小品日録

ふと目にした光景(写真)や短篇などの「小品」を気の向くままに。

チェーホフ 「ケースに入った男」

2006-10-12 21:09:29 | 小説
中学教師が、狩猟仲間の獣医に語る、同僚のギリシャ語教師の話。

そのギリシャ語教師は、自分をケースに入れて外界から守っているような感じの男であって、「禁止」を好み、「許可」を恐れており、周囲に気詰まりな思いをもたらしていた。
バリアの作り方の徹底ぶりが滑稽です。
ところが、何と、このケースに入った男に結婚話がもちあがったというのですが、果たしてどうなることか・・・。

ケース男はあまりにも極端ですが、自分にもそういう要素があると思うと、笑いが苦くなってきます。
現代社会にこそ当てはまりそうな短編小説です。

「チェーホフ 短篇と手紙」(みすず書房)で、25ページ。

チェーホフ 短篇と手紙

みすず書房

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整然と雑然

2006-10-10 23:53:21 | 写真
斜光線に、整然としたビルの一角が浮かび上がっています。
そして、その片隅には、「大売出し」ののぼりとともに、雑然と段ボールに入れられた商品が置かれて、好対照をなしていました。
(取手にて)


BESSA-R2M ・ COLOR-SKOPAR 35mm/F2.5 ・ PROVIA100F
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黒猫一匹

2006-10-09 23:47:06 | 写真
秋晴れとなった上野公園は、大勢の人でにぎわっていました。
そんな中、芝刈りの終わった噴水池のまわりを、一匹の黒猫が悠々と闊歩していました。
何だか、自由を満喫している姿を見せつけられたような気がします。

(持ってたレンズの中で一番長いのが50mmで、しかも近づけなかったので、こんな小さくしか撮れませんでしたが、わかりますか?)


BESSA-R2M ・ HELIAR classic 50mm/F2.0 ・ PROVIA100F
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金子光晴 「寂しさの歌」

2006-10-07 22:21:48 | 
「どつからしみ出してくるんだ。この寂しさのやつは。」

と始まるこの詩は、終戦の3ヶ月ほど前に書かれたもので、日本という国の「寂しさ」を露わにしています。
長々と描き出される「寂しさ」は、哀しいほどに当たっています。
そして、それは、今も残り続けているものといえるでしょう。

少し前に、山崎ナオコーラが、新聞の土曜版コラム(「指先からソーダ」)で、この詩が好きで、高校生の頃(?)、将来の夢は「日本脱出」だった、ということを書いていて、うなづけました。

「美しい国、日本」なんてマヤカシはやめて、この詩を教科書にでも載せてみたらどうでしょうか?

岩波文庫、集英社文庫などで。

金子光晴詩集

岩波書店

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向こう側の未来

2006-10-04 23:02:49 | 写真


BESSA-R2M ・ Biogon T* 2.8/25mm ・ PROVIA100F
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過ぎゆく時間

2006-10-01 23:49:37 | 写真
この週末は、疲れ気味で、あまり出かける元気もありませんでした。
というわけで、少し前に撮った写真から。

これらのモノたちを見ていると、容赦なく過ぎてゆく時間の残酷さというようなことを感じます。
しかしながら、それでもなお(だからこそ?)、レンズを向けさせる存在感を持っています。

モノに染み込んで蓄積された時間が、我が身に過ぎゆく時間を思い起こさせるからでしょうか?



BESSA-R2M ・ Biogon T* 2.8/25mm ・ PROVIA100F
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