こんな本を読んでいる

日々出版される本の洪水。翻弄されながらも気ままに楽しむ。あんな本。こんな本。
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『ウィニング 勝利の経営』 も読んでいる

2005年12月14日 | 読書ノート
ウィニング 勝利の経営

日本経済新聞社

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 GEのジャック・ウエルチ。しこたま稼いだんだからもう儲けるなよ。自伝を書いたときにはもう書かんといっとたじゃないか。と思っていたら・・・。また,本を出した。

 でも,まあ,話題の本だし,ビジネスパーソンにとっては要チェック本の一つと思い,少々無理強いをして,図書館で借りて読み始めた。教訓めいた自慢話が続くので読みさそうと思っていたのに・・・。さすがに経験豊富な世界トップクラスの経営者の経営ノウハウのエッセンス集だけあり,途中から,少し,おもしろくなってきた。

 ビジネスの成功のコツ,4つのE と1つのP。~Energy Energize Edge Execute & Passion だとか,組織における2-7-1の法則だとかは,ごもっともであるがごくありふれた話だ。何もジャック・ウエルチ聞かなくても,それぐらいのことは私でも知ってるしわかっている,といいたくなる。むしろ,4つのEを考えるとき,最後の実行性というキーワードにたどりつくのに,何年もかかったというのが不思議なくらいだった。

 ところが,さすがに世界的な企業の経営者というか,修羅場をくぐった人ならではの話と思わせるのは,危機管理へのアプローチ。さりげなく,語られているけれど,何度か壁にぶちあたって,それをブレークスルーした自信に裏打ちされたものになっているように思う。経験は言葉によって盗み取ることはできないけれど,せめてイメージトレーニングぐらいはしておこうと殊勝な気になった。

〔危機管理への助言〕

  1. 問題はみかけよりもひどいと想定すること。
  2. この世に秘密にしておけることは何もなく,やがてすべてが白日のもとにされされると想定すること。
  3. あなたやあなたの組織が危機に対処する姿は,最悪の形で描かれると想定すること。
  4. 業務手順と人が変化が生じると想定すること。血をみることなく収拾できる危機はないと思っていい。
  5. あなたの組織は生き残り,危機的事件のおかげでさらに強くなると想定すること。

 それと,”率直さ”に象徴される透明性が,ジャック・ウエルチの経営哲学の根底にあることに気づいた。人事制度を中央集権化せよとの主張は,米国には,未だにHP流の人事部門は事業の侍女という思想が底流に流れているのだなと感じたが,人事評価等も透明性を高めれば効果があがるというところがポイントである。色んな意見を取り入れる率直さ,嫌われることでも主張する率直さ,率直さを成立させるための透明性の高い制度設計,いずれも,組織を健康的に発展させるために重要なことである。(貞観政要の教えにも相通じるのお!)  blog Ranking へ


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