ready go! 

一日も早い回復をお祈りいたします

26日の続き

2007-06-27 10:24:51 | ラジオ

~26日の続き

ピピピピ。(電話の呼び出し音)

「もしもし。」
「あ、もしもし はやみです。しのみやさん?」

・・嫌な予感がした。
刑事である はやみさんからの電話。

「すぐに やよい町の救急病院に こられますか?」
「何か?」
「さめじまけいごさんが 交通事故を起こして 緊急入院をしました。」
「え?!」
「お知りあいですか、しのみやさん。」
「すぐに行きます。」

(自動ドアが 開く音)

廊下の突き当たりに 数人のスーツを着た人が待っていた。
その中に はやみさんがいた。

「しのみやさん、安心して下さい。左足を骨折していますが 命に別状はありません。意識もしっかりしています。」
「すみません。」
「あのー、さめじまけいごは・・。」
「犯人・・なんですね。」「えぇ。」
「ニュースで聞いて びっくりして。」
「追跡している途中の事故でした。大事に至らなくて良かった。」
「彼は 悪くないんです、ただ私が・・。」
「ラジオ・・聞きました。伝言板。」 「まあ。」
「彼は 聞けなかった。」
「そうですか・・。」
「少しだけ 会いますか?」
「ありがとうございます。」

「けいごさん・・。」
そこに 横たわるけいごさんが いた。
頭に 包帯を巻いている。
彼は いつもの 優しい目で 私を見た。
「ごめんな、れいこさん。」
「え?」
「もう少しだったのに。」
「いいの、もう いいの。」
「あの260万は?」
「まだ、私の部屋にある。」
「え?」
「使えなかった。」 「れいこさん・・。」
「ごめんね、こんな私のために。」
「こんな なんて言うなよ、れいこさんは れいこさんだ。」

「あのさ、れいこさんが好きな くどうあかねさん いるだろ?」「うん。」
「その人に 40万借りたんだ。」
「もう、いい!」
「あの人 弁護士だから きっと力になってくれるよ。」
「私の事は いいから!」
「・・オレ やっぱり れいこさんの事が好きだ。くどうさんに言われて 気がついた。もう 弟の事は 関係ない。」
「私だって。・・私だって。」
「思いを伝えるのは 難しいな。」「うん。」
「遅すぎ・・たかな。」「ううん。」

(はやみ刑事)
私は 二人を残して病室を離れた。
そして 娘に電話をかけた。

「はい。」
「あ、もしもし あやか?」
「はい。」
「お父さんな、今夜も帰れない。」
「はい。」
「大丈夫か?」
「はい。」
「あやか・・。」
「何?」
「いや・・。じゃぁ。」
「はい。」
 
電話が切れる音

私は あやかに ちゃんと思いを 伝えられない。
言葉にできない。
でも、このままじゃ だめだ。
あやかに せめて 自分が 思っていること、それを言葉にして伝えないと。


~ジャズの音楽

「おじいちゃん・・。」
「ん・・、なんだ たろう?トイレか?」
「まだ 寝ないの?」
「あぁ、ううん。」
「ラジカセ・・直った?」
「あぁ~、直った、直った。なあ たろう。」 「うん?」
「おまえは まだ ちっちゃくて分からないかも 知れないが、大切なものはな、あっと言う間に 無くなってしまうんだ。」
「ぼくの お父さんや お母さんの事?」
「そうだ。だからこそ 大事なんだ、伝えるって事がな。」
「伝える・・?」
「言葉にして、後で後悔しないためにも。」
「よく 分からない・・。」
「ははは、そうだろうな。だが そのうち分かるよ。たろうも分かる。きっと分かる。さあ、もう おやすみなさい。」

(あやか)
お父さんからの 電話は 珍しかった。
何か・・言いたそう だった。
でも、私は 上手く話す事が 出来ずに すぐ電話を切ってしまった。
明日は 晴れるといいな。
お母さんのラジカセを 取りに あの おじいさんとたろうくんに会いに行こう。

ここで7話が 終わり。

ラジオの前で・・というタイトルだから みんな ラジオが きっかけなんですね。
実際は こんなにタイミング良く 聞けたりしない・・とか 思ってしまいますが、
(ごめん こんな事言って・・★)
それぞれ いろんな事が 起きるけど、優しい人ばかり。
夜に 聞くのも いいな~って ちょっと しんみりしてしまいます。
(私が 文字に写したのじゃ 伝わらないと思いますが、聞くと 実際は もっと いいです。)


「」


6/26 放送

2007-06-27 02:27:02 | ラジオ

青春アドベンチャー 7話

(ラジオ)
はい、みなさんの伝言板 今夜も お届けしちゃいますねー。
えー、さいたま県の ようこさんからの伝言で・・
「まあくんへ、台風大丈夫でしたか?停電 平気でしたか?」

(れいこ)
台風の影響で 停電になった。
夜11時頃 電気がついて 隣に住む あやかちゃんが家に帰っていった。
一人で ラジオを聞いていたら 臨時ニュースが・・。

「ふじみ町郵便局強盗事件ですが、その容疑者が 全国に指名手配されました。
タクシー運転手 さめじまけいご 35才。」

けいごさん??
けいごさんの言葉が よみがえる。
「れいこさん、大丈夫だから。オレが なんとかするから。心配しなくていいよ。」

ちっとも 大丈夫じゃないじゃない。
けいごさん、何で私のために。私なんかのために。
今 どこにいるの?
・・私は あることを思いついた。
それは 連絡の取れないけいごさんに・・。
(ラジオ) 
ラジオ伝言板 引き続き みなさまからの・・。

そうだ!ラジオ。メッセージを送ろう。
タクシーを運転しながらの楽しみは ラジオを聞くことだと言っていた。
届くかもしれない、私の言葉。


ピッ(メールの受信音)
(はやみ刑事)
娘の あやかから 無事に家にいるというメールを受け取ったので安心した。

至急現場に急行してください!(呼び出しの連絡)

私の追っていた事件が 終盤を向かえようと していた。
さめじまは この2ヶ月 ありとあらゆる ヤミ金から 金を借りまくっていた。
勤めているタクシー会社からも 金を前借りを しつくして
ついに強盗に いたったらしい。
いったい何のために そこまで金が必要だったのか?


(けいご)
とりあえず、金は 出来た。オレは これから れいこさんの家に行く。
これを渡したら オレは・・、自首する。

(ラジオ)
夜11時30分を過ぎました。
ラジオ伝言板。今日も さまざまな人の さまざまな言葉を電波を 電波にのせて・・。
さて 続いての・・。

(けいご)
あの弁護士 くどうあかね の言った通りかも しれない。
オレは いつしか れいこさんに会うのが 楽しみになっていた。
オレは・・れいこさんを・・。

パトカーの音。
うっ!ちくしょう。
れいこさん 何としてでも届けるから。
もう少し待っていてくれ。
これでもう ビクビク暮らすことは 無い。
これで 弟から離れられるだろう?

れいこさん。
(追いかけてくる車の音)
なんとか ここを切り抜けたい。
捕まるのは 何でもない。
ただ、今は この金を れいこさんに届けるまで・・。

あの交差点 信号が赤だ。行けるか?
れいこ、待っててくれ!
(ブレーキの音)
ウワァー!
(追突する音)(パトカーの音)
「さめじま!大丈夫か、オイ! さめじま!」
「こちら 009号車 はやみ。被疑者の さまじまけいごを 確保。
ただし 追跡中に 信号の交差点のカーブを曲がりきれず ガードレールに ぶつかり、衝突。至急 応援、救急車 頼む。」

さめじまのタクシーは 右前方を破損していたが ラジオは ついたままだった。
(ラジオ)
メールで しのみやれいこさん から けいごさんへの 伝言です。
「しのみや・・れいこ?」

(ラジオ)
けいごさん、今タクシーの中ですか?
私 ある女の子と知り合って、
その子が 亡くなったお母さんに伝えたかった事が あるって 聞いた時
人は ちゃんと言葉にして 相手に伝えなくちゃいけない時があるんだって 思って
このメールを書きました。
けいごさん 今まで いろいろ ありがとう。
毎月毎月 お金を届けてくれたけど
私は いつからか けいごさんに 会える事が うれしくなっていました。
上手く言えないけど あなたの事が とても大切です。
どうしても その事が言いたくて。
けいごさん・・、もう 無理しないで。
お金なんて いいの。
私は ただ あなたに 会いたい。

「さめじま!オイ さめじま! 今 ラジオでな、これ おまえの事なんじゃないのか?」


ピピピ、 
「はい、・・もしもし。」
「ゆういちくん?」
「・・まりこさん。」

停電が直って しばらくして まりこさんから電話があった。
番号 教えておいて 良かった。

「今 いい?」 「うん
「遅くに ごめんね。」
「いや、電話・・ 嬉しいよ。」

もう、連絡は無いような気がしていた。

「今ね、部屋でラジオ 聞いてた。」 「そう。」
「ラジオ伝言板と言う番組。」 「そっか。」
「ちょっと いいメールだった・・というか、
たまたま 私の心に刺さった・・というか。」
「そう・・、どんな内容だったの?」
「うん、何て言うか 『あなたに会いたい。』『あなたが大切だ。』って。」
「そう。」
「ちゃんと伝えないと いけない時があるって。」
「伝える?」
「ねえ・・、ゆういちくん。」 「ん?」
「明日も サーフィン行く?」
「ん~、台風が 行っちゃえば。」
「行っちゃうよね!きっと。」
「あー、たぶんね。 そしたら とびっきり いい天気になる☆」
「明日・・、あそこのコンビニで 待ってる。」 「え?」
「まりこ 行かなきゃって 思って。」
「・・海?」
「あの人との 沢山の思い出がある くがじま海岸に行く。」
「うん・・、分かった。」
「ゆういちくん。」 「何?」
「停電のあいだ、ちょっと考えてた。」 「え?」
「ゆういちくんの事。」 「・・そっかー。(嬉)」

「明日 待ってる。8時にしよう。オレ会社休むから。」
「え? いいの?」
「大丈夫! ほら、普段 すっげー仕事してっから☆」
「本当かな~(笑)。」
「ほんと、ほんと!・・じゃあ おやすみ。」
「おやすみさない・・。」

また続きます。
(・・長い お話ですね。上手に まとめられないので そのまま書いてしまって
 だらだらして すみません。)