創作 彩音(あやね)との別離 12 )

2024年07月04日 03時28分29秒 | 創作欄

人生には、<落とし穴>があるものなのだ。

昭は、その日、会社の先輩の森田優斗に誘われて、彼の兄が経営する東京・亀戸駅に近いスナックへ行く。

そこで、出会ったのが、ポステスの韓国人アンナであった。

無論、アンナは源氏名なのだ。

森田の妻は、出産を控えて能登の実家へ戻っていた。

昭は、誘われ森田の錦糸町の実家へ泊る。

翌日、アンナと3人で向かったのは、中山競馬場であった。

昭にとっては、初めての競馬だった。

19歳のアンナは、気勢を上げて自分が買った馬たちを応援する。

その姿が如何にも、無邪気で、可愛いらしい。

しばらく、昭は馬券を買わずにレースを観戦していた。

「やった!」馬券が的中して、アンナはスタントで小躍りしていた。

アンナが買った1000円の馬券が、何と7万円余になっていたのだ。

「こんな世界があったのか!」昭は驚くとともに、競馬に興味を募らせる。

そして、昭が初めて買った1000円の馬券は、信じられない!

50万円を超える配当となったのだ。

買った馬券は、愛する彩音の誕生日の8-6。

1番人気の3-5は、皮肉にも惨敗であった。

「君、やるな!」先輩の森田が1度も払い戻したことがない、大穴馬券だっのだ。

アンナも「あんた、すごいね!」と昭に抱き着く。

昭は2人に5万円をそれぞれ進呈する。

「すごい!こんなのはじめて、あんたに、わたし惚れるよ」アンナはまた昭を抱擁する。

 



 

 

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