こんな本を読んでいる

日々出版される本の洪水。翻弄されながらも気ままに楽しむ。あんな本。こんな本。
新しい出会いをありがとう。

続 『投資戦略の発想法』

2005年12月28日 | 読書ノート
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 投資戦略というと何か大げさな気がするが,木村剛がこの本の準備編(前半150頁くらいのところ)で言っていることは極めて常識的なことだ。

 自分を個人投資家とみたてる。土地家屋,預貯金といった個人の持つ資産の現在価値を把握する。もちろん,保険や年金も入れて全体を把握する。次に資産状況を把握したら,家計簿で月々の収支状況をつかみ,年単位でのバランスシートをつくる。(そうです,家計簿による状態把握が重要なのです。)

 バランスシートをつくった後は,支出項目などの定点観測を行う。どの項目が節約可能かを分析し徹底した経費節減をし,不意なリストラにも耐えうるように2ヵ年分の生活防衛資金をためる。例えば,月々の支出が40万円の家庭なら,年間480万円。2年分を考えると生活防衛資金は1,000万円。月々の支出が20万円の家庭ならこの半分をまず貯めること。

 それから,大事な収入の糧である現在の仕事。そして,さらに,この仕事を技を磨くことが何よりも大切で,生活の中心にある仕事のスキルを上げる過程で投資に必要な知識も身につける。

 つまり,しっかりと現在の仕事に精励し技術を磨くとともに,節約・経費節減によって,しっかりと資産管理し,生活防衛資金を貯めることが,まず前提条件。これをクリアできる管理能力があってはじめて投資の話を聞く資格もある。逆に,これができない人は個人投資家に値しないということ。

  これから,世の中は,給料の頭打ちないしは減少を前提に,確実に増税,物価上昇に向かうと思われる。個人レベルでも,まずは経費節減を徹底し無駄な出費を抑え,生活防衛資金の余裕をもって,将来の子どもの就学や家の建て替えなどに対応しなければならない。しかし,常識的なことを当たり前にするのが案外難しい。地道な努力が欠かせないからだ。この本。良心的で結構いい本だ。  blog Ranking へ

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