両課のよると、熊本県が積極的に企業誘致に転じたのは細川知事時代の1984年、熊本テクノポリス計画からです。現在は蒲島知事が2011年、「県産業振興アクションプラン2011」を定め、半導体の集積を活かしたセミコンダクタ・フォレスト、自動車工業のものづくりフォレスト、農産物に立脚したバイオフォレストなど、5分野の産業に力をいれているそうです。
今回調査では、ブランド化に成功したとされる関アジ関サバ、耳川スギ、宮崎椎茸ですが、生産現場では、それぞれに苦悩し、懸命に努力されている姿を垣間見ることができました。一次産業の振興が本当に難しいと再認識しながらも、やり方次第では、鳥取の農林水産業はまだまだ成長できるのではないだろうかと希望も持てました。やはり、現場を見る意味は大きいと思いました。
熊本県で聞いた電動モバイルですが、やはりホンダというメーカーがしっかり関わっていても、大変なように思えました。そうした自動車産業の蓄積のない鳥取では、難しい面も多いように感じます。鳥取に戻ると、ナノオプトニクス・エナジーが、自動車から介護椅子へ研究開発を転換させるとの報道をなされました。県費を投入した大きな事業です。しっかり議論したいと思っています。
県議会農林商工常任委員会の県外調査の2日目である1月23日、宮崎県日向市の日本きのこセンター九州日向事務所から調査を開始しました。
ここでは宮崎県環境森林部の皆さんにおいでいただき、説明をお聞きしました。
人工造林は1700ヘクタールで7割がスギ。路網密度はm/haで、全国一。8の森林組合があるそうです。素材生産は北海道に次いで全国2位。スギは全国一。大分、熊本、鹿児島の南九州4県で全国の三分の一のスギ材を供給しているそうです。高性能林業機械の保有台数は全国2位。県外出荷の拡大のため、知事がトップセールス...を開催している。韓国の住宅フェアの参加するなど韓国、中国、東南アジアへの売り込みも図っている。木材利用技術センターで、研究活動をすすめていて、様々な製品開発をしているとのことでした。キノコなど特用林産物の種類は豊富。生産額は2111億円。干し椎茸は全国2位。生しいたけは、原木は数えるほどで、菌床での生産がほとんど。秋口は価格がいいが、需給と供給の関係ですぐ価格が落ちるのが問題だそうです。
次に訪れたのは組合員所有面積全国一の耳川広域森林組合です。
組合役員からまず、説明をお聞きしました平成12年に宮崎県の8市町村が合併し、それに伴って森林組合も合併して、現在の形になった巨大な森林組合です。
経営森林は395ha、作業班員は305人。後継者育成が重要な問題になってきている。木材の生産量は15万立方メートル。受託、買取は半々。切ったら植えるという方針で造林しているそうです。販売は発展途上で、課題だそうです。耳川材ブランドの確立と販路拡大に力を入れておられるそうで、森林認証はFSCを諸塚村が取得。日向、美郷でSGECを取得し、椎葉村でも計画があるそうです。
テーブルも木製。温かみを感じます。
組合の建物は木材をふんだんに使い、モデルルームのようでもありました。
木材加工団地も見学しました。
団地には6社入っています。
ここには組合の加工センターがあります。
一次加工した原板が入ってききます。
重さや品質をチェックして分類します。
表面に鉋をかけます。
12600立方メートルの原木が入ってきて、9350立方メートルの製品を製造。3割は製品市場、7割は工務店や問屋に出荷しいいます。歩留まりは78%で製品化されてます。
製造過程で出る鉋屑はボイラーで燃やしてリサイクルしています。
9機乾燥機があるが、熱量が足りないので、団地共同のバイオバスボイラーを検討しているそうです。
藤本さんのところには、諸塚村の矢房孝広産業課長=写真上の左側=も待っていてくれました。矢房課長は「諸塚村は、市町村レベルでは国内最大の生産地。平成13年に中国産問題で落ち込んで対策を実施。安くて...美味いものはないと消費者が気づいたのか、価格が上がってきた。消費地から遠いため、町が運営する原木銀行は、原木を持っている人、欲しい人を登録してもらって、マッチングする仕組み。参加してくださったら、補助を出しています」と話してくれました。
藤本さんの案内で園内を見学しました。
県議会農林水産商工常任委員会の県外調査2日めの最後の訪問先は平成24年に完成したばかりの宮崎県椎葉村役場です。
この役場を訪れたのは、木材をふんだんに使っていると聞き、公共施設の木造化のヒントになればと思ったからです。林業再生事業補助金などを使って、、建設費は8億1000万円だそうです。内装は木の香り漂うものですが、構造は鉄骨造。これも手だなと思いました。広さは3階建て延べ3700平方メートル。
玄関にあった木製の椅子です。「ここに座ったら恋が実るというような都市?伝説を作っていは」と話すと町職員の皆さんは笑っておらました。
町議会の委員会用の会議室です。壁は木製。天窓から自然光が明るく差し込む設計になっていました。
太陽光発電の工事費は7300万円です。
佐賀関支店では、アジ、サバ、タイ、ブリ、イサキの主要5種で8億8千万円の水揚げです。アジ、サバのトップブランドです。佐賀関の次はで名前は出てこない。それでも、その不況で価格は6割で低迷しています。
佐賀関は、出すことによってブランドになった。しかし、今はブランドを維持することに経費がかかっています。
魚は需要と供給のバランスで価格が決まります。...最盛期は6割から7割は東京に出し、出せば売れていた。今はそうはいかないでの、5割にまで落としています。一番良いのは、市場に出すのではなく、個人の商店で認めてもらって、そこから注文を得ることです。それが経済的です。
地産地消に力を入れ、別府の旅館と7年前から相対で取引しています。
組合員さんの生産したものをただ市場に出すのではなく、取ってきたものを全量、組合がを買い取り販売しています。そのため、コストがかかると組合が赤字になるんです。
佐賀関では、鮮度と品質の保持のため、生け簀に活かした魚を上から見ただけで買い取る面買いをしています。組合が面買い事業を始めたのは、仲買が談合して価格を抑えるのを防ぐため。そのために価格は上がったにですが、これは組合がリスクを負うことを意味します。
魚は1匹まるまる買うのが普通でしたが、家庭で調理をしなくなり、スーパーのパックでいいとなって、消費量が減った。1匹の注文は60代。捌いて送ってという注文はありますが、品質が落ちるので、やっていません。しかも、魚屋や行商がなくなって、お店で捌いてという形までなくなった。大きなもんだです。ブランドを守るために、差別化を続けなくてはなりません。維持コストがかかり、収益率が落ちているだけのような気もします。
新しい取り組みとして、飛行機を使った東京の即日便をやっています。千葉で取った魚は、その夕方、食卓に並びますが、佐賀関は翌日の夕方。その鮮度が差になるからです。しかし、飛行機の小型化で思った量が出荷できないので困っています。味は食感を重視すると当日。旨味は2、3日目ですから、そうした認識を広げたい。加工も、全量委託で、全量買い取り。他の産地の物を混ぜてはいけないので、そうやってブランドを維持しています。
直売所もありました。
最後に関サバを試食もさせていただきました。本当に美味しく感動しました。
壁に価格表がありました。
これから明日の朝一で調査を始めるため、宮崎県日向市へ移動します。
ソーラーパークは、53.2ヘクタールに約18万枚の太陽電池パネルを設置して、42.9MWを発電する本州で最大の太陽光発電所です。
米子駅前イオン3階の映画館跡地にガイナックスシアターができました。オープニングセレモニーが2月1日あり、覗かせていただきました。
テープカットを前に平井知事が「まんが王国は、まだまだ動きます。その拠点ができてうれしい」と挨拶。
赤井さんや野坂米子市長らがテープカットし、グランドオープンしました。
シアターには70人から100人収容の三つのホールがあります。元映画館だけに、各ホールには、大きなスクリーンを持つステージが備えられています。ホール「クララ」では写真展が開かれていました。
一番大きなホール「アン」では、ネギマンの上映がありました。
無料イベントの場合、利用料金は3時間4700円からと、とってもリーズナブル。これなら練習にも使えます。若者たちの演劇や音楽、自主制作映画の上映会など様々な利用が可能です。こうした場所が、地域にあることは、地域文化の向上にきっと大きな役割を果たすこととでしょう。
赤井さんは「全員喪服で集合。みんなで怪談を語る会ってどうですかね」と、今後に期待している様子でした。赤井さんはじめ、関係者のご努力に心からの敬意を表したいと思いますし、このシアターが文化の発信拠点として大きく成長することを願ってやみません。