松帆神社の境内は広く、
脳出血の後遺症で半身麻痺の 姉 には、
本殿までの道のりはかなりのものです。
しかも階段を登らねばなりません。
「またあそこへ行きてぇ。
敷地内に立つだけでもいいけん」
そう言うので、
車から降りるだけかと思っていました。
杖と手摺りを使って、歩を進める姉。
姉がこの神社に初めて来たのは 3か月ほど前。
その時も、この長い参道に
無欲の一歩一歩を踏みしめて
参拝が叶いました。
娘に息子に、父と母、
わたしの家族や、そのほかみんなみんなみんなのこと。
思い浮かぶ一人一人の名前を呼びながら、
ありがとうございますとお礼を述べ続ける姉。
ふざけたことを反省するくらい、
手を合わせる姉からは光輝が放たれていました。
こんなにも美しい顏をしてたのね。
その様もまた美しい。