。その決断を市長が行えばなされるであろうが、そうでなければ市会議員が発議するべきである。

 

新しい宮古市の市会議員に期待するところが大きい。というより、今の議員では宮古市政は成り立っていかない事を認識する必要がある。今の議員は立候補をやめるべきだと思う。上記宮古市としての震災の検証問題にかぎらず、被災地の住宅問題や区画整理問題、防潮堤問題、閉伊川水門問題、など問題は何一つ終ったわけではない。これらの問題はただコンサルタントやUR都市機構、メーカーや土木業者などの外部業者の営業や利益につながれただけだ。争点はまだ多い、課題は未解決でつづいている。今の議員にはその認識、その危機感がない。

 

争点を取り上げる前に有権者においてはまず選挙で「落とす人」をはっきりとさせることだ。新しい若い立候補者には(争点の前に)しっかりとした市民の側に寄り添う意識を持ってもらうことが第一だ。山本市長がなぜ強いかと言えば結局国の予算の言いなりだからである。それは外部事業者や一部利権者には有効であったが被災者や宮古市民のものではなかった。若い立候補者には予算やセレモニーでなく地区地区の市民に寄り添い要望を聞き、市民のためにがんばる意識でやってもらいたい。周囲や年長者や経験者から学ぶものはないはずである。

 

山本市長と与党、野党の市会議員は、表面的流れのまま、これまでの3年間を通じて争点も課題もつくれなかった。この損失は宮古市にとって計り知れなく大きい。市民への問題提起はおろか何一つ復興のメッセージも発信できなかった。復興期に宮古市政は死んでいたといえる。許せない事は、住宅問題、閉伊川水門問題、防潮堤について、業者や県側の肩だけもって市民や被災者の声を何一つ汲み上げていない事だ。新しい、若い立候補者は大きなひしゃくをもって汲み上げてほしい。

 

冒頭に書いた市政のアピール度といい、震災の検証といい、諸課題の継続といい、それは山本市政の仕事であるが期待は1/4以下である、それだけに来るべき市会議員選挙の意味は大きい。新しい人、若い人の奮起を願いたい。




 

(検証問題記事)

震災検証14年度も継続へ 陸前高田市長が方針

 陸前高田市の戸羽太市長は6日、市議会復興対策特別委員会(佐竹強委員長)で、3月中に取りまとめる方針だった東日本大震災検証報告書について、2014年度も議論を続ける方針を示した。市民や議員から、さらなる検証を求める声が上がっていた。

 戸羽太市長は「現状はボリュームが大きすぎる。二度とこういうことが起こらないように、何が必要で何が重要かが一目瞭然で分かる報告書としたい」と議会での議論継続を提案した。

 市は昨年2月、地区団体の代表らによる検証委員会を組織し、今年2月に検証報告書案を提示。しかし、380ページに上る膨大な資料で、記述ミスもあり、市民からはさらなる検証を求める声が出ていた。4日までのパブリックコメントでも検証継続を求める意見があった。同特別委は17日に対応を協議する。






 

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