こんな本を読んでいる

日々出版される本の洪水。翻弄されながらも気ままに楽しむ。あんな本。こんな本。
新しい出会いをありがとう。

『アルジェの女たち』を見てみると

2005年04月16日 | 絵心は無いけれど・・・
 「続 絵画で見るアジア」でドラクロアの『アルジェの女たち』に,西欧から見たイスラム世界のイメージが示されていると紹介した。

 アルジェの女は,モロッコへの外交使節団にドラクロアが画家として随行した際の作品であるが,カメラのないその当時(18世紀のフランス),画家の随行は,使節団の記録写真係のような役割を果たしていたらしい。(このことだけでも,何だか新鮮な驚きですね。)

 で,先も引用した,Web美術館所収の 『アルジェの女たち』を画像で実際に見てみると

   黒人,絨毯,床のうえにベタっとすわるさま。(エキゾチックなタッチ)
 
   水タバコ,壁のアラベスクの模様,そしてハーレムの女性

 あたかも,美女をはべらせやりたい放題というようなモチーフが浮かびあがる。まるで,奴隷,セックス,ハーレムなどを示す記号群の集合体のような構図になっている。
 ちなみに,アルジェリアの人たちは,この絵がきらいなのだそうだ。ドラクロアの『アルジェの女たち』はイスラムをバカにしている。イスラムはそんな世界ではない。この作品にちりばめられたエロチシズムのシグナルは西欧人の妄想だと主張して・・・。サミュエル・ハンチントンのイスラム観と同じじゃんか,などと思うのは,飛躍かのお?



 
 

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