武田 頼政著者
内容(「BOOK」データベースより)
放埒な恋と蕩尽と、事業失敗のあげく名跡を担保に金を借り、相撲界を騒乱の極みに陥れた、不世出にして破天荒な天才、故・第54代横綱・輪島大士―大相撲八百長報道で角界を震撼させた著者が、その元妻に長時間の取材を敢行し、年寄名跡をめぐる初代・若乃花との対決、ロス疑惑・三浦和義との接点、暴力団との共生関係等々、輪島の栄光と堕天の時代を活写する。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
武田/頼政
1958年、静岡県生まれ、京都産業大学卒業後、出版社勤務を経てフリー。
2007年に「朝青龍の八百長疑惑」を週刊誌で告発し、「第14回編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム大賞」を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
結婚という親孝行
輪島の金銭感覚や職業倫理は、相撲社会の来し方とはまったく関係ありません。もちろん山田会長からの薫陶などでもありません。つまり相撲部屋に入門してからそうなったのではなく、生まれながら大きくズレていたようにしか思えないのです。
どうして私がそんな輪島と結婚する気持ちを貫くことができたのか、それを自分自身突き詰めて考えてみれば、つまり父親孝行をしたかった、ということに行き着くのだろうと思うのです。
そこにはやはり「花籠名跡」の継承問題がありました。戦中から戦後にかけて父と母が大変な苦労をし、その後も手塩にかけて大きくした相撲部屋です。それを中島家以外の者に継がせるのは嫌なのだろうなと、私は察していました。
でも輪島は夜の銀座の有名人ですし、常識ではかることのできない男ですから、すんなり家庭に入るとは思えませんでした。
私は父に、「あの人と結婚しても大丈夫かしら」と不安な気持ちを正直に打ち明けました。
すると父は「いいかいメイ」と言って、こう諭(さと)されました。
「サラリーマンと結婚したら、好きなものを食べたり飲んだりする生活なんてできないんだよ。この花籠にいるからこそお前にも贅沢をさせてやれるんだ。そこのところをよく考えないといけないよ」
そして呟くようにこう言いました。
「あいつだって髷(まげ)を切れば変わるさ、決して悪いやつじゃないんだから」
安倍晋三も招いた大披露宴
輪島との結婚式は1981年1月29日のこと。大安の木曜日です。私は27歳、輪島は33歳のまだ現役の横綱でした。
結婚披露宴が行われたのは東京プリンスホテルの「鳳凰の間」。前年の11月には俳優の三浦友和さんと歌手の山口百恵さんの挙式も行われた大宴会場です。
スポーツ紙などによると、結婚式にかけた費用は1億5000万円、招待客は約3000人と報じられましたが、すべて父と輪島とで準備が進められていたので、私は式の詳細などさっぱり知らされていません。あれよあれよという間に当日を迎えてしまったというのが実情なのです。
最初は各一門の親方衆を中心とした相撲界のみの披露宴にするつもりでしたが、お世話になっている後援会の方々に不義理をしてはいけないという思いに加えて、芸能人や有名スポーツ選手好きの輪島が、お声をかけるうちにどんどんと規模が膨れあがっていったようなのです。
披露宴にお招きした方々は多士済々です。
当時、輪島の後援会長をされていたご縁で、自由民主党の安倍晋太郎先生ご夫妻には媒酌の労をとっていただきました。披露宴に先立つ結納式は中島家で行われ、ご夫妻とともに当時お父様の秘書をされていた安倍晋三さんも阿佐谷に見えられました。
結納は滞りなく終えられたのですが、当日は緊張しきりで、どんな会話をしたかなどほとんど憶えていないのです。ただ息子の晋三さんがお父様とともに終始笑顔でおられたことだけは記憶にあります。
あとは元総理の福田赳夫先生。それから当時の横綱審議委員会委員だった稲葉修先生(元法相)もお招きしました。お相撲とお酒が好きで、花籠部屋にもよくお見えでした。トレードマークの羽織袴を召してうちの部屋にやってくると、一気に上がり座敷に灯りがともったようで、稽古場の雰囲気がパッと明るくなります。
わが家でお食事していかれます
わが家でお食事していかれますが、楽しくお喋りをして、最後はいつもベロベロに酔っ払ってお帰りになります。私はそんな稲葉先生が大好きでした。結婚式のときは前年の選挙で下野されていましたが、以前と変わらず意気軒昂なのが嬉しかった。
輪島の大タニマチといえば、佐川急便の佐川清会長と福島交通の小針曆二社長がいます。
芸能界では勝新太郎さん、萬屋錦之介・淡路恵子ご夫妻、森繁久彌さん、芦田伸介さん、十朱幸代さん、小林旭さん、松方弘樹ご夫妻、関口宏ご夫妻、石坂浩二・浅丘ルリ子ご夫妻、ハナ肇さん、柳家小さん師匠、ディック・ミネさん、五木ひろしさん、千昌夫さんご夫妻などです。
披露宴にご招待するに際して、事前に何人かご挨拶に伺ったのですが、石坂浩二さんと浅丘ルリ子さんご夫妻は素敵なカップルでした。
石坂さんは多芸多才で、結婚のお祝いに横綱の絵を描いていただきました。博識で世間の様々なことをご存じの石坂さんとお付き合いしているのだから、もっといろんなことを教えてもらえば、輪島も知性や教養を磨けるのになぁと思ったものです。
五木ひろしさんとも親しくしていました。輪島と同じ「ひろし」つながりで、結婚前からよく五木さんの自宅のパーティに満ちゃんの子供たちを連れて行ったみたいです。そう、後の若貴兄弟です。
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あれから30年以上経っても先妻とその一族は輪島さんを許してはいません。現在の自分達の境遇と比べて輪島さんが再婚して後に甲子園球児になる倅を設け、最後はソファーの上でテレビを見ながら眠るような最後であったということに未だに納得がいかないということでしょう。
最初から最後まで恨み節が並びます。売ろうがせんとために、ここぞとばかり今世間で話題となっている反社会的勢力や大麻の話がでてきます。
ソフトカバーの205ページでありながら1600円超の値段も最後の最後で輪島さんで儲けてやろう、あの頃被った損害を少しでも取り返してやろうという魂胆がありありです。
たしかに輪島さんは現役時代からドンパチ、どちらかと言うと社会的常識などからは欠損してたのかもしれません。
しかし、彼の素質、実力を見て彼を甘やかし特別待遇にして、彼を慢心させたのはこの先妻の父親である親方であり輪島さんがいたお陰で部屋が潤ったのも事実である。
私はこの親方が書いた「名伯楽と呼ばれて」という著書も昔読んでいます。
この著書の中で親方が輪島さんが人間の持っているそれぞれの欲求中で彼のそれは満ち足りたプライベートでの生活であり彼が当時の相撲取りの中では派手でありマンションに住んで高級外車を乗り回すのもそれはそれで構わないという内容である。
おそらく輪島さんは誰が親方の部屋に入っても横綱になったであろう。
しかしもっと私生活に厳しく十両になったばかりの力士が銀座で豪遊するのを見とがめないような親方の部屋に入っていなければあのような最悪の悲劇は産まれなかったのではないか、すべては死人に口無し、自分達の都合の良い様な内容に終始しています。
読み終わって最後は気分が悪くなりました。
人の怨みと業によって書かれている本です。郷土の大横綱輪島さんの本だということで購入しましたが購入に後悔しています。
一芸に秀でた人物が社会的には不適合者である場合が多々あるが、輪島はその典型なのだろう。序章にこんな一文がある
”輪島の人柄をわかりやすく言えば、「オンナとカネにだらしのない人」です。”
死んだ後にこんな風に言われるのもなぁ・・・・広島ヤクザとの接点や二子山親方との確執等々、興味深いエピソードが盛りたくさん。それらが元妻の一人称で語られている。
問題なのは元花籠親方もこの実質、著者の五月氏にしても初代若乃花や輪島のおかげで自分たちがあるということを忘れているということ。
初代若乃花も輪島も別の部屋でも横綱になっただろう。
花籠の株は協会のものであって自分たちのものじゃないことも分かってない。
輪島はともかく初代若乃花は悪いことはしてないと思うけどな。
輪島の後妻は何もない輪島と結婚したわけだけど、あなたは金と地位のために結婚したのでしょう?
相撲の親方は一代限りでしょう、あの双葉山だって子孫が経営してるわけじゃない。歌舞伎や能じゃないんだしそこを忘れているよね。
あなたが最初から自分が好きな人と結婚すればよかったんじゃない?
元 前頭3枚目の男が幸運により金と地位を得たんだけどそれを自分の力と思っちゃったのが問題だね、そしてその子供達も。本来なら部屋付き親方か協会に残れなくてもおかしくない番付なのにね。
倒産 FMWの著者も大仁多のおかげでFMWの社長になれたのに自分で潰して大仁多に文句言ってる最低の人間。
横綱輪島の破天荒なエピソードが満載の楽しい内容かと思ったらとんでもない、前妻の恨み節で埋め尽くされています。しかも輪島が再婚後に生まれた息子さんの事にまで触れるのはどういう神経なのか。とにかく読まない方がいいとしか言えない一冊です。