米子市のコンベンションセンターで「エコツーリズム国際大会2013in鳥取」が始まりました。その開会式に参加させていただいています。歓迎アトラクションは鳥取の美しい風景をバックにした音楽演奏でした。
まず、大会長の平井知事が主催者を代表して挨拶されました。
基調講演の1人目は、鳥取県と友好提携している韓国江原道の崔文洵(チェ・ムンスン)知事です。
綺麗な日本語で講演が始まったのにはびっくり。途中で、「私の日本語の能力はこれまでです」と韓国語になりましたが、そのサービス精神には敬服です。「私はテレビ局の社長。チャングムの誓い、冬のソナタのロケ地となったことで、日本からもたくさんのお客さんをお迎えしたことをうれしく思います」と話されました。
そして、「日韓両国は政治的な理由で困難な時を迎えていますが、だからこそ、非政治的な文化的な地域間交流を盛んにしたいし。私は何度も鳥取に期待と思います。そうしたモデルに江原道と鳥取県がなることを願ってやみません。2018年の江原道平昌(ピョンチャン)で開催される冬期五輪、2020年の東京五輪で、東アジアの友好が深まることを期待しています」などと話されました。
2人目はJTB社長の田川博己さん。日本エコツーリズム協会の副会長でもあります。
田川社長は「国際交流人口の拡大、個人旅行・物見遊山型から個人旅行・参加体験型へという旅行の『「型』の変化、「インターネットの普及による情報収集や旅行手配の簡易化など地域観光を取り巻く大きな変化が起きている。こうした環境変化に対応して観光振興に取り組むことが求められている」などと提言されました。
アジア・オーバーランド・サービス社のアンソニー・ウォン社長は「外国人から見た鳥取の可能性」という視点で話されました。
「エコツアーは旅行を基本への回帰させる。それは五感を大切にするということだ」という指摘にはなるほどと思いましたし、観光の基礎は平和というお考えにも賛同を覚えました。
モンベルグループ代表の辰野勇さん、養老孟司さん、市毛良枝さんらによるトークセッションもあり、「森・里・海、水の連環と人々の営み」という大会テーマの下、21日まで様々なイベントが繰り広げられます。鳥取の地域文化の魅力を見直し、その魅力を世界にどう発信していくか、これを機会にしっかり考えたいと思っています。
9月県議会での一般質問は、食品添加物や食育の問題を取り上げました。昨年6月にも地酒支援策をテーマに「食のみやこ鳥取県」は本物かと質問しましたので、今回はPart2です。一般質問はまず、登壇しておこないます。今だに緊張します。
鳥取市選出の砂場でございます。昨年の6月定例会では、地酒支援策を切り口に「食のみやこ鳥取県」は本物かのテーマで議論をさせていただきました。本日は、食の安心・安全と教育を切り口に再度「食のみやこ鳥取県」パート2と題して質問をさせていただきます。よろしくお願い申し上げます。
議長のお許しを得て、お手元に資料を配付させていただきました。1ページの下をごらんください。江戸時代の法曹学者貝原益軒の著、「養生訓」の第3巻、飲食の上の冒頭部分を載せております。現代和訳いたしますと、「人の体は元気を天地から受けてできたものであるが、飲食によって得られる栄養がないと元気は飢えて命を保つことは難しい。元気は生命の基盤である。そして飲食が生命を養っている」となるのでしょうか。私もそう思います。食なくして生きることはできません。命を保つために食があると思います。そうすると安心・安全は、食の基本です。本年4月、「食のみやことっとり~食育プラン~」の第2次計画がスタートいたしました。私は、「食のみやこ鳥取県」の基本は安心・安全にまず置くべきだと思いますが、平井知事はいかがお考えでしょうか、まずそこからお聞かせください。
実は私は、3代続いた料亭の三男坊です。記者時代も「西日本食ある記」という食レポの担当もしておりました。しかし、食に関して一番大きな影響を受けたのは、県職員から鳥取市議会議員に転じた川瀬滋子さんです。食と農の問題に真剣に向き合い、食育の大切さをしっかりと訴えておられましたが、本当に残念なことにことし6月7日、病のため67歳で他界されました。痛惜の念を禁じ得ませんし、御冥福を心からお祈り上げたいと申します。その川瀬さんがとても心配しておられたのがこれから話す食品添加物の問題です。
2ページ目の上の左側をごらんください。その食品添加物ですが、現在使用が許可されている指定添加物は 436品目あります。既存添加物は、平成7年の食品衛生法改正で指定範囲が化学的合成品から、全ての添加物に拡大されたことに伴い、法改正当時既に使用されたものを例外的に認め365品目あります。新規の指定添加物は、安全性について食品安全委員会の評価を受け、食品衛生法第10条に基づき厚生労働大臣が許可をしています。
ページの右側をごらんください。具体的にはいろんな毒性試験をして、生体に摂取しても問題がない無作為容量を特定します。これに安全係数を掛けた容量が、一生涯とり続けても害がない量、つまり1日許容量、ADIとなります。安全係数は、実験動物と人間の種による差を10倍、人間の個人差を10倍として、 100分の1とされています。添加物は、何種類かの食物から摂取しますので、トータルとして1日摂取量を超えないように食品ごとに使用量を使用基準として提示しています。
次は、具体的にその例について考えてみたいと思うのですが、2ページの下をごらんください。甘味料であるアセスルファムカリウムの動物実験の結果です。ラットへの1回の投与では、体重1キロ当たり 5.5グラムから 7.5グラム投与しなければ生体に影響は出ませんでしたが、2年間投与を続ければ1日 1,500ミリグラムで影響が出ました。こうして、さまざまな実験を繰り返し、影響が出る一番少ない量を求めます。これが閾値です。
3ページの上をごらんください。今の話をグラフにしたものです。得られた閾値に安全係数の 100分の1を掛けたものが1日の摂取許容量となります。そして反対に摂取量を増やしていけば、やがて中毒領域に達して中毒になり、さらに増えれば致死量となります。今許可されているものは、使用量が守られているから安全というのがこの法律の考え方です。
3ページの下をごらんください。ここで少し話をまとめます。1日許容摂取量は、動物実験で決めれたに過ぎません。摂取期間が長くなればなるほど少量でも影響が出る傾向にあります。白血病と症状が似た骨髄異形成症候群が広島や長崎で被爆した皆さんに今多発をしています。これは原爆の放射線が遺伝子の一部を傷つけ、それが徐々にふえ続け、半世紀という長い時間を経て発症するというメカニズムが近年やっとわかってまいりました。そのことを思うと今のような動物実験では心配です。
安全係数は、厚労省に聞いたり、本で調べたり、さんざん調査したのですが、経験値であり、国際的に使われるという回答にとどまり、明確な根拠はわかりませんでした。つまり指定添加物は、安全評価をした時点の科学的知見で安全と推定されたにすぎない。その根拠に一定許可されながら取り消された添加物は、成分の重複による取り消しを含め83目も数えます。戦後、衛生状態の悪いときには殺菌剤や防腐剤を使ったほうが安全だったかもしれません。しかし、冷蔵庫が普及し、衛生状態が改善した今、使い続ける必要性があるのでしょうか。加えて添加物の味に慣れ、天然の微妙な味わいがわからなくなる味覚障害の危険性も繰り返し指摘されております。平井知事の食品添加物に対する認識をお聞かせください。これが第2の質問です。
4ページの上をごらんください。昆布の味はLグルタミン酸とLグルタミン酸ナトリウム、かつおぶしの味は5イノシン酸二ナトリウム、シイタケの味は5グアニル酸二ナトリウム、シジミなどの貝類の味はコハク酸だということがわかってきました。グルタミン酸を化学生成したものがうまみ調味料、その他を化学生成したものが風味調味料となります。
4ページの下をごらんください。うまみ調味料は、ここ5年で生産量は5万 6,000トンから2割近くも減少していますが、輸入量がそれを補い、国内供給量はむしろふえています。1年当たり1人約 800グラムと、1キロ近く摂取しております。
5ページをごらんください。左側は国内での用途です。家庭は、わずか3%しか使われていません。主婦の皆さんがいかに敬遠しているかがわかります。残りは業務用、加工用です。皆さん、ラーメン屋さんが、どばっとグルタミン酸ソーダをラーメンの丼に入れられることを見たことがあると思います。外食、中食では大量に使われています。インスタントラーメンや加工食品、冷凍食品、食品とまぜるだけでプロの料理になる食品などにもたくさん入っています。そして、それは右の図が示すように、日本の食品会社が海外に工場を建て、日本に逆輸入しているのがその現実です。
5ページの下をごらんください。めんつゆの販売量は年々ふえていますが、ここにも、うまみ調味料はたくさん使われています。風味調味料は、単体ではうまみ調味料と同じように減っていることがわかります。ここに主婦の皆さんの思いを見る気がいたします。
「食のみやこ鳥取県」では、地産地消プロジェクトを進めています。大手食品メーカーとタイアップして推奨メニューを5品開発されました。6ページがそのレシピです。その中で食品メーカーの商品が赤い太字で示しております。
7ページから8ページの上までは、その商品の原材料表示を抜き出してきました。赤い太字が食品加工物です。
8ページの下をごらんください。その中にはたんぱく質分解物のような発がん性の疑われるもの、スクラロースのように肝臓にダメージを与える可能性があるもの、酵母エキスのように食物アレルギーをお持ちの方には問題のあるものがあります。もちろん使用量は1日許容量以下ですから、法的には何の問題もございません。
9ページの上をごらんください。これは表示の問題です。ブドウ糖果糖糖液と書いてありますが、まるで果物からとったブドウ糖のように思えますが、JAS法では果糖の割合である果糖含有率が50%未満のものをこう表示し、50%以上90%未満なら果糖ブドウ糖液、90%以上なら高果糖糖液と示すことになっています。しかし、こんなのは普通の市民にはわかりません。しかも残りの糖はどんなものかも表示がされていません。
そして、私が一番問題だと思うのは、うまみ調味料の表示です。グルタミン酸ナトリウムで単独に使用した場合は「調味料(アミノ酸)」と、核酸系調味料を併用した場合は「調味料(アミノ酸等)」と表示することになっています。普通の消費者は、アミノ酸といえば体によいものと思ってしまわないでしょうか。化学合成されたものとイメージするでしょうか。そこが問題です。消費者団体の多くが「調味料(グルタミン酸ナトリウム)」と表示すべきだと要望しておりますが、私もそのように思います。酸味料も同様であります。こういう表示は、一括表示をして法的には認められていますが、やはり何が入っているか明示すべきだと思います。
少し飛んで、10ページの裏上をごらんください。結局、食品添加物は安全と言い切れるのでしょうか。必要と言い切れるのでしょうか。私は疑問に思います。加えて食は伝統であり、文化であるとも思います。料理の鉄人であった服部幸應さんに以前、取材したことがあるのですが、そのとき服部さんは、日本料理の基本は出汁と塩梅、つまり塩かげんと教えてくれました。鳥取には、アゴ、つまりトビウオの干し物でとるアゴ出汁があります。伝統の食文化です。本当においしいと思います。料理の基本である出汁を大切にしてこそ、本当の「食のみやこ鳥取県」ではないでしょうか。うまみ調味料や風味調味料が忙しい主婦の皆さんが家庭の食事を調えるとき本当に便利なツールであることは否定いたしません。毎朝出汁を取れとも言いません。賢く家事をしていただければそれでいいと思います。しかし、食品添加物を使った食品をつくったレシピをつくり、食品添加物を推奨することは県の仕事ではないと思います。「食のみやこ鳥取県」は、あくまでも本物志向であり、安心・安全を大切にするとともに、伝統の食文化を大切にするものであってほしいと思います。平井知事、いかがでございましょうか。これが3つ目の質問です。
次は、教育委員長に質問をいたします。
10ページの下をごらんください。県教委で小・中学校の生活科や家庭科の教科書と副読本を見せていただきました。そこには食品添加物がどういうもので、どのように表示されているか段階を追って記述してありました。出汁の取り方も写真入りで説明されていました。しかし、食品添加物をどう評価するかは、ここに示したように賛成、反対の意見が紹介され、両論併記にとどまっております。判断は現場の先生方に任されているのでしょうか。中島教育委員長、まず食育をどうお考えかお聞かせください。そして、食育の中で食品添加物を子供たちにどう教えるべきかお考えかお聞かせ願いたいと思います。 以上で壇上の質問を終わります。
壇上での質問について一般質問2 知事答弁
○副議長(前田八壽彦君)答弁を求めます。平井知事
○知事(平井伸治君)(登壇)砂場県議の一般質問にお答えを申し上げます。
食のみやこ、とりわけ食の安全につきましてお尋ねをいただきました。砂場議員の得意分野のようでございまして、精細な解説も付けて御質問をいただきました。
まず、貝原益軒の言葉を引かれながら、食の安心・安全というのを鳥取県の基本に置くべきではないかというお話がございました。それは、当然のことだと思いますし、鳥取県のいいところはやはりこういう豊かな環境の中でとれとれの農林水産の生産物があり、また食文化を大切にする風土というものがございます。この中から私たちは健康を享受できるわけでありまして、食の安心や安全というのが一つの基本であることは疑いないことだと思います。
川瀬滋子さんのお話がございました。心より御冥福をお祈りを申し上げたいと思います。
私たち執行部の人間にとりましては、かけがえのない先輩でいらっしゃいまして、いわば農村の中で食を通して暮らしを豊かにしていこうという先駆者でいらっしゃいました。また、市議会に転出をされて、平成18年から市議をなさっておられましたけれども、そのころアフトピアという鳥取市のいわば地産地消の運動、詰め合わせの贈答品なども含めて主導をされており、川瀬さん自身が実践家であったと思います。単に格好いいことを言うだけではなくて、みずから汗をかき、現場に入っていく、そういう姿勢は我々県職員としても見習わなければならないことだなと思います。夫のシゲルさんも我々の先輩でいらっしゃいまして、御夫婦ともにお世話になった方であります。その川瀬さん御自身が地域の食材を使って、それで、ある程度こだわりを持った郷土食というのを推奨をされておられたのが印象的であります。いろんなところでお世話になりました。
その姿勢にも見られるように、私たちは地場のいろんな生産物、これをふんだんに活用しながら、そしてふるさとを枉駕する、これを目標にしたいと思います。これが食のみやこの基本的な考え方であり、それを観光面だとか、あるいは外に打って出て東京や大阪での販売促進、その際のツールとして使わせてもらうとか、そうしたさまざまな波及効果を持つ運動として展開をしているわけであります。おいしさということがまずあるわけであろうと思いますけれども、それとあわせて特に東日本大震災以後安心・安全というものに対する価値観が飛躍的に高まっておりまして、これが鳥取県の食のみやこの生産物に対する需要を拡大している面があると思います。そういう意味で今後とも食の安心・安全というものを重視しながら展開をしていきたいと思います。
次に、食品添加物の認識についてというお話がございました。
これにつきましては、くらしの安心局長から詳細をお答えを申し上げたいと思います。
議員のほうからお話がありましたように、指定食品添加物 430件余りがございます。また、そのほかにも慣習的に使っていたようなそういう食品添加物とか、また風味のものであるとか、そういうものなどがカテゴライズされて指定をされております。今のこの食品添加物の規制行政というのは、その安全性を十分検証しながら使うということであります。食品添加物が入っていればもう食べられない、危険というのは、ちょっとやや誇張が入っていまして、そこは若干趣味というか、もっとポリシーの問題かもしれませんけれども、食品添加物というものを安全に使える、そういう体制をつくろうということで今、我々も規制行政の一環、一翼を担わせていただいておりますけれども、厳密な運用をさせていただいているというところであります。
こうした食品添加物も時折今おっしゃった中にも出ていました発がん性が問題になると。これは現場でわかった場合、我々もそうでありますが、国のほうに通報したりして、それで国のほうが方針を改めて食品添加物の規制を強化をするということなどを繰り返しながら今展開をされているところでございます。この辺につきまして今後もそういう安全性をよく担保できるように我々は現場で頑張っていきたいというふうに思います。
次に、「食のみやこ鳥取県」の一つのPR等の手法として地産地消推進プロジェクトということをやったわけでありますが、その趣旨等につきまして御意見をいただきました。
詳細につきましては、これは市場開拓局長からお話を申し上げたいというふうに思います。
これは実は県は一切お金を使っていません。だからこれはちょっと非常に特殊な事業なのですけれども、これはいわば企業だとかJAグループ等とのコラボレーションの中にやっております。何年か繰り返してきたわけでありますけれども、JAさんからいいますと例えばねばりっこの消費量はこれで上がったとか、それからそのほかにも効果がある。水産関係もそうであります。結局私どもも実はこれは企業とコラボレーションの中で始めたわけでありますけれども、やってみてわかったのですが、経験的にわかったのですが、こういうPRの仕方等、手法というものが必要な時代になったのだなというふうに思います。
と申しますのも結局今の家庭での調理というのが減ってきているのですね。どんどん中食というのが広がってきています。中食は、当初は若い人たちだとか共働き家庭のそういうところから広がりを見せたのですけれども、今は年齢層、割と高齢の方にもその中食文化というのは広がっていまして、急速に拡大をしてきている。それから時間の関係ですね、主婦の方も含めてやはり時間に追われている。働いておられる女性の方はなおさらそうであります。また、見よう見まねでやる男性の調理される方もいらっしゃいますけれども、以前のように、今も砂場議員もおっしゃいましたが、朝昔でいえば母親がだしをとるところからやっていたのを目にして育ちましたけれども、だんだんとやはり時間の節約だとかそういうことで調味料を多用するようになっています。JAが調べたところでは大体3割以上、3分の1ぐらいはそういう合わせた調味料、これを活用しているという実態がございます。また、調理時間も夕食も40分ぐらいが平均に今もう大分なってきまして、さらに実際に働いている女性のアンケートなどでは8割以上の人がもっと調理時間を減らしたいと、こういうふうになっているわけですね。そういうようになってきて、やはりレシピだとか、またどうやったらおいしくつくることができるかというのが非常に関心が高くなっています。
また、あわせて特に魚でありますけれども、魚食文化が衰退してきたのは、それをさばけない、料理ができないということが片方にあります。それをおいしくどうやって料理したらいいかというようなこともあるわけですね。そういうようなことでございまして、何かパッケージにしてつくり方とあわせて我々の地産地消の食材を使ってみたらどうですかと、こういうようなキャンペーンをやったほうが効果的かなというのは我々も実際こうした事業を始めてみて感じたところでございます。
PRの経費等も全てナショナルブランドのさまざまな企業側だとかそうしたところが持っているわけでございまして、砂場議員、プロなのでおわかりだと思いますが、広告費に換算したら随分お金がかかるものも向こう側のいわば販売促進経費の中でやってしまっているというような感じになっています。非常にユニークな展開をしているわけでございますが、そういう中で例えば 100万人の人が見るようなレシピサイトに掲載されたり、それからお好み焼き屋の関係ですね、そういうソースの関係の事業者さんのほうではねばりっこを取り上げられて、このねばりっこを全国に向けてお好み焼きをつくるときの素材として紹介をする、こんなような動きになってきたり、波及効果も出てきております。別に食品添加物を推奨しようということでは全くございませんが、そういうPRの手法を取らさせて、いただいているということでございます。詳細は、市場開拓局長のほうからお話を申し上げます。
議員の質問には知事が基本的には答弁しますが、詳細な問題であったり、専門性の高いものは、「部局長に答弁させます」と答弁を代わることができます。政策論争をしたいと思っていますので、議員としては残念です。ほぼ全議員が質問に立つ鳥取県議会においては無理からぬことと諦めるべきなんでしょうが、できるだけ細部ではなく、哲学的、思想的な視点から聞き、県政の骨を探ろうと頑張って思っています。
○副議長(前田八壽彦君)順次答弁を求めます。 藪田くらしの安心局長
○くらしの安心局長(藪田千登世君)では、私のほうから食品添加物につきまして補足の御答弁を申し上げます。
食品添加物には、豆乳を豆腐にかえるにがりのように食品の製造や加工に必要なものとか、またみそやしょうゆ、これはちょっと食品というふうには区別されておりますけれども、化学的につくられました調味料や甘味料のように食品の魅力を増すものなどもございまして、食品添加物を使用しないということも一つの価値観ではございますが、殺菌料や保存料など食品の広域流通や危害防止の観点から使用されているものもございまして、その用途においてさまざまな役割があるところでもございます。
議員も先ほど御指摘にもございましたが、日々の暮らしでは特にウイークデーなど仕事や家事、育児、地域活動と忙しい毎日にできるだけ短い時間で食事をつくりたい、つくらなければならないという制約がある中で、例えば安心して使える調味料があることでむしろ本県の新鮮で豊富な食材をおいしくいただく助けにもなりますし、またそうした食材の使用を促進することにもなるのではないかと考えております。おいしくでき上がれば家族は喜んで食べてくれますし、そうなると鳥取の食材を使ってつくる品数ももう一品ふえるということにもなると思います。
食品添加物の使用基準でございますが、まずさまざまな項目で何十カ月という時間をかけまして、また何十億円という経費も投入して複数の動物で毒性実験を実施した結果とか、あるいは国民からの意見を聞き取りながら、どのくらいの量なら一生食べ続けても害が出ないか、先ほど議員もおっしゃいましたADI、1日摂取許容量と申しますが、これにつきまして国の食品安全委員会が科学的にリスク調査をして行います。またその後、今度は国の薬事・食品衛生審議会におきまして実際にスーパー等で売られている食品を購入し、その中に含まれています食品添加物量を分析するなどして実際の使用基準を設定したものでございます。実際にこの実態につきましては、厚生労働省の調査で毎年確認されているところですが、1日に食べ物を全て足しましてもこのADIの数十分の1とか数百分の1というような程度の量ということをお聞きしております。
本県を初めまして各自治体独自では、こうした安全性そのものにつきまして、このようにして現在示されております科学的知見以上のものを導き出すことは設備や能力の点から非常に困難でございまして、この国が定めた基準で安全性を担保しているところでもございます。
しかしながら、現実に過去には議員おっしゃるとおり発がん性が認められ、使用が禁止された食品添加物もありますことから、国におきましても現在厚生労働省が中心となって許可された添加物の継続的な監視とか、あるいは既存添加物の安全性に関する見直しなども行われているところですが、県といたしましても新たな知見を入所した場合は速やかに国に情報提供をするとともに、絶えず使用基準等の点検とか見直しを行うよう国に提言してまいりたいと考えております。
○副議長(前田八壽彦君)三木市場開拓局長
○市場開拓局長(三木教立君)それでは、補足答弁を申し上げます。
「食のみやこ鳥取県」地産地消プロジェクトについてでございます。 この取り組みは、平成24年6月、11月、そしてことしの7月、計3回既に実施しております。構成メンバーは、JAグループ、それと県漁協、鳥取県地方卸売市場連合会、それといわゆるナショナルブランドと言われる食品メーカー、ソースメーカーとか、お酢のメーカーとか、マヨネーズのメーカー、計9社でございます。取り組みの内容としまして、鳥取県内の農林水産物、ねばりっことかブロッコリー、ミニトマト、それと水産物でいきますとイワガキとかシロイカ、こういうものをつくったメニューを開発してレシピ提案をいたしまして、約1カ月間鳥取県内90店舗で展開するものでございます。結果としまして、ナショナルブランド、こういう企業さんによるポスター、チラシの提出とか県民の皆さんに県内の農林水産物の魅力をPRするとともに、レシピ集で県内の食材を県内外、世界にまでも発信したという取り組みでございます。
先ほど知事が若干申し上げましたけれども、県産農林水産物の販売金額の状況でございますけれども、対前年同月でいきますと第1回目、平成24年の6月でございますけれども、ねばりっこが 215%の伸び、ブロッコリーが 113%、また第2回目はねばりっこが 170%、ハタハタが 141%ということで、同じ月に関してはかなり伸びているということでございます。生産者の皆さんからは、ねばりっこの出荷数量が増加するなど消費拡大につながる取り組みとしてかなり評価しているというお声や、県漁協からはハタハタの南蛮漬けは新しい提案として評価したいと、引き続き協力したいというような声も伺ったところでございます。先ほど若干知事のほうからほかの効果のほうをちょっと申し上げましたけれども、企業のレシピをホームページに載せまして、 100万人の方が閲覧したいというようなこともございますし、県の経費負担というのは予算措置はゼロで行っているというような状況でございます。
皆さんは 教育委員長と教育長の違いをご存知ですか。教育委員長は教育委員会のトップです。教育長は教育委員の1人であり、教育委員会事務局のトップです。橋本徹・大阪市長が教育委員会制度について、様々、議論を提起されていますが、その当否は別として、やはり、教育行政は教育委員長をトップとして動きべきだと思っていますので、私は教育委員長と議論することにしています。鳥取県の教育委員長は鳥の劇場を主宰する中島さんですので、議論が深まると思っています。
○副議長(前田八壽彦君)中島教育委員会委員長
○教育委員会委員長(中島諒人君)食育について、まず私がどう考えるかという御質問だったと思います。
思いますと食育という言葉というのがいつごろから話題に上るようになってきたかなと思うと、大体ここ10年ぐらいなのではないかなと思うのですね。それで私などが子供のころは、衣食住ということで衣も食も住も大事だというふうに習ったかと思うのですが、衣育もないし、住育という言葉もないけれども、しかし、食育だけは何か自立してきたと。それはやはり食べるものこそが私たちの体をつくっていくのだと。やはり食べるということが、別にほかが重要ではないということではないけれども、際立って重要だという意識の大きな変化ではないかなと思います。それでそれは家庭の変化でありますとか、社会の変化、あるいは最近は国際環境の変化というようなことがその危機意識を強くしているのではないかなと思います。
それで食育の意味ということについて私なりに考えてみたのですが、一つは、やはり飽食とも言われるような時代の中で脂肪だとか、あるいは何か肉ばかり食べるだとか、野菜が少ないとか、そういう意味での自己管理のためという部分が一つと、それから今も話にも出ていますが、企業の利潤追求ですとか輸入食品などTPPなどの問題もあると思いますが、などとの関係の中での自己防衛をどうしていくのかというようなこと、それからもう一つは文化の問題ですね。やはり日本の食文化というものがややもすると消えていくのではないかということの中でこれらをどう守っていくか。それから食文化と似たところはありますけれども、地産地消ということをどう考えていくかというようなことの中で食育のメニューが考えていかれるべきことなのだろうなと思います。
それで議員御指摘の教科書の例示ということで、私も少し調べてみました。まず、両論併記ということだったのですけれども、鳥取県東部の中学校で使用されている開隆堂の教科書、これを恐らく議員はごらんになったのではないかと思うのですが、この中では話し合ってみようというコラムのような場面の中で食品添加物についてあなたはどう考えますか、それはなぜですかということに対して、保存のために最小限使うのは仕方ないけれども、見た目をよくするだけの着色はやめてほしいねとか、食品添加物は安全性をきちんと確認して使っているから大丈夫だというような賛成意見とか、なるべく新しいうちに食べるから保存料のないものがいいやとか、健康への影響が心配だからなるべく入っていないものを買うねとか、それこそ両論併記の形で書いてあります。それから中・西部で使っている東京書籍の教科書ですと、できるだけ食品添加物の少ないものを選ぶようにしましょうという書き方がしてあります。
これは高校です。高校はいろいろですけれども、これは県内10校で使っている教科書ですけれども、この中では加工食品のうちパックなどに包装されているものには名称、原材料、食品添加物、アレルギー物質、遺伝子組みかえ食品を含む内容量、消費期限、また賞味期限、保存方法、製造者などが表示されている。その他マークなども確認して購入したいというふうに割とニュートラルな書き方がしてあります。
両論併記というのは、私も個人的には若干でもリスクがあるならば使わないほうがいいのではないかと率直に言って思うところはあります。実際自分が物を買うときでもやはり選んで買います。もう何行にもわたって確かに添加物とかが入っていて、これはどういうことなのだと思うところもあります。やはり大事なことは、議員もおっしゃるとおり自分で考える力を養うというところだと思います。
現場の先生方の一つの実践を御紹介したいのですけれども、例えば手づくりプリンと市販のプリンを比較するというような実験とか、卵を使っているかどうかとか、それから本物のイクラとコピー商品のイクラを比較するとか、あるいは軟化剤が添加された肉と使っていない肉について実際に子供たちに目の前でやってみせて比較してもらうというようなことをやっている、こういう実例もございまして、なるべくこういう実践例をふやしていく中で、大事なことは、やはり子供たちが自分で考えるということだと思うのですね。幾らこういう添加物は危ないですよと言っても、こういうのはどうせ日進月歩でどんどん新しいもの、いろんな加工方法等が出てきますし、いろんな意味で法の目をかいくぐるような形ででもいろんなことというのは起きてきますので、とにかく子供たちに考える力をつくっていく、つけさせていく。そして私たちは、消費者として例えば厚労省の基準がどうのこうのとかというようなことでどこか人任せにせざるを得ない部分もあるかなと思いがちなのですけれども、しかし、私たちは圧倒的に買うか買わないかということで選別ができるのだと思うのですね。そういう選べる知識を子供たちにつけてもらうということを子供たちに目標として教育をやっていくというふうにしなければいけないし、実際今もそういう試みは行われていますので、現場を私たちもどんどん支援していくということにしていきたいなと思っております。
論戦は、壇上での質問での疑問点、問題点につき、自席からする追及質問に移ります。。
○副議長(前田八壽彦君)3番砂場議員
○3番(砂場隆浩君)御答弁ありがとうございました。
まず1点目に、食の安心・安全を「食のみやこ鳥取県」の基礎に置きたいとはっきり知事、御答弁いただきまして、心強く思いました。しっかりとお願いをしたいと思いますし、川瀬さんの言葉に思いをいたしながら地域の食材を使って郷土食を遂行しこうと、地域の生産物を活用して郷土を枉駕したいという思いもベクトルは同じだと思いましたので、そこも安心をいたしました。
そして、その中で東日本大震災以降のこちらのほうの西日本の需要が拡大している点について関連してちょっと1点質問したいと思うのですけれども、11ページの下のところに示しましたのは、福島第一原発が発災した直後の2011年3月11日から1年間使われた暫定の基準値なのですね。WHOの水質基準と比べても30倍あるいは20倍という値であっても許容されていたわけです。事故直後でということでありますし、緊急時ということで国際放射線防護委員会の見解でも問題がないとされております。ですけれども、高い値であることは違いはないと思います。放射性物質が建屋の中に閉じこめられてだんだん希釈されるものだと僕は思っていたのですけれども、ここ皆さん御存じのように地下水、地下の汚染水の漏えい問題で問題が非常に深刻化されています。ちょっと調べてみたのですけれども、報道ですけれども、事件から1年半近くたった昨年の8月ですけれども、東京電力が福島県の南相馬市沖で採取したアイナメから何と2万 5,800ベクレル、キログラム当たりのセシウムが検出されたという記事がありました。余り高過ぎないかな、何か間違いではないかという気もするのですけれども、もしこれが汚染された地下水が大量に流れついた結果、魚の中で凝縮されたものであれば大変なことになるというふうに思います。
私たち会派「かけはし」では、9月の補正予算にあたり、島根原発の地下水対策を中国電力に強く求めるよう会派要望として知事に提出いたしましたが、回答は中電の対応を注視したいというものにとどまっております。先日、原子力規制委員会の担当者にもこの件お話をお伺いしましたが、満足いく答えではありませんでした。今後、中国電力との交渉の中で鳥取県の食を守るという視点から地下水も議論にしていただけたらと思うのですが、いかがでしょうか。
次に、食品添加剤の問題ですけれども、確かに食品添加剤を全部否定するつもりはありません。法を学びし者として、法律で認められても使ってはいけないということを県に求めるわけではありませんけれども、今まさに中島教育委員長が言われましたように、買うか買わないか線引きするかの知識を持った子供たちに育てたいということでありまして、同じことを県の職員の皆さんにも求めたいと思うわけです。レシピの中で食品添加物を全部やってはいけないとは言わないですよ。でもこの同じレシピの中で、同じ会社がつくっている、例えばある調味料は岡山県の海水だけを使ってやっている。あるゴマ油は、食用の天然のゴマ油だけをピュアセレクトしましたよというもので、そういう食品会社についても食品添加剤を使わないものも一生懸命売ろうとしているし、それを会社の前面に出そうとしているケースもあるわけです。であるならばせっかく「食のみやこ鳥取」と言うのであれば同じ食品添加物を使うにしてもできるだけ少なく、そしてできることならばそういうピュアなものを一緒にやっていただければいいのではないかと思うのですけれども、どうでしょうか。
藪田局長の中で言われましたけれども、食品の製造に必ず必要であるかということは非常に疑問があるわけですよ。例えば豆腐はにがりで打つとできる数が少ないけれども、化学薬品使うとその何十倍できる、何百倍できる、そういう経済的なベースが基本にあって使われている食品添加物がたくさんあるということですよね。その食品が食品の製造に要る、本当にそれだけなのかということを考えてほしい。
もう一つは、本当においしいものかということです。川瀬さんがよく言っていたのは、うまみ調味料を使うと舌がだめになるよ、何回も何回も僕に言っていました。科学的知見ということになると少し薄いのですけれども、確かにそういう気はいたします。実験を幾つかの会社がやったデータがありますけれども、うまみ調味料をたくさん入れたほうがおいしいと答えるそういう市民が多くなっていることも確かなのです。そういう意味で安易に食品添加物を入れたらおいしくなるとか、食品の製造のためには必要だという認識だけは改めていただきたいと思うのですけれども、いかがでしょうか。
そしてできるだけ食品添加物を少なくして、本当に知事がおっしゃったように天然がとっても豊かな鳥取の環境がつくり出した本当に安心で安全なものをできる限りそのままの素材として提供していって、できるだけそのまま食べていただくということを前面にできた「食のみやこ鳥取」の市場開拓であったりPRであったりということをお願いしたいと思うのですが、いかがでしょうか。
3点目の食のキャンペーンのことなのですけれども、食のキャンペーン、大手メーカーと組んでやるのがいけないとは思いません。どんどんやられたらいいと思うし、その件もしっかり出ている、そういったことについては高く評価をいたしますけれども、例えばその中で、これは9ページの下に書いてあるのですけれども、その中にこういうクイズがあるのですね。商品名、これは何からできているかなというのがあるのですよ。これは答えはサトウキビが正解なのですけれども、グルタミン酸ソーダはサトウキビからできるのではないですよ。グルタミン酸ナトリウムは、砂糖を絞り取った残渣にグルタミン酸生産菌を使って発酵させるわけです。しかもその発酵過程では、細菌の活動を活発化するため添加剤や硫酸アンモニウムなどの窒素系も加えるのです。しかも発泡を調整する薬剤も投入されるのです。しかもこうして得られるのはグルタミン酸。それに水酸化ナトリウムを加えてナトリウムの塩に結晶したものが初めてグルタミン酸ナトリウムなわけですよ。化学製品です。このクイズは、子供たちはサトウキビが原材料の食品だと思いませんか。私が言っているのは、食の地産地消のキャンペーンをやるなと言っているわけではなくて、やる以上はやはりしっかりと目くばせをしてやってほしいということなのです。
小さいことだというふうに思われるかもしれませんけれども、宮城県知事だった浅野史郎さんがよく取材のときに重箱の隅をつつけ、神は細部に宿るからというふうに言われました。結局小さいところに神は宿っていて、そこに本質があらわれると浅野さんは言いたかったのだと思うのです。ですから私は、県がやるべきことというのは、やはりできる限り食品添加物を少なくする、もっと素材を大切にするというやり方ではないかと思うのです。
例えばふるさと食品の認証制度というのがありますが、これは食品添加物は5つまでにしてくださいと書いてあるわけです。ルール化されているわけですよ。やはり県の担当者は、食品添加物が15も20も入ってほしくないという思いがあったからこういう制度になったと思うのです。例えばこれを5つを3つにするとか、食のサポーター制度というのがあって、これはしっかり応援してくれる人は三つ星サポーターというふうになりますから、例えば全く使わないものであったらふるさと食品の三つ星食品にするとか、何とか添加物が少なくなる方向での政策展開というものはできないのでしょうか、知事のお考えをお聞かせ願いたいと思います。
壇上からの質問に対しての知事への答弁に再質問しました。以下はそれに対する知事らの答弁です。議場ので議論は、こうした質疑の応答で深まって参ります。
○副議長(前田八壽彦君)答弁を求めます。 平井知事
○知事(平井伸治君)(登壇)まず、砂場議員から地下水対策につきましてお尋ねをいただきました。
福島原発の事故がまだ収束し切っておらず、現在地下水の海への流出が問題となっています。非常に残念なことだと思います。議員のほうも多分全員協議会で規制庁の皆さんとの議論をされたのだと思いますが、私どもも同様に規制庁等と今話をさせていただいているところであります。この議場でも今回出てまいりましたけれども、こういう地下水が結局汚染水となって海へ流れ込むということを防止するように我々として今の規制基準に何らか表現できないだろうか、そういうような申し入れをしていきますし、それから当然ながら中国電力に対しても同様のことを申し上げていくということになろうかと思います。いずれにせよ安全・安心を図っていく、そういうようなことをやはり企業側なり国の側できちんと努力をしてもらう、そのことが何より大切であります。今、福島のほうでは、風評被害もありまして、これは非常に微妙な問題で、余り騒ぎ過ぎますと漁業者がさらに困るというちょっと妙な話になっておりますが、ただいずれにせよそうした問題の惹起した原因はやはり原発事故に対する対応の甘さがあったと思います。ですからその反省は生かしていただいて、これからの基準づくりや、あるいは安全対策に生かして盛り込んでいただきたいと、その旨を申し入れていきたいと思います。
次に、食品添加物につきまして何点かお尋ねをいただきました。 この関係につきましては、これはくらしの安心局長のほうからお答えを申し上げたいというふうに思います。
できるだけ安全・安心な食ということを目指してこれからもやっていきたいと思います。
また、食の関係の大手のナショナルブランドとタイアップしたキャンペーン等につきまして、これもまた詳細は市場開拓局長のほうからお話を申し上げたいと思います。
今、実際生産物を売ってもらおうと、我々のほう地産地消を進めようということでやっておったり、あるいは全国や世界に向けてねばりっこや、あるいはイワガキのような素材を売り込んでいこうと。その意味では 100万人もアクセスするようなホームページに名前を出すことは難しいので、いろんな効果はあると思いますが、進め方については当然ながら議場での御議論もいろいろと紹介をさせていただいて関係者とより効果的で適切なキャンペーンの進め方について今後も話し合っていきたいと思います。
○副議長(前田八壽彦君)順次答弁を求めます。 藪田くらしの安心局長
○くらしの安心局長(藪田千登世君)食品添加物につきまして、引き続き追加の補足の御答弁を申し上げます。
先ほど私が申し上げました食品の製造や加工に必要なものということでございましたが、例えば今スーパーなどで売られております食品を見ましてもそういった実態が今そうであるということを御説明したところでもございます。例えばにがりということも先ほど申し上げましたが、ハムやソーセージなど昔から岩塩を使っておりまして、岩塩を使いますとおいしそうな色になって風味がよくなるだけではなくて、食中毒の防止にもなるというようなことが昔からもございました。こうした経験的にずっとかつて昔から使われていたものを安心・安全という観点で使っていくということも引き続きやっていきながら、今、国のほうでもそういったものは既存添加物として指定しておられますけれども、そういった検証も現在なされておられますので、そういった知見を活用していきながら私どもも広域的な流通するものでございますので、引き続き県のほうでもそういった知見を確認しながらやっていきたいと思います。やはり自然のものを生かしていくというのが議員おっしゃるとおり一番だとは思っております。
○副議長(前田八壽彦君)三木市場開拓局長
○市場開拓局長(三木教立君)補足答弁をいたします。
先ほど議員のほうからお話がありました「食のみやこ鳥取県」地産地消プロジェクトでございます。7月1日に明徳小学校でキックオフイベントを行いまして、小学校の生徒5、6年生50名様、保護者と地域住民の方40名様がいらっしゃってキックオフイベントを行いました。イベントでは、県産の食材、ラッキョウとかシロイカの学習を中心に食品メーカーによるクイズも行いました。福部のラッキョウの歴史とラッキョウの漬け方を勉強したり、集魚灯や疑似餌を使った白イシの漁を紹介したりというようなことを行いましたほか、先ほど9社によるクイズを行いました。 議員御指摘の味の素といいますか、グルタミン酸ナトリウムは、サトウキビからできているというような表現でございますけれども、先ほどおっしゃられたようにサトウキビを絞った糖蜜にグルタミン酸生産菌を加えて製造するので、一般的な表現ではないかというふうに思っているところでございます。 なお、イベントに当たっては、市教育委員会や県の教育委員会へ相談してクイズラリーも含めて学校側と協議を重ねて実施しておりまして、教育サイド、学校サイドにも理解されているというふうに理解しているところでございます。また、アンケートでも学校の児童が県産食材に対する理解が深まったということがおっしゃられております。90%の児童が事業を通じて鳥取県の食材に興味を持ったと回答されていますし、また学校の先生方も調味料の存在自体を知ることができたということで答えられております。
もう1点、ふるさと認証食品の添加の話がございました。
現在議員おっしゃられたように、ふるさと認証食品 485商品ございます。 116社ございまして、認証の要件として県産品を利用していること、伝統的な製法でつくられていること、また県独自の技術でつくられていることということがございます。添加物につきましては、極力使用しないことを定義しておりまして、協議会の中では議員おっしゃられたように5品目以内を目安にしているところでございます。このふるさと認証食品の創設の趣旨というところが原材料に県産品を利用すると、要は鳥取県のオリジナルにこだわった商品であるということで、今まで 485商品を認証しているわけですけれども、この添加物によったランク分けということは今のところ考えておりません。
もう1点、食のみやこ三つ星推進サポーターの中で添加物云々かんぬんというのがございました。
食のみやこ推進サポーターというのは、鳥取県の食材や料理、加工品など県産品のよさを積極的にPRしていこうという制度でございます。現在サポーターは 1,047店舗で、三つ星サポーターは12ございます。そもそもこの制度が先ほど申し上げましたように鳥取県産品を自主的にPRしていこうという称号でございまして、添加物の云々で判断する制度設計とはしておりません。今のところ条件は変更、変えるつもりはございませんけれども、例えばみそ、しょうゆは自家製ですよとか、そういう取り組みがあればまた別途PRの手法といいますか、それを検討していきたいというふうに思っているところでございます。
一般質問で議員が質問できるのは5回までです。しかし、今回は、この2回目で時間を使いは果たしてしまいました。勉強が足りぬ、修行が足りぬと反省です。
○副議長(前田八壽彦君)3番砂場議員
○3番(砂場隆浩君)ちゃんと質問に答えていただけないですか。私は、三つ星サポーターの制度説明をしてくれなどと一言も言っていないのですよ。ふるさと認証食品の中でそういうものを厳しくしていって、同じようなふるさと認証食品の三つ星食品をつくったらどうですかと提案したのだけれども、そこのところには一切答えられていないでしょう。
その後にグルタミン酸ナトリウムがサトウキビからつくられたということをいうような質問をすると、子供たちがそうなると化学製品ではなくてサトウキビが原材料の食品だと誤解しませんかと聞いているわけですよ。だからそこはそこでちゃんと答えてほしいですね。事前に準備してきた書面だけ読むのだったら議場でやりとりする必要はなくて、準備書面のやりとりだけでいいですよ。真剣に議論しているのですから、ちゃんと人の話は聞いて答えていただきたいと思います。
それでそれだけではなくて、私がそのところで言いたいのは、ちゃんと県のものだから、せっかく今議論して一番最初のところで「食のみやこ鳥取県」というのは地産地消をしっかりやっていって、鳥取県の豊かな環境で生まれる豊かな食材をちゃんとPRして市場開拓していこうというのであれば、知事がおっしゃったとおり、やり方を少し考えてみたいとおっしゃったように、そういうふうにやってほしいと言っているだけなのですよ。だからキャンペーンはどんどんやってもらったらいいし、それで成果ができているのもわかっているわけです。議場に来るまでの聞き取り調査でも今お二人の局長が言われたことも聞き取り調査で聞いているわけではないですか、何回も御本人から。そうではなくて、今政策的なやりとりをしているところをしっかり聞かせていただけたらありがたいなというふうに思いますので、そこのところは再度の答弁をお願いをしたいと思います。
あと11ページのところに少し書きましたのは、最後にきょうのまとめで言いたかったことなのですけれども、五観の偈というのは禅宗で食前に唱えられる和讃ですけれども、私はそのとおりだと思っていまして、1つ目に書かれているのは「功の多少を計り、彼の来処を量る」とありますけれども、食事が調うまで生産者、調理に携わった人の御苦労に思いをいたして感謝をしながら食べましょう。本当にそのとおりだと思いますし、この最後の5番目「成道の為の故に、今此の食を受く」というのは、非常に重い一文だと思います。道をなすため、私たちここにいる我々であればそれは県民の皆さんのためにしっかりとした県政をやっていくということです。そのため今食事をいただくのだよということです。本当に重い一文だと思いますが、私たちはこれを心に刻んでこの議場で議論をしなければならないと思いますし、執行部の皆さんにもそういう思いでやっていただきたいと思います。
小説家の水上勉さんが「土を喰う日々」という本を書かれていて、僕好きな本なのですけれども、この中で水上さんは、道元禅師の「典座教訓」というのを何度も引用されているのですね。菜っぱの一皿を粗末に扱い、牛乳を使う高級料理をつくるといって大喜びしてはならない。何事にも執着してはならぬ。物によって心を変え、人によって言葉をかえてはならぬなどという言葉を紹介しつつ、水上さんは、1日3回あるいは2回どうしても食わねばならぬ厄介な僕らのこの行事、つまり食らうということについての調理の時間は実はその人の全人生がかかっている一大事だと言われている気がするのであると述懐されています。私もそのとおりだと思うのですね。
教育委員長にお願いしたいのは、宗教教育をやれとか、禅宗の本を読めと言っているわけではないのです。だけれども、一つはこうした食を使った意味で、本当にいろんなものを教育の場面で使うことができるのではないかというふうに思います。教育委員長がおっしゃったように、ただ衣食住の中の食か大事であるということではなくて、そこから広がって本当に子供たちの心を豊かにしていく、そして物に感謝をする、そして食べ物一つ一つは、それにたくさんの人がかかわって、働いていただき、流通して、調理をしてくれるお父さんやお母さんたちがいて初めて食べられるのだという感謝の気持ちなども、教育の中で食育として全県で教えるような教育が小・中・高校で展開すれば、それが本当に「食のみやこ鳥取県」になるのだと思いますけれども、どうでしょうか、そこの御感想をお伺いください。
最後に、知事にもう一回確認をさせていただきたいと思いますのは、やはり「食のみやこ鳥取県」の基本理念は今、きょうの答弁の中で一番最初に言われたことはそのとおりだと思いますので、やはり地産地消を大事にする、鳥取の環境を大事にする、そして、できるだけ自然を大切にするということだと思いますので、そこの点を改めてお願いをしたいと思いますし、コメントがあればいただきたいと思います。
実は本当はきょうは国際認証とか呼称制度など市場開拓の話をしたかったのですけれども、その前段で終わってしまいました。次回も「食のみやこ鳥取県」をテーマに質問をしたいと思いますけれども、またよろしくおつき合いをしたいと思います。では、答弁をお願いします。
9月議会の一般質問も、これで最後です。質問の持ち時間は議員1人あたり25分です。今回も時間がたりなくなってしまいました。本当に質問戦は難しいですね。ご意見、ご批判をいただければ幸いです。
○副議長(前田八壽彦君)答弁を求めます。平井知事
○知事(平井伸治君)(登壇)砂場議員から重ねてのお尋ねをいただきました。
先ほどのキャンペーンに際してのクイズの出し方等、さっきも申しましたけれども、ここの議場での御議論も踏まえて適切に効果的にキャンペーンができるようにこれから関係者とも話をしてまいりたいというふうに思います。
そういう意味で、誤解がないような表現をクイズ等でやることも一つの工夫だと思います。今回実は多分初めてそういうのを担当レベルでいろんな会社と打ち合わせをしてやったのだと思いますが、例えば水産関係がお魚のことを一生懸命解説をします。また、もちろん野菜とかの解説もあります。そういうときにコーナーとして参加した、要は広告代を払って参加してくれている企業さんがそれぞれにクイズをつくられて競作のクイズをやったということでありました。その内容等、またこれからもいろんな御意見も入れて適切に運用していくようにさせていただきたいと思います。
また、そうした新しい何かハイレベルの地産地消といいますか、ハイレベルの認証制度、これもいろいろちょっとハードルを上げ過ぎますと今度なかなか乗ってくるところがいなくなったり、逆に落とされるところが文句を言ったりするという難しさがありまして厄介なのですけれども、ちょっと御意見を承りましたので、検討をさせていただいて、何がしか制度的に反映できるかどうか考えていきたいというふうに思います。
先ほど来御議論がありますように、やはり食というのは生きることそのものだろうと思います。議員のほうから道元禅師のお話、「典座教訓」のお話がございました。水上勉もそうでありますけれども、私も実は福井県赴任したことがありまして、永平寺があります。道元禅師のもとでございまして、雲水さんという修行僧がみずから、もちろん坊さんでありまして、男の人なのですけれども、若いお兄ちゃんたちが、修行の一環なのですね、食事をつくり、それを自分たちで食す。その基本というのは、身の回りのものを食べるということであります。それが飽きが来ないようにいろいろと工夫をしながらやっている。その心得の中心が「典座教訓」であるというふうに言われているわけであります。
よく言われる身土不二という言葉があります。この身と土とは二つならずということでございます。これは地産地消のいわば教則のように言われるわけでありまして、地元のものを食べる。それが健康に生きていく、その秘訣といいますか、心得なのだよということです。実はこれはもとは仏教のほうの言葉から来るわけですね。仏教のほうでは、身土不二という呼び方をどうもしているようでありますが、地域の環境の中で生かされていく、生きていくというそういうことであります。こういうようなわけでありまして、私たちはこの豊かな自然ととも生きる特権を持った鳥取県の住民でありまして、それを生かして食のみやこをつくり上げていく。それは不断の努力が必要だと思いますし、いろんな工夫やチャレンジがあっていいと思います。そういう意味でまずは健康というものを第一に置きながら、安全・安心でおいしいそういう食から地域を起こしていく方向性を追求してまいりたいと思います。
○副議長(前田八壽彦君)中島教育委員会委員長
○教育委員会委員長(中島諒人君)食の意味についてということだと思います。
人間の基本的な欲求の中で食欲があったり、あと睡眠だとかいろんな欲求がありますけれども、その後のはみんな人目に隠れてというか、するのですね。それでただ、食だけが人と一緒に朗らかにするということになっていて、やはり食というのは非常に動物的に体を維持するというだけではなくて、文化の問題であるということが非常に一つは大きいのかなと思います。
それでやはりこのグローバル化の中で私たちがこの地域に生きるということを改めて子供たちに知ってもらい、もちろん安心・安全ということは大前提としながら、そういうことを知ってもらう。それから先ほど議員もおっしゃったように、やはりいろんな関係性の中でこの食という行為があり、食という時間があるのだということ、いろんな子供たちに考えさせるための非常にいい機会だと思うのですね。先ほどの繰り返しになりますけれども、メディアリテラシーなどと同じように、やはり自分で考えて自分にとって必要なものを選んでいくということを考えるためにも非常に食というのは有効な機会だと思いますので、教育の中での一つの多くのことが交わるハブのようなポイントとして食ということを位置づけて子供たちの学びのきっかけにしていくということは非常に重要なことではないかなと考えます。