すなば たかひろ

「元気で人に優しい鳥取」を取り戻すため、県議になった元新聞記者の挑戦記。みんなで鳥取の未来像を考えましょう!

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選挙運動(4) 雪窟に落ちて、選挙に落ちず

2011年04月26日 | 日記

今回の県議選の告示日のことです。

前日の雪が嘘のような晴天に恵まれ、街宣活動へ元気に出発しました。この日は4月1日、そう、エープリルフールです。まあ、僕の選挙の告示日らしいやと思いつつ、「砂場です、砂場です。立候補の御挨拶に上がりました」と連呼していました。手を振ってくれる人があれば、選挙カーから降りて、握手を求め、順調に選挙戦が始まったかに思えました。

山間部に入るとまだまだ沿道には雪がしっかりと残っていました。ある集落近くの畑で、年配のご夫婦が手を振ってくださいました。道路から畑までは約2メートルの落差があり、道路から畠まで雪に覆われている坂道か、階段のような斜面がありましたので、僕は喜んで、この坂道を走って下ろうとしたのですが、3歩ほど進んだ瞬間、目の前が真っ白になってしまいました。

そう、雪が覆った坂道ではなく、みんな雪の坂道だったんです。しかも、雪が溶けていて、表面こそ坂道のようになっていましたが、その中は空洞だったのです。その上を走ったものですから、もちろん、雪を踏み破って雪の空洞に落ちてしまったのです。下は水をたくさん含んだ畠でしたので、怪我はしませんでした。

いっしょに街宣をしていた両川市議が、助けに来てくださり、雪窟から這い出ることはできしたが、靴は中まで、びしょびしょで、スーツも汚れましたが、おしぼりで拭いてると、アナウンス係りのMさんがすかざすマイクで話します。

「有権者のみなさん、雪の中に落ちるようなユニークな候補者です。忘れないでください。投票してやってください。すなば、すなば、すなばたかひろです」

これには、畑のご夫妻も、私も、両川市議も、みんな大爆笑でした。

ところが、ところが、翌朝、目を覚ますと腰に激痛が走りました。湿布薬を貼り、選挙カーに乗ったのですが、痛みは日々、増すばかり。4日の昼には我慢が出来なくなり、病院に駆け込みました。事情を医師に説明すると、看護師さんともども、大爆笑です。レントゲンで撮影すると言われ、出来上がったX線写真を見ながら診断となりました。

「骨には異常がありませんね。筋肉を痛められたんですね。安静が一番です」

「無理です。9日までは選挙期間なんです。なんとか治してください」

「治すのは無理ですよ。安静が一番の治療なのに、12時間も車に乗りっぱなし。しかも、何回も乗り降りするんでしょう。それでは治りません」

「では治せとは言いません。6日間だけ、持たせてください」

「分かりました。では痛み止めの注射をして、痛み止めの飲み薬を出します。車の乗り降りは極力控えてくださいね」

「はい。よろしくお願いします」

そんな会話の後、腰に注射を打っていただくと、痛みが薄れ、市内に飛び出して行きました。ところが、痛みが薄れたことから、今まで通り、有権者を見つけると車から降りて走っていき、握手を繰り返していると、その翌々日の夕には、また、激痛が走り、額には冷や汗が滲むようになりました。それで、また、病院へ。お医者さんが聞きます。

「無理をしましたね」

「はい」と首をうなだれる私。

「無理をするなと言っても無理でしょうね。注射を2本打ちます。違う薬です。それと、痛み止めは座薬に変えます。胃に悪い薬なので胃のお薬も出します。でも、選挙後、最悪の場合、入院ということになるかもしれませんよ」

「ええ、でも、先生、私にとって最悪は入院ではなく、落選なんです。悔いのない選挙をしたいんです」

「わかりました。また、痛くなったら、注射に来てください。それと、コルセットを出しますので、付けてください」

というわけで、腰とお尻に筋肉注射をされ、何とか選挙運動を続けることができました。

今も、腰には鈍痛が残っていますが、もう、鎮痛剤は飲んでいません。みなさん、どうか、雪の坂道にはご注意ください。中は空洞化もしれませんよ。

 

 

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