としぼうの釣り日記

育児の合間に、ポツリポツリと釣りに行ってます・・・って書いてるけど、全然ですわ

高速船の事故に乗り合わせ・・・

2007-05-20 13:00:51 | Weblog
 【冒頭の写真は海水と共に一階客席ゾーンに降り注いだガラス片です。厚さは1.5cmくらい。】

 大島でのイサキ釣り&バーベキューを終え帰路につく(オリジナルのチケットは運賃払い戻し・・・全額ではなく2500円だけでしたが・・・の際に回収されちゃった)。僕の指定座席は43番、一階部分右舷第二ブロック5-6列目あたり(被害のあったブロックを第一と勝手に定義してます)。


疲れもあり、出航後ほとんど船中全員が睡眠。中には靴を脱いだり・・・。私は長靴履きっぱなし。


                      
      
                  
      

 突然ンッ!と前のめりになる衝撃で目を覚ますと、席の左斜め前方のガラス窓を突き破って海水がドーーーンと来る瞬間が見えました。同時にシッパーーーン!なんて音もしてたかも。つんのめった感覚が戻るとエンジン音無く、周りの人も状況が理解できていないので意外と一瞬の静寂があった気がします。自分自身もまーーーたく、いったい何が起きたのが理解できず、「足下に前から水が来たなぁ」なんて普通に思ったり。「ここは下だぁ、上に行かないとマズい」との仲間の声でハッと我に返り、あわてて2階部分に避難しました(その段階で上に逃げたのは数人だけ)。

 2階に上がるとみんなキョトンと(話を聞くと下の状況がまったく見えていないから急ブレーキ・緊急停止くらいにか思わなかったらしい)。
一番後ろの人と話をすると「斜め下に体が向いた気がした」、「荷物の棚が天井にぶつかり動いた、あれが倒れたら上でも棚の前のが危なかった」。

 しばらくすると状況説明

「波にぶつかった。その際に障害物との衝突時に作動する安全装置が働いて緊急停止。窓が破れて浸水。船の構造自体沈没しないようになっているので心配ない。排水作業やってる」

 下から顔から血をダラだら垂れ流した被害者達が下から運ばれてくる。多少ざわついたが、意外とパニック状態には陥らず、みんな席におとなしく着いたまま。

 一階に下りてみると、くるぶしの上くらいまで水が溜まり、全員ライフジャケットを着けていた。後部ブロックの半分くらいは千葉から来た中学生、とんだ研修旅行になったものだ(途中寄港地の久里浜から千葉へフェリーで帰るために、大島で研修旅行を終えて、この高速船に乗っていた)。一部新聞にはライフジャケットは全員と報道されているが、実際は一階部分の乗客のみ。中には汚物入れに用意された紙袋に時々刻々と状況をメモする人も居たな。たぶんこんなことを考えていたんだろーね。

 再び2階で待機。

「まもなく運行再開します。負傷者の治療のために一番近い港に行きます。久里浜です(・・・予定とかわんないけど)」

 三崎港とか間口港のほうが近い気もしたけど・・・。

 ま、それはいいや。

ちょっと信じられなかったことは

「早く行くために船を浮かせた高速モードに入ります。床に座っている人は姿勢を低くして」

 高速船でかなり怖い思いをした人々をさらに高速モードで運ぶ!!しかも、一階の席は足下水浸しで、流されたゴミでグッチャぐちゃだし・・・。第一窓ガラス無いんだけど・・・。どうやって吹き込む風を防いでいたのか?NHKの映像見ると何にも貼ったりしてなかったよなぁ(下の写真は久里浜で撮りました)。


 途中で携帯が通じ、妻と話す


「考えられない事故が起こり、帰り着く時間が読めない。あっ、それと帰ったら意地でもイサキの刺身造るから」


 久里浜に着くまでまた何かあるんじゃ無いかとドキドキ、こんどは横波で倒れるとか、また突っ込むとか・・・とにかく僕のなかでは高速船に対する信用は無くなってたね。

 久里浜港に着き、ホーーーーッと一息。まずは救急隊員が乗りこみ負傷者から救出。空にはヘリコプターが数機。

 下に行くと靴を流され失った人が多いことに気がつく。足下にはガラス片散乱してるし、素足じゃ歩けない。今回は不精して出発時から長靴で通していたために浸水時も平気だったけど、多くの人は海水で靴ぐちゃっり(特に補償の申し出も無かったようですが)。荷物を流された人も多く、乗務員の人がずぶ濡れになりながら探しておりました。無くなったヤツって排水作業時にどっか行っちゃたんだろうね



(ちなみにこの写真、20日付け毎日新聞朝刊一面に採用、上空からの写真にも下船後の僕たちの姿が映ってる)


 久里浜港で一旦待機

 「ここからタクシーで帰されるんですかねー」なんて話をしてたのですが・・・、

                    

色は違えどほぼ同型の高速船が用意され、乗り換えと。

もうこんな船いやー」という人もいたんですぞ>東海汽船さん

 とにかく高速船で恐怖心持った人を高速船で運ぶのは止めていただきたい。万が一もう一度何かあったら全員PTSD一直線って感じです。

 基本的に事故った船と同じ番号に座るということでしたが、久里浜で下船する人もいた関係から少し2階席に空きが。もちろん上に人気集中。一階はがーらガラ
 当然、先頭のゾーンはだーれも座りません。

 出港し、しばらく走っていると日没となり、
「安全上高速モードは不可となり、通常の船の速度になります。竹芝到着は20時20分です」とアナウンス。

 速度80km/h→18km/h

 今度は遅すぎ・・・。いつになったら帰れることやら。

 一応言ってた時間通りに竹芝到着。報道陣が待ち受けるなかを下船。
毎日新聞の記者さんから話を聞かれ、船内で撮った写真を提供。

 とくにアナウンスは聞こえなかったんだけど、ロビーでチケットの払い戻しをやってた。気がつかず、帰ったひとも居たんじゃないかなー。物品を失った人は代替品を買って、領収書で処理すると。ある人がタクシーチケットを要求したけど却下、でもタクシー乗り場で社員にくれって言ったらあっさりとくれたけど

 そんなこんなで、それから約束していた人に魚を届けたりして、家に着いたのは22時。

ドッと疲れが出て、魚は下処理しただけ。イサキはなんとか塩焼きで食べてバタンキュー

 来年から大島は往復 かめりあ号で行くしかないよね。ちょっと高速船はいいや。

--------------------------------
東海汽船のwebに掲載した謝罪文



なぜ?HPのトップページに貼らないんだ?

【5/23追記】
 昨日(5/22)からトップからリンクされました。
【11/29追記】
 いつのまにか謝罪文が軽くなってた

【12/6追記】
 船長書類送検

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7 コメント

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TBありがとうございます (LIVINねこ)
2007-05-22 06:09:03
 事故にあわれたジェットフォイルに乗り合わせていたのはとんだ災難に遭遇しましたね。

 >大島は往復 かめりあ号で行くしかないよね。
 マイルが貯まるANA航空便もありますよ。

 話は変わりますが、こちらのブログは釣りとお子様の事と映画を取り上げられておりますね。
 映画「フラガール」ご覧になりましたか。
 べたな映画ですが、いろいろと考えさせられる作品です。
返信する
同じく乗船者のレポ (釣月)
2007-06-01 09:18:56
《乗船者体験談》
東海汽船 ジェットB(愛) 大島⇒東京 5月19日 16:35発 に乗船して

久しぶりに、大島へ行った、三原山へのハイキングと温泉が目的。
帰路(5/19)このアクシデントに遭遇。
約200名の乗客中、27人の怪我人が発生。
私達は偶然無事であったが、楽しい旅行の最後に凄まじい経験をした。
事故は人災か天災かは別にして、その後の対処が非常に大切だと思う。
その意味で、今回の東海汽船の危機管理はまことに劣悪なものであった。
以下実際に体験した内容を報告する。

高速ジェット船が浮上走行中の事故である。
まるで飛行機が墜落するがごとく、突然前触れもなく、いきなり海面に突っ込んだのである。
私達の席は二階の右舷後部窓側で走行中は海面より約4メートル上となる。
時速70キロでの墜落であるから、そのショックは凄まじいものがあった。
一瞬二階の窓も海水で覆われ、一階では厚さ1センチ以上ある強化ガラスが破砕したのである。
クルーの一人が一階船室へ降り、その後、怪我人発生・・浸水中・・と、大声で報告するのを聞いたときは、沈没二文字が脳裏に浮かんだ。
波浪は高く停止した平底高速艇は激浪にもてあそばれ、生きた心地も無かった。
全身ずぶ濡れで血まみれの乗客が水浸しの一階から上へ運ばれてくる、耳や額から血が滴り、止血するにもガーゼや包帯が無く、ただタオルで押さえるしか出来ない。
何人かの方はずぶ濡れで、すでに救命胴衣を着用、エアーも入った状態で居られる。

以下、問題点を列挙する。

1)ガーゼ、包帯、三角巾等の基本的救急セットを搭載していない、カットバンしか無かった、皆でタオル等を供出、傷を押さえるしか対応できず。
2)船舶無線で事故状況を的確に陸上の救急隊に報告していなかった。
久里浜入港後、到着した救急車はわずか一台、救急隊の手で負傷者の数の確認が行われ、新たに救急車を要請するしまつであった。
事故現場から久里浜までは約30分以上かかったのであるから、十分確認と通報の時間は有ったはずである。

3)代船収容後、後日後遺症等の発症が懸念され、その際の連絡先等確認すれど(分かりましたの言葉だけで)一切船中での連絡無く、靴・着衣等水に濡れたり破損した個人所有の物件に対する状況の確認も無かった。
4)上陸後、そのまま流れ解散。   これで良いのだろうか?

5/21現在、船舶側の女性従業員より電話有り、ご迷惑お掛けし申し訳ない旨、用件は(高速料金の2,500円郵送返金しますので、住所氏名再確認させて下さい)との由、今後鞭打ち症とかの後遺症が出た場合如何しますか?の問いに、(上司と相談して再度電話します)が回答、その後連絡先を知らせる電話有り。

事故に対する対応って、こんなものなのだろうか?
返信する
その後 (釣月)
2007-06-07 15:19:39
その後、何の連絡も無くあの事故も自然に忘れられていくのでしょうね。今になって思い出すのですが、6~7ヶ月と思われる妊婦の方が乗船されておりましたが、無事だった事とお祈り申し上げます。今後あの船には妊婦&幼児は乗船不可とした方がよろしいと思います。船内設備はかなり老朽化しており、あの事故のさい、妻がぶつかった前のシートはそのまま前に折れて何のつっかえにもなりませんでしたし、細いシートベルトで腹部を圧迫された妊婦の方が心配です。東海汽船様におかれましては、少なくとも、救急箱の点検と通報訓練位は実施したのでしょうね?夜8時を過ぎての航行は低速でと初めから分かっているのに、同型ジェットフォイルで乗客を運んだのはなぜなのでしょう、高波の恐れがある海域を高速走行出来ない平底船で進むのは最悪の経験でした。
釣り船のほうがよっぽど快適だと思われました。もう東海汽船に愚痴は言いません、二度と乗りませんから。
返信する
東海汽船よりのメール (釣月)
2007-06-09 13:51:53
《東海汽船よりメールが入りましたのでご報告申し上げます》


釣月様
日頃ご愛顧を賜りありがとうございます。
私は、東海汽船お客様係の宮田と申します。
この度は、弊社ジェット船セブンアイランド愛の事故により多大なご迷惑をおかけ致しました。誠に申し訳ございません。 また、5/24に釣月様のメールを受信、拝読いたしておりましたが、今までお返事をする事が出来ずすみませんでした。 釣月様にはその後お身体や当日のお手回り品に不具合等はございませんか。
さて、メールに提起されております問題点についてご説明、ご回答申し上げます。
事故の原因については、現在所管海上保安部並びにメーカーで調査中でまだ判明しておりませんが、
事故の状況は釣月様のご覧頂いたとおりです。
弊社にとりましても前例のない(国内の同型船で波浪によるガラスの破砕は初のケース)事故であり、
また大量の海水流入も想定になく充分な事故対策は施しておりませんでした。
1)救急医療用品は法令の定める量は搭載しておりましたが絶対量が足りませんでした。
2)救急隊の要請の不備は、これは私が現場におり対応させていただきました。
  救急車の複数台出動は身動きの出来ない重症患者数に拠るようで、当日もこの点を確認されました。
  本船からは、既に10名を超える負傷者発生の報告を受けておりましたが、
  救急隊との話で次々に増車するとの約束でまず1台先行させるという対応になりました。
  この場合、「動けない人」の有無より現場の状況の凄惨さを正しく伝達できていれば
  より正しい対応が出来たはずで現場担当者として反省をしております。
3)4)負傷者の搬出以後の対応は久里浜港でも、代船船内でも行き届いていなかったようで申し訳ございません。
   船員も陸上の避難訓練のような繰練という非常時訓練を行っておるのですが現実に起こった事故には
   全く対応できませんでした。
   私自身もそうでしたが、負傷者に気を取られてしまい、久里浜港から皆様を送り出した後に、今後のご案内をしなかったことに気づきました。事故後には負傷されたお客様はもとより、幸いにも負傷されなかったお客様方から対応の不備についてのお叱りを多数頂きました。
東京港では皆様に運賃の一部払い戻しと今後の補償についてのご案内をする体制をどうにか整えたのですが、また、船内で充分お伝えする時間があったのですが、結果として出来ず皆様を誘導することが出来ませんでした。そのため、後日お電話での対応となりましたが、職員の気配り、言葉も足らずご不快な思いをお掛けしました。
ご提示された問題点については、当時は以上のとおりで弁明の余地はありません。重ね重ね申し訳ございませんでした。
次に、事故後の対策として、この事故を教訓に再発防止と災害時対応についての取り組みをご説明いたします。 まず、ハード面では現在国土交通省の指導を受け前面の窓ガラスには防護用のプレートを付け飛散防止対策等を施す修理作業を本日現在も行っております。
船内救急医療品については、搭載量を増やし対応いたします。定員が260名の船ですので全員分の搭載は難しいのですが必要数を検証し用意する所存です。
 ソフト面では、旅客船らしいお客様のケアを常に念頭において行動できるような社員教育も実施したいと考えています。
 また、会社として事故発生時の緊急体制を検証し、より的確な、かつ迅速な対応が取れるような体制作りを進めて参ります。
安全運航の確保が最優先であることは変わりありませんが、今後は模擬訓練なども取り入れ、万一事故発生の折には被害を最小限にとどめるための技術的な習熟も図りたいと考えています。
弊社が、20名を超える負傷者を出したのは近年では記憶にない事でその分、怪我の軽重を問わず重大事故と認識しております。 負傷されたお客様には1日も早いご快癒をお祈りし、またお怪我のなかったお客様には、再び伊豆諸島へお出かけいただけるように
安全運航や旅客船事業者としてのホスピタリティの向上等で信頼回復に努めたいと考えておりますので何卒ご支援のほどお願い申し上げます。
末筆ではございますが、釣月様の貴重なご意見に感謝申し上げ、皆様のご健勝をご祈念申し上げます。
事故関連と思われる不調、不具合等はお申し出を承りますのでご心配な点がございましたらご連絡願います。
お返事が遅れましたことを重ねてお詫び申し上げます。
ありがとうございました。
東海汽船㈱旅客課長 宮田茂樹
返信する
東海汽船事故その後 (釣月)
2007-07-29 11:56:43
**********************************************************************
◆超高速ジェット船船体の一部改造について (東海汽船よりの報告)
**********************************************************************
◇5月19日に超高速ジェット船セブンアイランド愛が予期せぬ波浪による海面
への突入事故を起こしました。
弊社ではこの事故を受け、全力で再発防止に努めておりますが、今般セブンアイ
ランド愛・夢・虹の3隻とも1階席前面にありました6枚の強化窓ガラスを強力な
鉄板にてすべて覆い被せ、既に定期航路の運航に就いております。
1階席前側をご利用のお客様にはご不便をお掛けいたしますが、安心してご乗船
いただけますので、何卒ご理解くださいますよう、よろしくお願いいたします。

。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
(以下、報告書に対する返信内容)

私は今回の事故を体験するまで知りませんでしたが、貴社におかれましては、同型船が世界中で色々な事故を起こしているのは当然ご存知だと思います。

貴社より、上記の様なご連絡をいただきましたが、基本的に事故の再発に対策が施されたのでは無く、同じ事故が発生するとの前提に立っての、問題のすり替えではありませんか?
それならば、妊産婦、幼児の乗船を禁止するべきではありませんか?
貴社の対応を全く理解する事が出来ません。

すでに生産中止となっている、この軍用に開発された ジェットフォイルは、民間用としては、決して安全な交通手段ではない分けですから、従来の船舶のマニュアルではなく、航空機に準ずる安全対策マニュアルと船員の訓練が必要と思います。
それが不可能なら即刻運行を中止するべきだと思います。

今後同様の事故が発生した場合、それは事故ではなく犯罪です。
事故体験者
返信する
Unknown (1階の乗客さん)
2008-01-12 18:04:47

中学生じゃなくて、高校生です
まぁ、なりたてで、中学生に見えてもしかたないですけど

返信する
あっ、ゴメーェ~ん (としぼう)
2008-01-13 00:59:29
そうだったんだ、ゴメンねぇ~。
こんなことあったから、学校ではやっぱ恒例行事(・・・だったと勝手に想像)とはいえ中止
返信する

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