深み。

GITANESを吸いながらの最期になるのだろうか。
それとは無関係に・・・。


元総理大臣の宮沢喜一氏が死去。
人前で英字新聞を読む態度が気に入らないとか、
難しい局面での舵取りをいろいろと失敗したとか、
色々言われた人物だが、昔ナカソネという人が首相退任の際、
竹下、安倍（父）、宮沢の三氏の誰かに後継者指名して
次の総理大臣が誕生するという場面で（どうして後継者指名なんか
が許されるのか未だに理解できないが）、私は密かに宮沢氏を
応援していた。
人格や勢力の大きさなどよりも、彼が政権を担当する方が
色々と理解しやすいのではないかと思ったからである。
多分、自己の論理の破綻や矛盾を恐れるタイプで、
その推測が当たっているなら、何か重大な問題があっても
適格な言葉で説明責任を果たすのではないか　と考えたからである。

また、後の短い首相在任期間を終えたあとにも、経済閣僚として
内閣に復帰した時には、プライドが高そうだったのに（首相経験者が
一般閣僚になるなんて）よくまあ決断したものだと感じた。


以下引用
」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」
nikkan sports


　「少し休ませてもらう」。宮沢喜一元首相は２８日、付き添いの女性に
「最後の言葉」を掛けて、床に就いたまま帰らぬ人になった。

　おいの宮沢洋一衆院議員（自民党）ら関係者によると、元首相は２８日
午前に自宅で往診の医師の診察を受けた。その後、眠っている間に心臓が
止まっていた。同日朝も新聞に目を通し、周囲の人が休むように言うと
「もう少し読む」と政治、経済などへの衰えない関心を示した。

　最近は体力が落ちていたが寝たきりというわけではなく、１週間前には
自宅近くの代々木公園に車いすで出掛けたこともあった。洋一氏が最後に
言葉を交わした際には「自民党がしっかりしなければいけない」と参院選
を気に掛けている様子だったという。

」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」

報道によると、老衰による死去　となっている。

私は、老衰で死ぬ当日まで新聞が読める　という自信がない。
そして、
「少し休ませてもらう」という最期の言葉を残すこともないだろう。
これはそれこそ言葉通り「ちょっと眠りたかっただけ」の表現だったのかも
しれないが、凄い深みを感じてしまう。

私はどんな言葉を遺すのだろうか。


「背中かゆい。」とか
「ポカリスウェット誰が飲んだ？！」なんて言葉だったら
死んでも死にきれないなあ。