エッセイ  - 麗しの磐梯 -

「心豊かな日々」をテーマに、エッセイやスケッチを楽しみ、こころ穏やかに生活したい。

雪降りに 宇吉郎を思う

2007-01-07 | 日々の生活
 昨日は暦の上では「小雪」、暮れに積もった雪も道路が見え始めたが、今朝はしばらくぶりに雪がしんしんと降っている。昨日の雨が明け方から雪に変わり、天気予報ではしばらく降り続き大雪になると言う。
 犬は現金だ。もう15年になるおばあちゃんだが、今朝の散歩は、昨日の調子の悪いのはどこへ行ったのか、率先して駆け回っていた。雪がよほど嬉しいのだ。

 いつか石川県加賀市にある「中谷宇吉郎雪の科学館」で中谷宇吉郎の世界を垣間見た.
それまで宇吉郎について学ぶ機会がなかったが、見学を機に「中谷宇吉郎随筆集」を求め読んだ。彼に多大な感化を与えた恩師、寺田寅彦の追憶の文章からは、同時に二人の自然観、科学観を学ぶことができた。
 「雪は天から送られた手紙である」と言った宇吉郎は、雪について、
「何時までも舞い落ちてくる雪を仰いでいると、いつのまにか自分の身体が静かに空に浮き上がっていくような錯覚が起きてくる。」と書いている。
 今朝は、久しぶりの雪にまさにそんな体験をした。私は大好きな雪景色にどれほどこころ癒されたか知れない。
 書棚から中谷宇吉郎随筆集を取りだした。もう一度大きな感動に浸りたいと思っている。