こんな本を読んでいる

日々出版される本の洪水。翻弄されながらも気ままに楽しむ。あんな本。こんな本。
新しい出会いをありがとう。

日本の進むべき道は

2009年10月11日 | 読書ノート

 公正な取引だ,自由主義だと巧みな言辞を弄して,このように傲慢なグローバリズムをもって,世界中の平穏な生活を乱す国家が,かつて,
あったでしょうか。この現状を放任するならば,アメリカ人は何でも自分の好きなように出来ると思い込み,ますます増長するばかりです。
それは,私たち日本人にとって,間違いなく破滅を意味します。(P230)」

 ここまでの分析・問題提起は,グローバル・スタンダード=アメリカン・スタンダードにノーと言おうというところまでは,ある種の共感を覚え
るが,「そのような大国ならば,この世から消えてもらう必要があります。それには日本が,アメリカに対する金融支援を一切しない態度を
敢然と貫くことです。(P230)」といわれると,それができないからこそ,今日の混乱があるのではないか,と言いたくなる。
 ここまでの指摘が鋭かっただけに,最後に,あとがきで一言,”金融支援を一切しない態度が大事”と,言われると,肩透かしをくらった
ような気分である。

 少なくとも,

・ ケインズが唱えたバンコロールではないが,国際協調による複数通貨バスケット    
など,ドルに代わる新たな信用創造
・ 金融工学の行き過ぎを規制するための,国際担保認定制度の創設による悪質ヘッジファンドの規制
・ 新たな国際通貨制度に呼応した,ユーロ並みのアジア通貨圏の形成と,食も含めたブロック内安全保障策の構築
・ 国連軍の再編等世界平和機構の構築
・ アメリカ後の世界新秩序にあわせた,あらたなルールづくり
 ~グローバル・スタンダードから,調和あるリージョナル・スタンダードへ

 など,大きな世界を枠組みを構想する中で,ものづくり日本の特性を生かした,環境共生型の新技術革新などイノベーションに
よって生産性をあげる発展戦略を構えながら,
米国と対等の対話の礎を築こう,ぐらいは言ってほしかった。   


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