エッセイ  - 麗しの磐梯 -

「心豊かな日々」をテーマに、エッセイやスケッチを楽しみ、こころ穏やかに生活したい。

坂下の春 

2019-03-28 | 日々の生活

春休みの1日、孫の面倒を見た。

ママも休み、誘われて会津坂下の「子育てふれあい交流センター」へ。

この町の施設は、新鶴へ行く際見ていた金上小学校跡だった。

金上小学校・幼稚園は5年前にが閉校になり、記念碑が建っていた。

ときどき家族で行っていたらしく、孫は勝手知ったる遊び場だ。

立派な、ゆとりある施設、数組の子ども連れのママたちが遊びに来ていた。

小一時間,充実したキッズコーナーで遊んだ。ゆう君、すずちゃんは、ママ、ばーちゃんと一緒に遊べて満足したようだ。

  

校歌作詞者は俳人の水原秋桜子,記念品ケースに自筆の校歌と写真が飾ってあった。

彼と坂下はどんな関わりがあったのだろうか。

  

遊んでいる間、旧小学校の周囲を巡り、早春の田の畦を歩いた。

 

 

 

 

街中でお昼を済ませ、途中、中央乳業のアイスクリームをいただいた。

 

店の前に摩丸い実があちこち散らばっていた。 スズカケノキだろう。大きな新芽が吹いていた。

 

 

道の駅の裏の河川敷にも立ち寄って遊んだ。

のんびりした温かい春の1日を過ごした。          (2019.2.28)


不思議なつぼみ

2019-03-28 | 自然観察

 

先日、筒咲きタンポポが気になって滝沢峠を昇った。

長原あたりの土手にセイヨウタンポポが開いていた。

  

 流れの際にショウジョウバカマが咲き始めた。

   

         

ウスバシロの森、林床にムラサキケマンが新芽を拡げていた。

昨年、一昨年と、筒咲きタンポポを見つけたの土手、大きなロゼットの葉が枯れ、中央につぼみのような物を見つけた。

 

多少小さめのもあるが、ちょっと変な形だ。枯れたロゼットはタンポポに見えるが、何だろうか? 楽しみだ。

  オニノノゲシ

 ミヤマカワラハンノキ?

最近コケにも目が向くようになった。  

 

まだまだ春は浅い。

 

 

 


行政への要望・提言

2019-03-28 | 日々の生活

   

              「木炭庵ひろば」 手前が水質浄化施設                     炭焼き工程施設

            

年度末のこの時期、日頃心配している自然環境の保全について、関わる行政に要望や提言を聞いてもらっている。

河川事務所はW所長さんが転勤とのこと、忙しいところをお邪魔した。

ヒメシロチョウ生息地の草刈りに協力していただいた。お礼がてら今後のことをお願いした。要望3件

・ウマノスズクサの保護(ジャコウアゲハの保護)について
・ヒメシロチョウ生息地へ「立て看板」の設置について
・ヒメシロチョウ観察会について

今回の訪問で、河川事務所の管轄る施設「木炭庵ひろば」を知った。

川の木を炭西にリサイクルし,出来た炭で水質浄化する施設だ。

帰路、土手の様子ながら、この炭焼き,水質浄化施設を見て回った。

今後、観察会とあわせた利用を考えてみた。

土手には野草が萌え始めていた。

去年刈り残したツルフジバカマの枯れたツルをよけると、数センチに伸びた新芽を見つけた。

  ツルフジバカマ萌え

 

刈り残した部分にはびっしとヒメオドリコソウが生えていて驚いた。周囲の環境による植生の変化はすごい。

刈り残しの周囲にセイタカアワダチソウの枯れた茎が残っているところもあった。

少し芽吹きの早いのはスズメノエンドウやヤハズグサだろうか。

また、土手にはエゾタンポポが数輪咲きはじめていた。

  

 

河畔で、ダイサギ、ツグミ、カルガモにカメラを向けた。

 

  

  

この春はヒメシロチョウ春型の発生を心配している。何度か通うことになるだろう。

明日からは、建設事務所や教育委員会等へ自然環境保全に関わる要望・提言を届ける予定。


早春の里山に 元気をもらう

2019-03-26 | エッセイ

雪が消え、柔らかい陽に包まれたフキノトウが淡く黄緑色に輝いていた。

待ちかねた季節に誘われ、ほころび始めたマンサクを撮りに里山を巡った。

例年楽しみにしている、浅い春の我が風物詩だ。

マンサクの語源は、早春に咲くことから、東北地方の訛り「まんず咲く」から来ていると言われる。

マンサクは、前年の葉の付け根から短い花序を出して開花、真っ赤なガクの内側と、

ねじれたリボンのような花弁や雄しべの黄色とのコントラストが何とも不思議な美しさを漂わせている。

魅力的なマンサクだが、サクラと同様、花の季節を過ぎるとあまり関心を持たなかった。

今度、花が咲き終わった後の芽吹きや葉、秋の実や種についても観察してみたいと思っている。

今、冬の眠りから覚めた里山の自然界では、生あるものすべての喜びが聞こえてくるようだ。

体調を気遣う日々だが、これからも自然から元気をもらい、感謝しながら過ごしていきたいと思っている。

 

  

 

 (参)マンサクを撮る  ヒメシロチョウの蛹   2019-03-13 | 自然観察


清々しい春の雪

2019-03-24 | 日々の生活

夜半に目覚め、少し寝過ごした。

カーテンを開けると、一面季節外れの銀世界だ。

カメラを持って庭へ飛び出した。

寒くはない。

朝日に風化が舞い散る。

春の雪に覆われた木々が美しい。

  

 

  

 

桐の木の風花舞い散る春の朝 



今朝のテレビから

「さわやか自然百景」は冬の美瑛

「小さな旅」は山形・長井線の風景・・・途中で見たことがあったことを思い出した。再放送のようだ。

静かな、すがすがしい日曜、一日の始まりだ。

 

 

 

 


春浅い柳津

2019-03-22 | 日々の生活

こんなに春めいたお彼岸はない。でも,会津に春を告げる彼岸獅子を見に出かける意欲が湧かなかった。

明日は気圧配置は冬型に戻り、寒くなるらしい。

温かい内にと,八田野へ。

  

  

  初チョウ キタテハ 

 さらに、マンサク、ヒュウガミヅキ、サンシュを鑑賞した。

   

        

  新芽:マンサクの枝だが少し黄色い

     

     ニホンミツバチ?

    

    シジュウカラ

その後のショウジョウバカマの様子を見に出かけた。

おぼつく脚で、すっかり雪の消えた林を歩く。

数輪、短い茎を伸ばし紫色の花がほころび始めていた。

      

 

   春の小川     初ハナアブ

最近興味を抱いた地衣類 

   

 

夕方、Hideちゃんへお線香をあげに伺う。

多少疲れが出ていたが、帰りに柳津温泉に浸かる。

福寿草を撮りたかったが、陽も落ち始め花もつぼみ始めていた。

   

    我が家

 疲れたが、充実した彼岸のお中日を過ごした。 感謝!感謝!       (2019.3.21)


彼岸

2019-03-21 | 日々の生活

昨日、豊岡に参った。地面はモミジの枯れ葉に覆われていた。

祖父母、両親、伯父叔母を想いながら線香を手向けた。

平成の時代が終わる。過ぎる平成の半分は病に苦しめられ、あまりいい年ではなかった。

ほどなく改元となる。喜寿を越えてからは、これまでとは違う老化を覚えている。

平穏な新元号を過ごしたいと思う。

  

 

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テレビ、朝9時から2時間のドキュメンタリー番組「」毎日がアンコール!」を視聴した。

初めて小田和正を知った。彼の顔も、曲も一つも知らなかった。

おれは一体何をして何をしていたのだろうか。自問した。

興味がなかったと言えばそれまでだろうが、不思議だ。

昔、オフコースだったことも知らなかった。

取り巻く周囲のスタッフ、ファンに支えられ活動する彼を見つめた。

人気の理由が分かったような気がした。

数々の挿入歌、その歌詞の一つ一つが心に染みた。

知らないことが多すぎる。知らなかったことが多すぎる。

これから柳津のHideちゃんに線香を上あげに伺う。

 


家に戻りました。

2019-03-20 | 健康

 

数え切れないほどの入退院を繰り返してきた。

何度も生かされて、十数年はなんとか平穏な日々を送ってきた。

昨年夏の突然の入院も、神に一命を取り留めて頂いた。

今回の短期入院、部品交換は決まっていだが、いろいろな思いが去来して、いつになく沈んだ。

病院での生活はいつも辛い。今後も定期的に繰り返せざるを得ないことに、一層気が滅入る。

食事が取れず,点滴を見つめながらの寝たきりの入院生活を恨むが、その都度、健康を取り戻してきた。

だからこそ、今の小さな幸せ、平穏な年月があるとつくづく思う。

取りあえず、短期間で退院の喜びに浸っている。

家族の心配はいつも自分以上だ。感謝以外の何もない。

早くに沈んだ気持ちを振り払い、また徐々に里山を巡リたい。

お彼岸、墓参りして再出発だ。

 

庭の芽吹き

トキソウ ミスミソウ

クリスマスローズ ボケ

サンシュ ヒメシロチョウ間近

 ユキヤナギ膨らむ

 アズマイチゲ一輪

ニオイウチワ 

 

(*)しばらく分からなかった花、ニオイウチワ と判明

以前のブログを遡り検索した。 ようやく見つけた2008-04-08のブログ「早春の花」

             blog.goo.ne.jp/tosimatu_1946/e/666d944e8135fb166811bd6c3f43769b/?st=1

『この春一番に暖かくなった庭を一巡りした。
 気に掛けないでいたにニオイウチワが細い枝に可憐な花を付けていた。そういえば、2、3年前に細い苗を買って植えたが、初めて咲いた花は想像を超える美しさだ。     ジンチョウゲのような高貴な、いつか嗅いだことのあるような高級香水の香りがした。枝に付けたままの説明書きを読むと、名前は品種により翼果を付け、その形に由来するとある。 まだ4,50センチだが、1~1.5㍍くらいの木になるらしい。』とあった。


  


春の雪   しばらくブログ休みます。

2019-03-15 | 日々の生活

冬へ逆戻り。昨日の朝は、約20cmの積雪,激しい吹雪の中を診察に向かう。

 裏庭 サンシュ

 

最近物忘れが激しい。昨日は行き先だって診察券がない。先日は図書館へ向かうも利用カードが見つからない。

他にもいろいろ紛失することが多くなった。困ったものだ。

昨日の雪はほとんど消えたが、今朝もうっすら雪化粧だ。

 

お彼岸近くなるが,いろいろ心配事がある。

今朝の新聞の生まれ月による運勢欄には「神経の疲れと注意力減退が大ミスを誘う。体調の整備を。」とある。

図星だ。その通りだと思った。

昨夜も発熱、体調は良くない。昨日の検診結果も良くなかった。

前から決まっていたことだが、しばらく入院することになった。

またシーズンが始まる。早くに退院し、元気に里山を巡りたいと思っている。


マンサクを撮る  ヒメシロチョウの蛹

2019-03-13 | 自然観察

マンサクを撮りに出かけた。何度目か、マンサクに興味が湧いた。

「マンサク」は早春に咲くことから、東北地方で訛った「まんず咲く」からとの説もある。

フキノトウが顔を出し始めた。ヒュウガミズキは未だ早いようだ。

 ヒュウガミズキ

 

  

  

 

前年の葉の付け根から短い花序を出し開花。見事だ。

一つの花にはがく、ひも状のよじれた花弁を4枚、4個ある雄蕊や仮雄蕊、2本の花柱を持つ雌蕊を観察した。

花の時期以外は、あまり関心を持たなかったが、

花のあとの芽吹きから、実や種ができるまでを観察してみたいと思っている。

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庭の雪囲いを外した。ヒメシロチョウの蛹も無事だ。

  

  

 

 


 賢治の世界 人々の幸せ

2019-03-13 | エッセイ

 

 「全世界の人々が幸福にならないうちは、個人の幸福はあり得ない。」

これは尊敬する宮沢賢治の重く深い、崇高な言葉だ。

世界各地で続いている武力や経済紛争を思う。

人類の歴史は争いの歴史と言われるが、それは、人間の本性に起因しているのかも知れない。

飢餓や貧困、食糧難、核やテロなどの課題、さらには、環境破壊や地球温暖化など地球規模の問題、日常の生活上のトラブルまで、

すべては人間の我慾、愚かさによるものと考えざるを得ない。 

ときどき、賢治の心に響く詩 『雨ニモマケズ』を声を出して読んでいる。

そこにはそうありたい愛情に満ちた人間像がある。

「ヨクハナク ケッシテイカラズ イツモシヅカニワラッテヰル」

「ミンナニデクノボウトヨバレ ホメラレモセズ クニモサレズ」

「サウイフモノニ ワタシハ ナリタイ」  

人間が皆、この素晴らしいデクノボウであれば、個人も、世界中の人々も幸せになれるのではないだろうか。

 


ウメほころぶ

2019-03-11 | 日々の生活

ラジオ深夜便1時台に朗読を聞いた。

朗読は仙台短編文学賞受賞作品 「あわいの花火」だ。

今日は3.11、東日本大震災から8年になる。

未曾有未の大災害にはいろいろな運命があった。

地震発生の午後2時46分、手を合わせ黙祷、これまでの思いが去来した。

 

浜通りを低気圧が通過した。会津は一日中本格的雨降り。

午前中に出された暴風警報が,午後は注意報に。

本郷時代に絵付けした花瓶、Iwaさんが手折って持ってきてくれたウメが咲き始めた。

我が家の梅は未だ堅い。   

  

 

  雨の庭にサンシュウのつぼみを撮った。

風防室のランも膨らんだ。   君子蘭も花芽が見え始めた。嬉しい。

 

 

 

 


雪が舞う 寒い1日

2019-03-08 | 日々の生活

                          【輝くシデコブシ  花は4月中旬】

温かいアノラックダウンにスノー帽、凍える手で庭に春を探す。

みーちゃんの裏にフキノトウを見つけた。

クリスマスローズの花芽が膨らんできた。 ジンチョウゲ、スイセンも寒々しい。

 

 


地衣類について

2019-03-07 | 自然観察

 

短大のサクラに付くウメノキゴケ、気にするとあちこちに見られる。

滝沢峠の岩の上に地衣類らしきものが付いていた。

里山を巡っても木々を点検すると、いろいろな地衣類やコケに気づいた。

少し調べてみた。

・菌類と藻類とが共生してできた植物群。

・外形はさまざまで,その形により,樹状地衣,葉状地衣,痂状(かじょう)地衣の三つに分けられる。

・全世界に分布し,約2万種。などとある。

普段あまり関心を持たなかったが、手元にある図鑑にも結構載っていた。

以下は、最近見た地衣類らしきもの。 なかなか同定が難しそうだ。

  

 

      

 

◎弱った木に多い印象を受けるし、先日,ウメノキゴケに覆われた短大のサクラが枯れてしまうのではないかと心配していた。

          参: ウメノキゴケ 2019-03-02
            blog.goo.ne.jp/tosimatu_1946/e/d4ad488c3e8266670a9d793fc5549048

下の1文を見つけ、多少安心している。

『菌糸は樹皮の表面近くにとどまっていて内部に進入することはなく、

ヤドリギのように樹皮から栄養を吸収することもしない。

地衣の豊かな森林は、土壌が栄養に富むとされており、

地衣類は逆に森林土壌の栄養価を高めるのに一翼を担っているともいえる。』

地衣類は独立栄養生物ですから,きのこのように樹木から栄養を取ることはありません.

枯れた枝などは葉がないために光がよく当たり,そのために地衣類が良く生育し,

より目立つので,地衣類が着くと樹木が枯れるということが言われるようになりました.

一方,地衣類が作る固有の化学物質(地衣成分)は,抗菌作用や植物生長抑制作用を持っています.

地衣類に覆われた樹木は抗菌物質で被覆されているので、物理的にも化学的な見地からも樹木にとっては有害菌や有害きのこから保護されていると考えられます.

しかし,ツツジやサツキのように細い枝では植物生長抑制作用によって生長が抑えられたり,枯れてしまうことがあります.


コハクチョウの北帰行

2019-03-06 | エッセイ

                         笹山浜近くのお気に入りの原野で 定点鑑賞

 

ハクチョウの北帰行が始まった

しばらく過ごした磐梯山を背に舞うコハクチョウたちはどんな思いだろうか。

崎川浜ではしばらく湖水に浮かぶハクチョウを見ていない。

今日も崎川浜には水鳥たちはいなかった。湖までの田でコハクチョウの集団を見た。

赤井から 崎川浜で 

 

翁島まで足を延ばした。翁島の田には、コハクチョウたちが間もなく別れを惜しむように群れていた。

  

  

 

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昔の別れの感激を思い浮かべた。今その面影はなく残念だった。

 

以下は《同じ時期の、エッセイ》 

2018年  愛おしハクチョウ 感動の湖水清々し 

  快晴の猪苗代湖・崎川浜に水鳥を訪ねた。

 蒼い湖水に浮かぶ真白な会津嶺が、凛として神々しく聳え、静寂にコハクチョウの鳴き交う声が響いていた。

 描いた数葉のスケッチに、感動を添えた。

 『磐梯を讃える』   厳寒の大自然を前に 立ち尽くすしあわせ 凍える顔、手、指先

          景色を構成するものわずか 雪の原、湖水、磐梯、水鳥、 松の緑 すべてうるわし すがすがし 

          対岸の山々 湖に浮かび コハクチョウ 列をなし 静かに流れる 

                     大自然の使者よ お前たちは素晴らしい この静寂に しばしやすらぎ、遊べ 生きている喜びを 共にせん

                   全身に 豊かなる大自然 涙あふるる静寂 青き磐梯 うるわし ありがたし  

 感動に震えながら、どこまでも清らかな湖水を後にした。

 

2015年 水鳥の北帰行 別れ切なし 

  穏やかな春の陽に誘われて、すでに北帰行の始まった水鳥たちとの別れに猪苗代湖へ向かった。

長浜にはすでにコハクチョウの姿はなく、すっかり少なくなった水鳥たちが浜辺で憩っていた。

オナガガモより渡りが遅いのか、キンクロハジロやスズガモが目立ち、スマートなユリカモメも飛んでいた。

崎川浜へ回ると、未だ20羽くらいのコハクチョウが叫び合いながら漂っていた。

水草を食べているのだろう、さかんに潜って逆立ちをしていた。

誰もいない湖岸の砂浜に真っ白なコハクチョウの羽毛が風に揺れていた。

ふと、函館の浜辺に蟹とたわむれた啄木の心境が浮かんで、急に寂しくなった。

そして、大自然に一人佇むこのちっぽけな人生を思った。

しばし憩った猪苗代の水辺を離れ、いま北へ帰る純粋無垢な水鳥たちが愛おしくてならなかった。

大自然の使者よ、有り難う!お前たちに何度救われたことだろう。

湖に浮かぶ秀峰磐梯が眩しく輝き、感動の景色が広がっていた。


2014年  愛おしい水鳥と ほどなくお別れ

 気温は氷点下だが、風も無く穏やかに晴れ渡った午後、久しぶりに雪の猪苗代湖畔の崎川浜に水鳥を訪ねた。

厳しかった冬ともほどなくお別れ、そこここに、春の息吹が感じられるこの時期は、北へ帰る水鳥たちとの別れの季節でもある。

湖水に近づくと、静寂に「コーウ コーウ」と鳴き交うコハクチョウの切ない声が聞こえてきた。

湖水に浮かぶ磐梯、透き通る水に淡い春の陽が揺らめき、数百羽のコハクチョウ、オナガガモが憩う。

この純粋無垢な大自然のいのちはあまりに清楚で美しかった。

こんなに美しい世界が何処にあるだろうか。

今、彼女たちは北へ帰るときを感じていた。

ときどき羽ばたきし、集団で飛び立っては旋回、着水を繰り返していた。

今年も切ない別れの季節を前に、美しく愛おしく清らかな彼女たちの姿、大自然のすばらしさに震えた。

厳寒に眺める磐梯は、今日も筆舌に尽くしがたく麗しかった。

 

2013年 大自然に生かされる幸せ 

冬晴れの朝、猪苗代の崎川浜に水鳥たちを訪ねた。

凍てつく寒気にひとり立ち、どこまでも清らかな湖水、そこに憩う汚れなき水鳥たちを見つめていると、心からの感動を覚えた。

コハクチョウやオナガガモが厳寒の湖水に漂い、あるいは湖岸の雪に横たわり叫び合っていた。

彼女たちは何を思い何を語らうのか。

紺碧の湖水に浮かぶ凛々しい磐梯を仰ぎ、この美しい純真ないのちと一緒に生かされている一個の人間を思うと、涙があふれた。

また、この日初めて蜃気楼を見ることが出来た。

遠く湖南の雪の山並みと紺碧の湖水の境界に見えた揺らぎは、確かに蜃気楼に違いなかった。

この山紫水明の大自然に、また不思議な勇気をもらうことが出来た。

今年も自然を友にして心を遊ばせ、生かされている幸せに感謝しながら過ごしたいと思っている。

水鳥たちの北帰行までには、孫たちにもこの感動を味わって欲しいと思っている。

 

2012年 初めて出会った金色のコハクチョウ

今年も、厳しい冬を越した水鳥たちの北帰行も終わりに近づいた。

先日、お別れに猪苗代湖を訪ねた折りに、なんと金色のコハクチョウに出会った。数十年も観察しているが初めてだった。

その日は3.11、波間にただよい輝く黄金の使者が、なにか大震災の復興の兆しにも思えて嬉しくなった。 

その後、ネットの画像掲示板で尋ねるとすぐにコメントが届いた。

夢を壊すようで申し訳ないですが、と前置きがあり、鉄分が多い水が流れ込んでいる田んぼや池などで採食していて、色が染みついたのではないかと。

納得のいく回答に、謎が解けたと思った。 

首を突っ込み、逆立ちをして浅瀬の水草を探す姿や、豪快にしぶきを上げて湖水を飛び立つコハクチョウに慰められた。

いつも沢山の感動を貰っている純粋無垢な水鳥たちの無事の北帰行を祈った。

”しらとりはかなしからずや海の青 空の青にも染まずただよう”

別れはいつも切なくかなしいものだ。

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