選挙運動の中心は、選挙カーでの街頭宣伝になります。
東日本大震災のことを思うと、選挙運動をどうしようかと悩みました。ガソリン不足の報道も多く、車の中で凍死された方も出ました。
大きなジャンボタクシーを使い、何人もの運動員を載せ、しかも、先導車に後続車と何台も車を連ねて走るような感覚は私には理解できません。中にはジャンボタクシーの車体に、被災地支援を訴える文言を張り付けた候補者もおられましたが、「表面だけで心がない」と白々しく思えました。
もちろん、私がガソリンを節約してもたかがしれていますが、それでも、何かしないといけなと思い悩んだ末、選んだのがスイフトという小さな乗用車です。ですから車に乗っているは応援してくれる議員さん、ウグイス嬢と呼ばれる女性、運転手をかってでてくれた友人のTさん、それに私の4人だけです。ただ、観光大使を務めるブラックバッファローさんが大阪プロレスの仲間を連れてきてくれた時だけは、後続車を出して乗ってもらいました。
選挙期間中、すれ違った選挙カーでは、ベテラン議員の何人かが、普通の乗用車をお使いでした。私と同じ思いだったのかもしれません。政治家にはデリカシーが必要です。党派は違いますが、このような同じ思いの先輩議員がおられることはありがたいことですし、本来、そういう感覚を持つべき若い候補者たちの方が、大きな車にたくさん運動員を載せ、何台も車を連ねていたことは残念に思います。
ですが、この小さなスイフト、本当に小回りが効くんです。路地裏までスイスイ入ります。農道もへっちゃらです。選挙にはむしろ効果的かもしれません。それと、狭い分、車内の一体感も強いんです。加えて、「砂場さん、手作り選挙で金がないんなら、私の車を使いんさい」と申し出てくれた人もあり、温かい人情も感じることができました。
両川市議は、ずっと選挙を応援してくれているウグイス嬢のMさんとペアで応援に駆け付けてくれたんですが、この2人が大爆笑なんです。用瀬で休憩した時、「両さん、お腹減ったでしょう。はい、餌」とMさんが、両川さんに、バナナを渡したんです。すると両川さんは怒るどころか、チンパンジーの真似をして受け取ったんです。この真似がすごく似ているんです。私は、その様子を見て大爆笑。両川さんの顔を見るたび、失礼とは思いますが、思い出しては笑みがこぼれ、これには、とても困りました。
両川さんはヘビースモーカーなんですが、さすがに選挙カーの中では、プカプカという訳にはいきません。それで、2時間もすると、「Mちゃん、トイレは大丈夫か」「少し休憩せんでええか」と優しい言葉をかけます。すると、運転手をしてくれているTさんも、すかさず、「両川先生、この近くにコンビニがありますよ」と言います。コンビニに付くと、Tさんは携帯用灰皿を持って車外へ。そうなんです。実はTさんもヘビースモーカーだったんです。2人で美味しそうに煙草をふかしていました。