毎年、あぁ嬉しいなぁと思うのは、
桜のもとに出でる人がこんなにたくさんいること。
花を愛でる余裕・豊かさを感じます。
先日、奈良県の明日香村に行ってきました。
大地も空も広く、のどかで空気の美味しいところでした。
桜の美しさをカメラにおさめるなんて
とうてい出来るはずない...と分かっていても、
あまりの美しさに、撮らずにおれない衝動。
カシャッ。
何日かして、そのときの写真を眺めると
桜が咲き誇る時空間の美しさと、
そこはかとない清楚な匂いが蘇ってきます。
脳裏にじゃなくて、まさに今この空間に。
そして、桜の木を抱きしめたあの時のように
静かで快適な呼吸に立ち戻っていきます。
あー、もっと抱きしめてたかったぁ。
素敵な体験でした。
思い出すのではなく、蘇る。
頭ではなく、体で再現する。
「この今を、わたしのすべてで味わい尽くそう」
そんな心がけさえ忘れるほどのめりこんで楽しめば、
忘れたくても忘れられない体験になります。
そしてそんな体験ほど、再現しやすいものです。
ここでいう体験とは、起きた”出来事”ではなく、
その出来事で味わった体の感覚や感情、
またはそれ以上の知覚のことをいいます。
一度体験したことを、いつでも再現できる能力が人間にはあります。
出来事は時とともに過去になっても、
あなたが体験したことは、決して過去にはなりません。
衣服と同じように、また身にまとおうと思えばまとえるものとして
いつもあなたというクローゼットのなかに納まっています。
「マッサージに行きたいけど、時間がないぃぃ」
そんな時は目を閉じて、実際に施術を受けたときの
自分の気持ちい～い体験を、再現しましょう。
背中をすべり動くぬくもり、
体中の細胞すべてを揺り動かすような振動、
体の芯にまで届くゆっくりと確実な圧
皮膚の内外をなめらかに流れていく何か...e.t.c。
足裏、太腿、腰、デコルテ、肩、首、頭、
全てにおいて、実感覚を呼び起こすことが大切です。
マッサージされている自分を、外から眺めるのではなく、
まるで今実際に施術されているように、内側から感じるのがコツです。
そうすれば確実にマッサージ効果が現れますから。
一日のなかで、気持ちの落ち着くひとときを利用して、
あなたの大切な身体を、あなたの体験を再現して
心地よいマッサージへと導いてあげましょう。
どの瞬間も、五感プラス六感七感で楽しみましょう。
出来事を記憶するのではなく、そのときの自分の状態を満喫しましょう。
今日も一日、再現力の高い体験を。
