すなば たかひろ

「元気で人に優しい鳥取」を取り戻すため、県議になった元新聞記者の挑戦記。みんなで鳥取の未来像を考えましょう!

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「水俣病救済救済申請締め切り」。この国に政治はないのか

2012年08月01日 | 日記

 水俣病被害者救済法にもとずく救済策の申請が昨日、締め切られた。この国に政治はあるのだろうかと思わざるを得ません。

 民主、自民、公明の三党合意で成立した同法は「あたう限りの救済」を掲げてはいますが、居住地域や年齢で対象者を限定しています。チッソ水俣工場が流した有機水銀は不知火海全域に拡散していきましたので、水俣の対岸で発症してもおかしくはないし、水俣から出荷した魚介類を食べていた人にも発祥の可能性はあります。また、有機水銀の排水を止めても、海底に有機水銀は堆積していました。そこの微生物や微細生物を食べた魚介類を食べれば当然発症するのですら、年齢制限もおかしいと思うのです。

 そして、私が何よりおかしいと思うのは、救済申請に期限があることです。1956年の水俣病公式確認から半世紀以上が経ちました。認定患者は約3000人。そして、今回の申請は約5万8000人です。この差が物語るものを考えたいと思います。私は記者時代、京都水俣病訴訟を取材させていただきました。この訴訟は京都の弁護士たちが、偏見や差別を恐れ、水俣出身であることを隠していた人たちを1人、1人見つけて原告団を組織して提訴したものです。「胎児性水俣病への恐れから結婚を断られるという悲劇的なケースが相次いだことから、水俣出身であることを隠した」と話して下さいった原告の方も居られました。

 今回、申請された方の中には、そうした苦しい思いを抱いていた方も少なくないと思いますし、申請をためらっているうちに期限が来てしまったという方もおられるのではないでしょうか。そもそも、申請に期限が必要なのかと思います。「いつまでも救済業務を続けられない」というのが期限を設けた理由とされていますが、これは事務作業をする行政サイドからの見方でしかないと思います。最後のお一人まで、しっかりと救済するのが本来の在り方ではないでしょうか。そして、そうした救済策を政府が実行してくれるから、私たちは税金を納めているのです。国民が困ったときに手を差し伸べないのであれば、そんな政治はいりません。

 いつも国民のそばにあって、一番弱い立場の人を支えるのが政治と思いますし、わたしはそんな政治を実現したいと思っています。それだけに、今回の申請打ち切りには怒りを覚えます。

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