the other side of SmokyGitanesCafe
それとは無関係に・・・。
 



GITANESの地元、セーヌ川は汚いらしい。
それとは無関係に・・・。

以前住んでいたところの近所には、噂話が好きで
周囲にあまりよく思われていないAという人がいた。
よく話しかけに来てくれるおっさんなのだが
私にはサービス精神の欠片もないから、これ以上ないほど
適当な相槌を打つ程度に対応していた。

どこで聞きつけてきたのか、私が近距離引っ越しを予定していて
それがどのあたりなのかまでAさんは把握していた。
田舎ネットワークの恐ろしさでもあるが、吹けば飛ぶような
おっさんなので別に気にもしなかった。
ところが、その転居先付近にはBさんという、A旧知の
おばちゃんが住んでいて、
A曰く「あの人はちょっと如何なものかねえ」
とBさんを評していた。Bさんについての
噂話を超越するようなアレコレを、立ち話で喋っていた。

『よくつきあいもない私にBさんの噂話をするオマエ(A)の
方がいかがなものかねえ。それも引っ越し先の近所に
困ったヤツがいるなんてこと言うかねえ』と思っていた。

予定通り引っ越しをした。
BさんはAさんが言うほどの困った人ではなかった。
たしかに私の家について、詮索とは言わないがいろいろ興味が
あり、下手すると距離なしご近所になってしまう危険性も
垣間見えたが、引っ越ししてくる人間がどんなヤツだろうと
考えるのは自然のことだし、いくら距離なし人間だとしても
私が突出した不愛想男なので、まったく距離は縮まらない。

私が「第2616話」で大活躍しているとき、つまり
熱中症と闘いながら草刈りをしているをしているときに
Bさんはそれをブロック塀越しに見つけ、なにかと話しかけて
くる。
「ああ、こんにちは!」と少々大きい声で返事する。これは、
私の声が聞き取りにくいというゆるぎない評判があるから、
聞き直されるのも面倒くさいのでわざと聞き取りやすく返事
しているだけのこと。社交的な訳ではない。
で、あいさつが終わったらもうそれいいではないかとこっちは
思うのだが、Bさんにすればそうでもないようで、いろいろと
話しかけてくる。
でも私としては炎天下に命がけで草刈りをしている訳だから
会話なんかしたくないのだ。ついでに言うと、炎天下でなくても
春夏秋冬立ち話なんかする気がない。
おまけに草刈り機の爆音がなっているし、耳に突っ込んだイヤホン
からはドヴォルザーク交響曲9番第4楽章の爆音が鳴っている。
Bさんがいくら何を仰ってもまったく聞こえないのだ。
いや、草刈り機を止めてイヤホンを外したらいくらでも聞こえる
んだが、それでは作業が長引いて熱中症で死ぬ危険性もある。
これでは世にも稀な「立ち話が長すぎて熱中症で死んだ哀れな
噂話好き男」と断定されてしまい、おまけに死んでしまった
もんだからそれに反論もできない。
だからBさんへの対応は
「ああ、こんにちは!見ての通り草刈りやってんねん!Bさんは
何?散歩?あ、水分摂らないと死ぬで!ホンマやで!ほら水か何か
飲まないと!あ、オレも飲まんと死ぬわ!ちょっと飲んでこよう!
じゃあ!!」
と立ち去る。所要時間1分未満。

一旦家に入り本当に水分摂取し、レースのカーテン越しに目を
細めながらBさんは立ち去ったのかと確認し、しばらくして
やっと草刈りを再開する・という当たり障りのないものにした。
いや当たり障りがあり過ぎてどうしようもないケースなのかも
しれないが、何度も言うがこっちは命がけなのだから
仕方ない。


ところで、なんと今でもAさんはBさんの家にたまに来ている。
Bさんの家の草刈りや植木の剪定などの手伝いにやってくるのだ。
それで余所ではあれこれ悪口めいたことを喋っているんだから
もうよくわからない。やはりAさんともBさんともあまり関わらない
方がいいようだ。


で、ここからやっと皆さんが気になっている展開になる。
「タイトルのキュウリはどうなったんや?」である。

昨日インターホンが鳴り、モニターを見てみたらBさんだった。
「あら、奥さんはいないのね?」と言われた。
丁度家人がいたから対応はバトンタッチした。

「何の用だった?」
「キュウリ、どっさり貰った」
Bさんは家庭菜園でいろいろ作っているようだ。
んん、なんでや急に。んんんん、要らんけどなあ
が正直な感想である。ご近所付き合いの一環だろうが
実はその日、スーパーでキュウリがちょっと安かったから
買ったところだったのだ。
「キュウリ増えたなあ」
「お供えみたいになってきたなあ」

その直後、お隣のYさん(無類の良い人)が大量の
キュウリの浅漬けを持ってきてくれた。これがまたいつも美味い。
「キュウリ増えたなあ」
「お盆でもないけどなあ」



と、キュウリが急に増えたことを書きたかったのだが
前置きの話が予想外に長くなってしまって、もうキュウリの
ことを書く根気が尽きた。
ちなみに私はキュウリが好きでも嫌いでもない。






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