こんな本を読んでいる

日々出版される本の洪水。翻弄されながらも気ままに楽しむ。あんな本。こんな本。
新しい出会いをありがとう。

続 絵画に見る日本とアジア

2005年04月13日 | 絵心は無いけれど・・・
 西洋絵画(その代表選手としての18世紀のフランス絵画)の一つの特徴は,文明国VS野蛮国の対比。ドラクロアが描くイスラムの絵が典型的。例えば,『アルジェの女たち』。野蛮国の象徴は,暴力,テロ,エロチシズム。で,この『アルジェの女たち』には,そんなシグナルがあますことなく散りばめられている。
 エロチシズムの表現も屈折している。キリスト教の影響で女性の裸の絵は御法度。宗教画か遠い異国の絵が欲望の捌け口。写真やビデオもない。遠い異国の女の裸絵が男たちの隠れた楽しみ。それが,また,エロチシズムを刺激する。

 そして,日露戦争後の日本は,この西洋オリエンタリズム手法(ほかには,ドミニク・アングルの『奴隷のいるオダリスク』,アンリ・マティスの『赤いキュロットのオダリスク』など。)を,半島に持ち込んだ。藤田,黒田らの絵にみる文明国の価値観の押し付けと,その後のポスト藤田らによるアジアの融和路線への転換過程も教わった。絵画というものの雄弁さには舌を巻かれるが,WAAの[アジアを考える]が私にこんな薀蓄を与えてくれた。

  また,中国の人たちが描く故宮にみる中華思想の薀蓄(指摘)もなかなかものだ。日本人だと一様に斜めからの構図が,中国の画家たちのそれは,例外なくといってよいほど,真っ直ぐ一本やり。真っ直ぐな描画が故宮の1点に集約されるその様が中華思想を示すという解釈は,やや飛躍もあるかもしれない。だが,何枚もの絵を通じ1点集約イメージを持った後には,不思議と,何の違和感もなくすんなり腹に入った。誰でも自分が一番と考えるのは,極めて自然な感覚ではあると思うが・・・

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