総理の値打ち 文藝春秋 このアイテムの詳細を見る |
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福田和也の『総理の値打ち』(文庫版)を拾い読みした。
小泉純一郎が29点だった。(この文庫本では,さらに27点に下がっていた。)小泉に対しては,国家的なビジョンもなく大衆迎合型政治であると手厳しい。先の選挙戦の結果を踏まえても,この評価は変わらないのだろうか?
伊藤(91点),山県(85点)に続いて,岸を81点で歴代第3位に掲げている。岸以外の戦後の首相で50点以上の及第点をもらったのは,佐藤(72点),吉田(68点),鳩山(64点),池田(62点),竹下(61点),田中(57点),福田(56点)の7人である。
中西輝政,保坂正康,国正武重らとの対談の中でも,大衆受けした近衛(17点)とのアナロジーで小泉を捕らえる視点が見受けられる。「近衛と東条英機(52点)というのは,やはり対をなす存在だと考えます。つまり,近衛は大衆人気に寄りかかったポピュリズムの危険を,東条は官僚政治の行き着く果てをそれぞれ示している。近代日本政治が抱えた二つの呪縛を体現する人物だと思います。一方の悪を否定したら,いつももう一方の悪に傾く。この二つの呪縛はいまだに続いている。(P209)」
「自民党をぶっ潰す」「改革断行」「官から民へ」などなど,キャッチフレーズと実態とに大きな乖離があったのは事実だ。だが,田中流の政治手法をドラスティックに変えた手腕はなかなかのものではないか。思いつき,官僚丸投げなどと揶揄される部分も,実は,周到な計算に基づくもののように思える。圧勝後の独善を自戒できるなら,池田と田中の間くらいに入ってもいいのではないか。少なくとも,宇野(35点),海部(36点),森(30点)よりも下ということはあるまい。竹下と入れ替えるとちょうど良いのではないかと勝手なことを考えた。(恩ある者へのあからさまな裏切り行為は醜い。)
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人気ブログランキングからやってまいりました。
本のご紹介、とても読みやすく、分かりやすいです。
是非、シカゴの実業家の越山雅代さんの「幸運へのダイナマイト」をお読みになってみてください。
読むだけで元気がでます。
コメントありがとうございました。自分ではとてもうまく書けているとは思っていないので,ディスプレイに向かって赤面してしまいました。
「幸福へのダイナマイト」って,タイトルからして元気がでそうですね。ご推薦ありがとうございました。
toru_moon