the other side of SmokyGitanesCafe
それとは無関係に・・・。
 





GITANESの煙が一瞬作る奇跡の造形に似て。
それとは無関係に・・・。

ガソリンスタンドには2種類あって(いや他に
種類があるのかも知れないが)、セルフ給油所と
フルサービス給油所である。また、セルフと言っても
無人給油所ではなくて「有人セルフ給油所」だ。

前にも書いたが、私は意地でも「フルサービス」の
ガソリンスタンドで給油する。行きつけのスタンドが
営業していない場合は、他のフルサービス給油所を
探しまくって吸油する。セルフ給油所には行かない。
なぜかと言うと、私が不器用だからだ。セルフを使ったら
おそらく辺り一面を油の海にしてしまうだろう。
そこまでには至らなくても、クルマのボディは油
だらけになるに違いない。少なくとも手は汚す。
服も汚す。時間がかかって、待っている人から
顰蹙を買うことだけは間違いない。
行かないから操作方法もわからないままだ。
そして、そんなこと覚えたくない。


自宅の至近距離にもフルサービスの給油所が
あり、職場近くにもフルサービスの給油所が
ある。だからそれほど不自由しない。

しばらく前に、職場近くの給油所ではスタッフが
増えたようだ。
眼鏡をかけた丸顔の、そこそこ若い男性。
社内教育のなせる業か彼自身の為人か
どんどん愛想がよくなっていく。受け答えも
直すところがない。
ところがこの彼は、窓ガラス拭きが恐ろしく
下手なのである。
 雑巾を駆使して、フロントガラス右の方の汚れを
左の方へ移動させ、左の方の汚れは右へ持っていく。
下の方の汚れを中央付近に寄せていき、上の方の
汚れは右へ、右は左へ左は下へ、下はセンターへ
センターは上へ。
ガラス面の汚れは、複雑な軌跡を描きながら
消えることなく移動する。汚れが減らない・
なくならない。
彼がどのような基準で手を止めるのかは知らないが
拭き始める前と汚れの総量はほぼ変わっていない
のではないだろうか。
その作業を6面のガラスすべてに施す。
まるで新入りの坊主が「おいお前やってみろ」と
突然言われて枯山水を描いたところを
地底から眺めているような、苦情や注文をつける
雰囲気でもない感じに仕上がる。
 また、同時期から見かけるようになった女性スタッフは
この男性よりもぶっ飛んでいて、汚れをぐるぐると
ガラス面を縦横無尽に引き摺りまわすのは同じだが
ものすごく途中で(例えばガラス面の真ん中とか)
突然作業を終える。
端から初めて端で終わるもんだ・なんて思いこみを
軽く超越する。

この給油所にはベテランスタッフも数人いて
この人たちの窓ふきは完璧だ。きれいになる。
おまけに
「そちらから御覧になって、拭き残しはございませんか?」
などと訊かれる。
ない。拭き残しがない。

一方、前出の二人は拭き残しどころか
キレイな部分がまったくない。ガラス全体が
スモーキー。すりガラス。型ガラスになる。
だから「拭き残しはございませんか?」と
彼らに訊かれたことはない。

だから運悪く彼らの担当に当たってしまったとき
窓ふきを断ることにしているのだが、もっと運悪く
断れなかった場合、そしてその上
「拭き残しはございませんか?」と尋ねられたら
どうしようか・と思案する。

現在のところ、気の利いた返し方はまだ
思いついていない。



コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )