こんな本を読んでいる

日々出版される本の洪水。翻弄されながらも気ままに楽しむ。あんな本。こんな本。
新しい出会いをありがとう。

南国日本の教訓 その1 捨てる勇気

2007年09月17日 | 読書ノート
サヴァイヴ!南国日本
高城 剛
集英社

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   さて、その高城の発想の転換とは?手始めは物社会からの脱却。そのための捨てる勇気。デジタルな社会、ネット社会の呪縛からの自由である。

 私自身、彼のオフィスに行ったこともあり、デジタル機器がところ狭しと積み上げられた倉庫然とした部屋構えは忘れられない。ポルシェを駆り、VAIOに新型がでればすぐさま手にし、はたまた、香港へ行けば、ノキアのキーボードつき携帯を購入する。高城は、物社会にっぽんの象徴のような存在であり続けた。

 その彼が、ビンテージもののシューズやら大型ディスプレイやら、持ち物の9割を捨て去り、週3日のメールチェック以外はネットも絶ち、脱デジタルな生活を楽しんでいるのである。ITの旗手との言える彼が脱IT、脱東京を敢行し、1年の4分の1を、沖縄、北海道、海外&東京で過ごすライフスタイルに転換した。(それでいて収入が減らんらしい。うらやましい。)

 一口に9割というが、今、身の回りにある9割のものを捨て去る勇気がある人がいるだろうか。ネットとつながない生活に耐えれる人がいるだろうか。ネット社会の呪縛から逃れ自由を手にしたのは、高城が、この捨てる勇気に耐えたからに他ならない。あっぱれである。

 『フューチャリスト宣言』が学ぶべき点もこの辺にあるのではないか。コモディティ化したインターネットに対しては、礼賛よりは脱却の方がキーワードになるのではないか、そのヒントの一つが『南国日本』に隠されている。


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